現代医学的鍼灸治療

針灸師と鍼灸ファンの医師に、現代医学的知見に基づいた鍼灸治療の方法を説明する。
(背景写真は、国立市「大学通り」です)

特効穴の効き具合の印象(1)-上半身

2011-05-04 | 経穴の臨床的な意味

 針灸治療には特定症状に有効であるとする特効が伝承されている。特効穴を実際の針灸臨床に使ってみると、効くことも効かないこともある。臨床経験が長くなるにつれ、効きそうもないツボは、初めから使わなくなってくる。
 ところが成書では、何も進歩しないまま、百年一日のごとく特効穴が羅列されている。針灸臨床の初心者は各人が、一つ一つ自分で確かめて一喜一憂せざるを得ないわけで、いつまでも知識の蓄積ができない。大いなる時間の無駄である。
そこで上半身と下半身の2回に分け、代表的な特効穴について私なりに、 ◯=効く △=効くことがある
×=まず効かないのランクづけをすることにした。ただし私見であることをお断りしておく。
特効穴が症状部近隣にあるもの、体幹部にあるものは省略した。

01 ×尺沢:咽頭痛  
02 ×孔最:肛門疾患 
03 ×温溜:歯痛 
04 ×曲池:糖尿病、皮膚病。沢田流では下毒穴として、曲池・臂臑・肩グウ・築賓などが 知られているが、 その根拠は伝わっていない。皮膚の痒みに対して、下毒穴への施灸は、自分の経験では効果があった試しがない。
05 △人迎の置針:血圧低下→反射的kに血圧降下の程度起こるが、せいぜい10~20mHg
程度であり、その効果も持続しない。安くて安全な降圧剤が入手できる以前の昔には有用 だったかもしれない。むしろ人迎は、咽痛に効果ある。

06 ×少海:耳鳴 目の充血  
07 ×陰ゲキ:狭心症 心悸亢進症 
08 ×神門:狭心症、ヒステリー、神経衰弱、便秘→心経の原穴である神門は、「神」が 出入りする重要な門という意味がある。古代中国人の考えた「心」とは、 私は現代でいう大脳辺縁系のことで、情動本能を 主る機能があると考えている。(大脳新皮質の思考力や想像力は肝、運動機能中枢と伝導路は脳)。このような点から、ステリーや神経 症が主治となるようだが、実際の効力には乏しい。気が滅入る(気欝)になると腸管の気の通りも悪くなり便秘もするが、この便秘に対しても神門の灸は、実際にはほとんど効果ない。

追伸:平成23年5月15日に行った勉強会の席上、参加者2名の先生から、便秘に澤田流神門の灸(3~5壮)が効く確率は5割程度あるという意見があった。施灸直後に排便はないが、1週間後の再診時に聞くと、あの晩に排便があったと報告するという。ただし治療作用は、1回の排便のみだとのことで、根本的な便秘症が治るわけではない。

09  △少衝:人事不省 狭心症→指先強刺激であれば覚醒作用もあるだろう。狭心症に対 しては、手のどの井穴からもよいが、本来針灸不適応である。 
10 ゲキ門:肋膜炎 喀血 心臓病 

11   ◯内関:乗物酔い→海上自衛隊では、乗り物酔い防止として内関あたりに磁気を貼るという。横隔膜の緊張を緩める作用があるので、心疾患・吐きけ止め・シャックリに適応がある。 
12 ×中渚:頭痛、耳鳴→中渚への置針は、耳鳴りに効果あるという者もいるが、効いた  試しがない。
13 ×左陽池:自然治癒力を高める→「三焦は原気の別便」(難經)とされ、陽池は三焦 の原穴ということで、澤田腱は三焦主治の最重要穴として重視した。また人身の右を陰 となし左を陽となすとする素霊の説から、左陽池に灸した。しかし沢田健に師事してい た代田文誌先生も、装飾的だとしてやがては使わなくなった。     
14  ◯
和リョウ:眼科疾患→側頭筋緊張を緩めるので眼精疲労に有効
15  △耳門:耳鳴→耳鳴りには無効。しかし顎関節部に位置し、顎関節症や顎関節症に随 伴した耳鳴には有効なこともある。


