Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

アホウドリが旋回する場所~キラウエア灯台

2015-06-20 03:51:04 | ハワイ


「To the lighthouse」というヴァージニア・ウルフの難解な小説がありました。
「ありました」などと過去形で言うのは
どうにも読み解くことができなくて苦労をした苦い思い出があるからです(笑)。

この小説の邦訳名は「灯台へ」。
そしてこれを日本語に翻訳した方は
私が大学に入って意気揚々と臨んだ最初の英文学の授業の先生でした。

あの時もかなり苦労をしました。
先生がテキストにしたのは「To the lighthouse」ではなく
同じくイギリスの作家、イーヴリン・ウォーの
「The loved one」という遺体を扱う不思議な小説でした。

けれども、どちらの小説にしろ
題名を唱えるだけで、なんと言ったらいいのでしょう
たとえ辞書を引き引き苦労はしようとも
英語の小説を英語で読むことで
一生懸命背伸びをして大人になったように感じた
青春時代のあの心のときめきと
あの高揚感がよみがえるような気がします。

以来、灯台があると聞けば
どこにいても「To the lighthouse」、「灯台へ」と足を向けたくなります。

そんな理由は脇に置いても、灯台は大好きです。
世界のいろいろな所で灯台を見てきました。
観光名所になっている灯台もあれば
いまだに暗闇に灯をともして船を導いている灯台もありました。

らせん階段を上まで登れる灯台もあれば
ただ下から仰ぎ見るだけの灯台もありました。

昨日私たちが訪れた灯台は
ここカウアイ島、北の海が広がる小高い丘に立つ
美しい灯台でした。
その名を「Kilauea Lighthouse」(キラウエア灯台)と言います。

とにかく島の海岸線、56号を逆時計まわりに走ってください。
この島は道がぐるりと繋がってはいませんから
時計回りに走ったら突き当りになってしまいます。

逆時計回りに走ってもそれはそれは美しい終点に行き当たるのですが
灯台はその手前にあります。
56号から海へと繋がる細い道を曲がります。

私たちは最初は標識を見逃してしまい
どこまで行っても姿を見せない灯台にあきらめかけましたが
もしやと思って戻ったところに、標識を見つけました。

それでも灯台は最後の最後まで姿を現しません。
本当にこの道でよかったのだろうかと
人の姿も車の姿もない緑一色の道で不安になります。

それだけに、いきなり目の前に現れた時の圧倒的な美しさは必見の価値があります。

この灯台は1976年に任務を終えましたが
今でもたくさんの篤志家たちの志で
昔の誇りある姿を私たちに見せてくれています。
今年で102歳を迎えました。

この灯台のさらに素晴らしい所は
この一帯が海鳥たちの自然保護区になっていることです。
毎日、何百羽もの鳥たちが崖の斜面で羽を休めては
飛び立ち、また戻ります。

真っ青な海と白い雲、眩しい太陽を背に
灯台の周りをほとんど羽も動かさずに大きく大きく旋回する鳥たちの姿は
いつまで見ていても見飽きることがありません。


とりわけここは「Albatross」(アホウドリ)の繁殖地として知られています。

特にこの時期は、遠目にはまるで白い花が斜面に咲いているかのように
たくさんの「アホウドリ」たちが見られます。


灯台へと歩く道の途中の何か所かにこんな標識を見つけました。


BIRDS ONLY
Beyond This Sign
(この先、鳥以外は入るべからず)


空港からなら車で1時間半ぐらいでしょうか。
ぜひ海を右手に逆時計回りに走ってみてください。
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「メイおばさんの料理帖」はこちらです。
よろしかったらどうぞこちらも覗いてみてください。
6月18日:懐かしの味の素に再会
6月17日:ファーストフード店のサイミンですが、、、、、
http://blog.goo.ne.jp/mayobasan

どうぞ今日も良い日でありますように。
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