今頃は
大海原を窓の外に
湯上りの浴衣姿で
女３人、持ち寄りのお酒とおつまみで
初めて出会った４０年以上も前の日々に戻っては
そこから始まった長い旅路を
笑ったり泣いたり
振り返っているはずでした。
窓の外には寄せては返す波音が聞こえていたかもしれません。
暗い空には欠けていくか細い月が見えていたかもしれません。
同じ年にそれぞれの大学を卒業し
同じ会社の同じ部署で社会人のスタートを切った私たちは
以後それぞれの人生を生きながら
いろいろな国、いろいろな地で暮らし
妻になったり母になったりしながらも
共に喜び、共に怒り、共に哀しみ、共に楽しみ
長く変わらぬ友情で結ばれてきたのです。
今週末の下田温泉旅行は
私が日本にいる間にと
もう随分前から計画されて
スーパービュー踊り子７号車の切符も
車内で食べるお弁当の手配も
お宿で飲むお酒の分担も
しっかり段取りがついていたのです。
それなのに
とんでもないことが起きました。
昨日の夕方、A子のお父上が亡くなってしまったのです。
突然のことでした。
哀しみに呆然とし
その後に続く諸々の準備に騒然としているA子をおいて
どうしてのほほんと温泉などに行けましょう。
私たちの旅は
一人でも駄目、二人でも駄目、三人でなければ駄目なのです。
月並みな言いぐさですが
人生いつ何が起こるかわかったものではありません。
それとも
それら不測の出来事ですら
実はすでに書かれていた人生のシナリオなのでしょうか。
時々ふとそんなことを考えます。
読んでくださってありがとうございます。
どうぞ今日も良い日でありますように。
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