16  ◯腰腿点:腰痛→治効機序は不明だが、効くことが多い。効果持続時間は短い。
17  ◯身柱:疳の虫→身柱の灸は、ちりげ(散り気)の灸という別名がある。疳の虫とは、不機嫌で心身落ち着かない状態(=小児神経症)で、とくに顔面部の興奮状態をいう。気が頭顔面部に集まった状態で、これを散らす役割が、ちりげの灸である。頸部交感神 経緊張状態を緩める効果であろう。
18  ×ア門:脳溢血で舌に障害のある言語障害(施灸) →中国文献では有効だというが病   院針灸以外、行う機会がない。構音障害の治療は、現代医学では非常に困難である。 
19  △百会:不眠症、肛門疾患、蓄膿症、肥厚性鼻炎→百会は鎮静作用、前頂は興奮作用 がある。百会に灸すると開眼していてもリラクセーションを意味するアルファ波が出る(筑波 大報告)。鼻炎の針灸は、鼻粘膜を支配する三叉神経第1枝を興奮させることが根拠と なっているので、前頂よりも上星やシン会の方が効果がある。   
   

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陰部神経刺針の適応について

2011-04-05 | 経穴の臨床的な意味

陰部神経刺針は、「シモ」の穴の症状に用いられるが、内科・泌尿器科・婦人科・整形外科などの縦割り科目分類では、全体像を把握しづらい面があるので整理を試みた。

 

陰部神経(S2~S4)は、体性神経で運動成分と知覚成分に分けられる。運動成分については排尿排便運動になるが、骨盤神経(副交感)や下腹神経(交感)の要素がからみ、また重篤な器質的疾患の結果として排便排尿の障害が生じている場合が多いので、一般に針灸で改善させることは難しい。しかし痛みに関しては、針灸にはさまざまな適応があると思われる。

1.陰部神経の運動作用  
骨盤神経は排便・排尿に促進的に働く。下腹神経は排便・排尿に抑制的に働く。
陰部神経は、肛門挙筋と外肛門括約筋の運動を支配している。陰部神経は、畜便・畜尿時に漏れを防ぐ役割と、排便・排尿時に意志により、大小便排出を我慢する役割がある。陰部神経の運動作用はなくとも生存には困らないが、社会生活を営めなくなる。

1)畜尿・畜便運動
①畜尿時、無意識的に外尿道括約筋を閉じることで、尿失禁を防ぐ。
②畜便時:無意識的に外肛門括約筋を閉じることで、便失禁を防ぐ。
 ※排尿排便の我慢は、外尿道括約筋や外肛門括約筋の強度収縮により可能となる。

2)排尿・排便運動
①意志により外尿道括約筋を緩めることで、排尿できる状態になる。
※陰部神経が異常興奮すると外尿道括約筋が過緊張し排尿障害になる。逆に陰部神経が出産などの際に障害を受けると、筋の収縮性が低下して尿失禁を生ずる。
②意志により外肛門括約筋を緩めることで、排便できる状態になる。
③肛門挙筋は、便を排出するとき、肛門が下方に押し出されるのを制止する役割がある。

2.陰部神経の知覚興奮と針灸治療

※陰部神経刺針の方法については、筆者の過去ブログの腰下肢症状のカテゴリー中の<馬尾性脊柱管狭窄症に対する陰部神経ブロック刺針>で記述済み。

1)膀胱炎・尿道炎での痛み
陰茎背神経の興奮による。
※前立腺、直腸の知覚は、副交感性である骨盤神経支配。慢性前立腺炎(肛門奥の不快感)に針灸を試みたが無効だった経験がある。
※陰部神経は、肛門の知覚や運動を支配する会陰神経が分かれるので、中極や関元からの刺針は、肛門に針響を与えることも原理的にはできるはずだが、実際にはペニスに響いてしまうことが多い。下腹部に刺針して肛門に響かせることが、便秘治療の秘訣だと記している文献が多いのであるが・・・。

2)ED
陰茎背神経は、ペニス全体を知覚支配している。中極・大赫:陰部神経の終枝である陰茎背神経を刺激できる部位であり、ペニス先端まで響かせる方法がよいとされる。 

3)痔痛
肛門裂創での痛みや外痔核での痛みの直接原因は、陰部神経の分枝である会陰神経の興奮による。
肛門裂創や外痔核に対しては陰部神経刺針が効果ある場合が多い。内痔核に対しては陰部神経刺針を行うことで外肛門括約筋の血流をよくすることで静脈鬱血状態を改善するのではないだろうか。筆者の痔の針灸治療は、2.5寸#8相当中国針を使い、会陽穴から直刺深刺を行うことが多い。
これは陰部神経直接刺激ではいが、肛門部諸筋の緊張緩和および血行改善作用だろう。患者は刺針中、肛門の温感と緩む感じを実感する者が多い。

4)肛門挙筋由来の痛み
立ち座りの時、尾骨~骨盤底に感じる強い痛み。肛門挙筋の過剰収縮、肥厚によるという。尾骨外縁に圧痛が出現する。筆者は、その圧痛点に2寸#4程度の鍼で深刺すると良好になった治験を数例もっている。

