杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

パコと魔法の絵本

2009年08月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2008年9月13日公開 105分

一代で会社を作り、我侭放題に生きてきた大貫(役所公司)が入院した病院には、患者(妻夫木聡、阿部サダヲ、劇団ひとり、國村隼 )も医者(上川隆也)も看護婦(小池栄子、土屋アンナ)もクセのある者ばかりが集まっていた。その中で唯一、ピュアな心を持っていたのが、交通事故で入院した少女パコ(アヤカ・ウィルソン)。我侭な大貫だったが、パコの優しい心に打たれ、毎日、絵本を読み聞かせるように。しかし、事故の後遺症でパコの記憶が一日しか持たないと知った大貫は、パコのために絵本をお芝居にしようと病院の人々に呼びかける。

『下妻物語』『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督作品。
独特の色使いと3DのCGを駆使したインパクトの強い大人のファンタジーになってます。
原作は、後藤ひろひとの舞台「MID SUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人」。

一見、ハチャメチャでとんでもないお話かと思いきや、中味は純粋で傷つきやすい心を持った人たちの再生のお話なのね。

わがまま放題のくそじじい・大貫だけど、事故の後遺症で一日しか記憶の持たない少女・パコとの出会いで、自分の心の奥に眠っていた優しさ・愛を甦らせます。彼らを軸として、他の患者やナースのそれぞれの事情も徐々に明らかにされつつ進んでいく物語はシニカルでブラックで原色に彩られた不思議ワールドです。

役者たちは日頃の抑制をとっぱらったかのような突き抜けた演技を楽しそうにしています。國村さんのオカマ姿は抱腹絶倒もんです。

大貫じいさん、ここで往生か?と思わせておいてのどんでん返しにはちょっとうるうるしてしまいました。へっぴり消防士役の劇団ひとり演じる患者の放水=雨のシーンも良かったな。

阿部サダヲの役は物語の語り部でもありますが、その正体は・・・☆☆

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