Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
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世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

こんな素敵な寄付の形~オークションディナー

2016-07-18 15:49:52 | びっくり!

今思えば、始まりは今年の2月初め
シリン&ヌア夫妻をディナーにお招きした時でした。

アメリカで暮らしてもう幾星霜のお二人は
国際機関で仕事をしていたインド人のカップルです。
そしてこのシアトルの町ではちょっとした顔役です(笑)。

もうとうに70代後半だと思われるのに
教育機関や医療機関や政府関係の理事やらアドバイザーなどをしながら
あちこちを飛び回っては世のため、人のために尽くしています。
そして

「メイ、私、来週は入院して手術やってるから、連絡とれなくても心配しないでよ。」 

などとケロッとおっしゃいます。

元々は私たちのワシントンDCの親友夫妻の友人でした。
気付いてみたら、すっかり彼らのバイタリティーに魅了されていました。

そんなお二人をディナーにお招きして
楽しい時間を過ごした後に、シリンがこんなことを言いました。

「あなたたち、今晩と全く同じディナーをやってもらえないかしら?」

一瞬なんのことだかわからずにポカンとしている我々に、シリンが説明します。

「今日は素晴らしい時間だった。
 料理は本当に美味しかったし、この家のこの眺めはめったにあるものじゃないし、
 あなた方との話は楽しかった。とにかく私たち大満足なの。」

ここまで聞いたってまだ意味がわかりません。

「これと同じものをね、チャリティーオークションに出してもらいたいの。」

ここまで来てようやく、おぼろげながらシリンの言うことがわかってきました。
彼らはシアトルにある大きな医療機関の理事をやっているのです。
そしてそこでは年に一度、5月に「GALA」をやって
寄付金を集めるそうなのです。

「GALA」(ガラ)と聞けばすぐに思うのは
コンサートやバレーなどのガラ(特別公演)のことですけれど
本来は「特別な催し」「社交界のお祭」などを意味するフランス語。

シアトルで行われているこのガラは
誰かが寄付したものに対してオークションが行われ
最高値を出した誰かがその権利を手にするというもの。

寄付は形のあるものとは限りません。
たとえば名の知れたシンガーが、誰かの家で出前コンサートをやってくれるとか
島にある誰かの別荘を1週間勝手に使わせてくれるとか、、、、、

そんな形のないものに興味ある人たちが値をつけて
期間内に最高値をつけた人にその権利がわたるのです。

なんとシリン夫妻は
我が家での日本ディナーを寄付させてしまいました。

けれども、それはそのまま
彼らがどんなに我が家でのディナーを楽しんでくれたかの裏返し。
なんて嬉しいことでしょう。
もちろん二つ返事で請け負いましたよ。

それがこんな案内になりました。


「Authentic Japanese Multi-Course Dinner
 For Four with Friends of Evergreen Health」

気恥ずかしいので和訳は避けますけれど
結論から言えば
東から西までを羨望する丘の上の30階の我が家で
召しあがっていただく日本食のコースディナーがオークションに出されたのです。
最低価格には300ドルがつけられました。

そして最後にこのビットを獲得したのがベン&ナンシー夫妻で
彼らが選んだ相棒夫妻がローレーンとスティーブ夫妻だったのです。

最終的には何ドルで競り落とされたのかはわかりませんが
5月のオークションが終わって6月初めに私たちは
権利を獲得したベン&ナンシーから丁寧なメールを頂戴しました。

「私たちがあなた方がご提供してくださったものに最高値を付けて
 幸運にもそれを獲得した者です。」

昨日、初めてお会いするナンシー&ベン夫妻は
嬉しそうにこんな証明書を持ってきてくれました。


そこに大きく書かれていたのは


「Award Certificate」
 (賞品獲得証明書)

私たちは、より正確に言えばメイおばさんは、この何か月か準備を重ねてきました。

一生懸命日本食のことを勉強したり
日本にいる間に懐石のお教室に参加したり
和のテイストのテーブルライナーやランチョンマット
きちんとした木で作られた箸や箸置き、先付け用の漆器の丸皿を探したり、、、、、、

昨夜はそんな努力と誠意が実を結んでくれた日でした。


最初のうちは緊張していたのが、ある所からみんな急に打ち解けて
6時半から始まったオークションディナーがお開きになったのは
なんと日付が変わる頃でした。

これ、実に素晴らしいシステムだと思います。
つまり今回の例で言えば

私たち夫妻が「日本食と日本文化の夕べ」をオークションに提供しました。
  ↓
これがつまり私たちからの寄付なのです。
実際、食材費は言わずもがな
器をそろえたり、テーブルをアレンジするものをそろえたり
勉強のための本を買ったり、、、、、、、と
満足していただける時間を過ごしていただけるように一所懸命準備をしてきました。
当然それには出費がかかりました。
  ↓
そうしたソフトにナンシー&ベン夫妻が
たぶん最初のスタート300ドルをはるかに上回る金額で
ビッドをかけて競り落としました。

金額が競り上がれば上がるほど
それはより豊かに医療福祉のために使われるのです。

たまたま持っている者がそれを他者のために使う。
しかも単にお金を寄付するだけではない形で。

それは、競り落とした彼らたち同様
競り落とされた私たちにも
世の中の役に立てたという喜びをもたらし
心豊かな気持ちにしてくれます。
しかも双方に楽しみながら。

シアトルはビル・ゲイツ財団を始めとして
こうした文化がごく自然に生活に根付いています。

できることをできる形で、、、、、

素敵な町です。

ちなみに、私たちが提供した「Japanese Dinner」は
こんなメニューでした。
もちろんワインだけでなく日本酒もご用意しましたよ。


どうぞ良い一日をお過ごしくださいね。
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「メイおばさんの料理帖」はこちらです。
よろしかったらどうぞ覗いてみてくださいね。
7月18日:ゲストディナーのテーブルのお花、どうする?
7月16日:簡単すぎるサクランボケーキ
http://blog.goo.ne.jp/mayobasan  


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