5)分娩第2期の痛み
分娩第2期(娩出期)は、膣道や会陰が、胎児により伸展されて痛む。これは体性神経である陰部神経の興奮による。昔、筆者は家内の初分娩に立ち合い、出産直前の陣痛緩和目的で、家内の痛いという場所(仙骨部)を強く指圧すると、いくらか痛みは軽減した。陣痛とは周期的に訪れる激痛であるが、波のピークには同じような場所が再び痛むというので、そのたびに押圧を繰り返した。これは対症療法として一定の効果があったと思っている。
※分娩第1期(開口期)は、子宮上部の平滑筋の強い収縮による痛みであり、交感神経性の下腹神経(Th10~L1)が痛みを伝達する。子宮口が開口する時、陰部神経を受けるので、陰部神経の興奮の要素もある。
※下腹神経:Th10~L1レベルから出て骨盤内臓器を支配する交感神経。

6)馬尾性間欠性跛行症的症状 
坐骨神経は梨状筋下孔から骨盤外に現れる。梨状筋下孔からは陰部神経も出るが、小坐骨孔から再び骨盤内に戻るように走行している。

陰部神経障害が膀胱直腸障害をもたらすことがあるのは上述の通りである。陰部神経障害をもたらす原因として脊柱管狭窄症が知られているが、梨状筋の緊張が陰部神経絞扼状態を惹起していることが考えられる。

間欠性跛行といえば馬尾性脊柱管狭窄症と下肢閉塞性動脈硬化症が2大疾患となるが、梨状筋緊張による陰部神経絞扼でも間欠性跛行は生じるのではなかろうか。脊柱管狭窄症という器質的疾患が針灸で改善するとは思えないのである。

しかし間欠性跛行症状を訴えて針灸に来院する者のうち、陰部神経刺針を行うことで、5割程度は効果があるという印象がある。そして針灸が効果ある者は、比較的軽症の間欠性跛行が多い。梨状筋緊張性による間欠性跛行(そして膀胱直腸障害)であれば、梨状筋 刺針や梨状筋起始部刺針(≒陰部神経刺針点)が有効となるのではかろうか。

3.仙骨神経障害症候群(高野正博)
1)高野正博医師は、直腸肛門痛、括約不全、排便障害、腹部症状は互いに合併しやすいことを指摘し、これら四症状と仙骨神経障害をもととする症候群を、仙骨神経障害症候群と名づけた。この症候群の患者では、仙骨の左右で陰部神経に沿って圧痛を伴う硬結があることがわかった。陰部神経ブロックを行ってみると、65%の患者で疼痛消失をみた。この結果、上記症状は陰部神経由来の疼痛であることが推測できたとしている。

2)便失禁患者においても、陰部神経に沿って圧痛を伴う硬結を触れることが多く、逆に陰部神経痛患者に肛門括約筋不全を伴うことが多かった。  

3)過敏性腸症候群(IBS)
IBSの精神ストレスが結腸運動に悪影響をもたらした結果であるとされる。しかし陰部神経痛患者が訴えるIBSは、中枢のストレスではなく仙骨神経障害症候群としての直腸性排便障害があるため、口側の結腸が便を出そうとして痙攣状態になりIBS様症状を呈している例がある。この例も陰部神経に沿って圧痛を伴う硬結を触れ、骨盤痛を伴うことが多い。
文献:高野正博:会陰痛を主訴とする仙骨神経障害の病態の解明に向けて-仙骨神経障害症候群-;日本腰痛学会雑誌、第11巻・第1号

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膻中穴圧痛の古典的意味と現代医学的意味 ver.1.2

2011-01-09 | 経穴の臨床的な意味

.だん中の位置と解剖
 だん中穴は、ほぼ両乳頭間にある胸骨上の穴で、ほぼ第4肋間に位置する。皮膚の直下は皮下脂肪を介して胸骨がある。

2.だん中圧痛の現代医学的意味と針灸治療法

1)津田胃・十二指腸潰瘍点

だん中穴は、津田氏点でもあって、胃・十二指腸潰瘍時に圧痛が出現しやすい部だとされる。内臓体壁反射で有名な石川太刀雄は、その理由として横隔神経や肋間神経(第4肋間神経の前皮枝の前枝)の反応だと推測している。

胃十二指腸の交感神経性デルマトームは、Th5~Th9である。しかし胃は横隔膜に隣接しているので、胃の病的反応は横隔膜に伝達され、横隔膜は胃より鋭敏な組織であるため、むしろ横隔膜の異常反応として体壁に出現しやすい。横隔膜は中心部がC3C4脊髄神経支配、辺縁部は肋間神経支配である。

