清州会議
2013年01月03日 | 本

三谷幸喜(著) 幻冬舎(出版)
日本史上初めての会議。「情」をとるか「利」をとるか。
本能寺の変、一代の英雄織田信長が死んだ。跡目に名乗りを上げたのは、柴田勝家と羽柴秀吉。その決着は、清須会議で着けられることになる。二人が想いを寄せるお市の方は、秀吉憎さで勝家につく。浮かれる勝家は、会議での勝利も疑わない。傷心のうえ、会議の前哨戦とも言えるイノシシ狩りでも破れた秀吉は、誰もが驚く奇策を持って会議に臨む。丹羽長秀、池田恒興はじめ、会議を取り巻く武将たちの逡巡、お市の方、寧、松姫たちの愛憎。歴史の裏の思惑が、今、明かされる。
初めに映画化の話を知りました。
三谷作品なら面白さは約束されたようなもの。
本を読んでみたくなって図書館に予約を入れてからかなり待たされたけれど映画公開前に順番が回ってきたぞ
信長亡きあとの日本の歴史を左右する五日間の攻防が「現代語訳」で綴られています。
数年前の大河ドラマでも清州会議の後の跡目襲名の場で秀吉が三法師を抱いて登場するシーンがありましたが、まさにその会議までの数日間を書いているのです。
現代語訳という形をとることで、プレ会議だのアピール、スタンドプレーなどなどカタカナ英語も違和感なく使われ、まさに現代人の感覚にすんなりはまる言い回しと三谷氏持ち前の軽妙なユーモアがふんだんに施された語り口にすっかり引きこまれ、一気に読み終わりました。
物語は、登場人物たちの独白によって構成されています。各自の心情が明確に伝わってきてこれが実写になった時の面白さを考えるとそれだけで笑いがこぼれてしまうほど。
剛腕実直だが感情で突っ走る柴田と冷静な丹波は親友でもあり、彼らが織田家の跡目に推すのが信長公に比べたら小粒だけれど人臣に人気のある信孝です。夫と長男を殺され秀吉に恨み骨髄のお市の方も味方します。対する秀吉は長兄である信雄を推します。だって御輿は軽い方が御しやすいでしょ
でもこの信雄ったら救いようのないバカなのね。(いや、あの明るさは一種の救いか?)彼のイノシシ狩りでの醜態にさすがの秀吉も匙を投げたところに現れたのが亡き信忠(信長の長子)の忘れ形見三法師。(実はこの出会いは母である松姫が仕組んだものだったというオチあり。)そう、この会議は織田家の跡目を決めるという表向きの理由の裏で、柴田と秀吉の勢力争いの場でもあったのです。
駆け引きのために彼らが繰り出す様々な手段とそれによる状況の変化を独白で繋いでいくやり方はまさに劇の台本のよう。映画版では秀吉が大泉洋、柴田は役所広司、丹波は小日向文世、落ち着きのない目の利に敏い池田は佐藤浩市、バカ兄貴の信雄は妻夫木聡、軍師・官兵衛は寺島進と豪華な俳優陣がキャスティングされているのも楽しみです。更科六兵衛(西田敏行)まで登場するというのだから!!(本では出て来なかったけれどね
)
二歳の子を跡目にという奇策を色んな理由で正当化しそれが一番の道と説き伏せる秀吉の姿はさすがに信長の天下統一の道を踏襲する器と映ります。大局に立って考えられるかどうかがその後の明暗を分けるというのも納得させられる数日間でもありました。
お市の方に関しては、「あんな女性じゃないよ~~」と言いたくもなったけれど、実際のところはわからないものねぇ。こういう捉え方も面白いんじゃないかしらん
あぁ、早く映画が観たいぞ
日本史上初めての会議。「情」をとるか「利」をとるか。
本能寺の変、一代の英雄織田信長が死んだ。跡目に名乗りを上げたのは、柴田勝家と羽柴秀吉。その決着は、清須会議で着けられることになる。二人が想いを寄せるお市の方は、秀吉憎さで勝家につく。浮かれる勝家は、会議での勝利も疑わない。傷心のうえ、会議の前哨戦とも言えるイノシシ狩りでも破れた秀吉は、誰もが驚く奇策を持って会議に臨む。丹羽長秀、池田恒興はじめ、会議を取り巻く武将たちの逡巡、お市の方、寧、松姫たちの愛憎。歴史の裏の思惑が、今、明かされる。
初めに映画化の話を知りました。
三谷作品なら面白さは約束されたようなもの。
本を読んでみたくなって図書館に予約を入れてからかなり待たされたけれど映画公開前に順番が回ってきたぞ

信長亡きあとの日本の歴史を左右する五日間の攻防が「現代語訳」で綴られています。

数年前の大河ドラマでも清州会議の後の跡目襲名の場で秀吉が三法師を抱いて登場するシーンがありましたが、まさにその会議までの数日間を書いているのです。
現代語訳という形をとることで、プレ会議だのアピール、スタンドプレーなどなどカタカナ英語も違和感なく使われ、まさに現代人の感覚にすんなりはまる言い回しと三谷氏持ち前の軽妙なユーモアがふんだんに施された語り口にすっかり引きこまれ、一気に読み終わりました。
物語は、登場人物たちの独白によって構成されています。各自の心情が明確に伝わってきてこれが実写になった時の面白さを考えるとそれだけで笑いがこぼれてしまうほど。
剛腕実直だが感情で突っ走る柴田と冷静な丹波は親友でもあり、彼らが織田家の跡目に推すのが信長公に比べたら小粒だけれど人臣に人気のある信孝です。夫と長男を殺され秀吉に恨み骨髄のお市の方も味方します。対する秀吉は長兄である信雄を推します。だって御輿は軽い方が御しやすいでしょ

駆け引きのために彼らが繰り出す様々な手段とそれによる状況の変化を独白で繋いでいくやり方はまさに劇の台本のよう。映画版では秀吉が大泉洋、柴田は役所広司、丹波は小日向文世、落ち着きのない目の利に敏い池田は佐藤浩市、バカ兄貴の信雄は妻夫木聡、軍師・官兵衛は寺島進と豪華な俳優陣がキャスティングされているのも楽しみです。更科六兵衛(西田敏行)まで登場するというのだから!!(本では出て来なかったけれどね

二歳の子を跡目にという奇策を色んな理由で正当化しそれが一番の道と説き伏せる秀吉の姿はさすがに信長の天下統一の道を踏襲する器と映ります。大局に立って考えられるかどうかがその後の明暗を分けるというのも納得させられる数日間でもありました。
お市の方に関しては、「あんな女性じゃないよ~~」と言いたくもなったけれど、実際のところはわからないものねぇ。こういう捉え方も面白いんじゃないかしらん

あぁ、早く映画が観たいぞ
