「よかったなぁ、かあちゃん」(4分半)
西本鶏介:文
伊藤秀男:絵
講談社:発行
2009.8第1刷(1500円)
あと4,5年経つと、5人に一人が認知症になると言われている。
公園で遊ぶ3人の男の子。
その姿に幼くして亡くなった息子の姿を思い浮かべるおばあさん。
そっと横に付き添うおじいさん。
見守るには限界がきて、ある日おばあさんは入院することになる。
最初は事情を知らず、遊びの邪魔になると疎ましく感じていた子どもたちが、やがて優しい気持ちを持ち、去っていくおばあさんに声をかけた一言が胸を打つ。
実は、うちの夫の母も認知症専門の施設に入居中だ。
コロナ禍で永らく会えていないし、会えたとしても何もわからない状態だ。
まだそこから趣味のカラオケ教室に、送り迎えしていた頃、別れ際に振り向き私の名前を呼んだことがある。
その時の義母の表情はいまだ忘れられない。
「おかあさん・・・」
私も、もう一度呼んでみたい。
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