また肋間神経が深層から浅層に出てくる部の一つに胸骨点がある。胸骨点は胸骨外縁部の肋間で、肋間神経前皮枝が表層に出てくる。前皮枝は、胸骨側に行く前枝と外方に行く後枝があり、前枝は胸骨上にまで枝を伸ばす。すなわち胸骨上の圧痛をもたらす直接原因は、第4肋間神経の興奮による。

 

2)心疾患の反応点
では第4肋間神経の興奮をもたらす疾患にはどういうものがあるだろうか。心疾患の交感神経性デルマトームはTh1~Th5なので、心疾患が該当するが、この場合には左前胸部の反応(自発痛と圧痛)が強く出現することが多いが、右心房や大動脈基部の反応としてはだん中に特異的圧痛点になることが報告されている。


3)肋間神経痛

第4肋間神経を自発痛が出ない圧痛点程度の反応にするには、Th4あたりの椎体間の椎間関節症や肋横突関節症に求めるべきだろう。とすれば治療点もTh4椎体を中心とした背部一行に求めると考えるのが自然である。


それを裏付けるものとして、だん中に圧痛がある場合、胸骨外縁(=肋間神経前胸点)や前腋窩線上(=肋間神経外側点)の、第4~第6肋間にも圧痛が出現しやすいという現象があった。
まただん中に圧痛ある者の多くは、だん中だけでなく、だん中から巨闕(第8肋間神経支配)にかけての前正中にも圧痛のあることが多く、これは肋間神経痛は第5~第9肋間に好発するという結果とも一致する。

するとだん中の圧痛をとる方法は、第4~第5肋間神経痛の治療と同一であり、私の場合、同レベルの肋椎関節への深刺ということになる。この方法を実際の臨床に用いてみると、非常に効果的だった。

3.古典的意味
だん中穴の圧痛の古典的意味は、心臓疾患もあるが、常見的には精神疾患時の反応点とみなすのが一般的である。だん中穴は古典では心の募穴とされているからである。なお古典の「心」は心臓と精神を併せた概念を意味する。

※私は、古典でいう心は心拍数を変化させる要因である情動に、心包は心ポンプ作用を営むものと理解している

2.だん中穴反応の古典的意味
だん中穴圧痛の古典的意味は、心臓疾患もあるが、常見疾患としては精神疾患時の反応点とみなすのが一般的である。だん中穴は古典では心の募穴とされているからである。なお古典の「心」は心臓と精神を併せた概念を意味する。

(私は、古典でいう心は心拍数を変化させる要因である情動に、心包は心ポンプ作用を営むものと解釈している。

それにしても、なぜだん中を精神疾患と結びつけたのだろうか。「悲しみに胸が塞がる思い」などとの連想がまず思い浮かぶ。精神的苦痛→頭を下に垂れる→胸腔臓器や横隔膜を圧迫→ だん中の圧痛という関連、あるいは胸椎前湾を助長させ、肋間神経に悪影響を与えた結果だろうか。

 

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章門、京門および跗陽の取穴

2011-01-05 | 経穴の臨床的な意味

1.章門と京門の取穴
 章門(脾の募穴)は第11肋骨尖端下端にとり、京門(腎の募穴)は第12肋骨尖端下端にとる。それは分かってはいても、実際に第11肋骨尖端や第12肋骨尖端を触知するのは意外と難しい。しかし簡単に取穴できる方法を発見した。
 側臥位になった被験者の、上になった上肢の上腕を、被験者自身の頬に接触させるほど外転させる。すると脇下の結合織が引き伸ばされ、結合織下の肋骨下が触知しやすくなる。
 経穴の知識をもった者が被験者であれば、被験者自らの指で肋骨下を探ることで、容易に第11肋骨端や第12肋骨端が触知しうる。(下の写真:モデルは初登場、助手の戸川純君)

 

2.跗陽の取穴方法
 跗陽は、崑崙(アキレス腱と外果の中点)の上方3寸に取穴する。現代針灸派にとってはほとんど注目されないが、陽蹻脈の郄穴なので、奇経治療家にとって診断点であり治療点でもある。
 跗陽の反応を診るには、被験者を仰臥位にし、患肢の踵骨後方に、検者の手掌を入れ、手掌は、踵とベッドにはさまれた状態にする。すると患肢はベッドから少し持ち上がった形になる。その状態のまま、検者のもう片方の指で、アキレス腱部を撮上あるいは撮下するようにする。すると跗陽穴あたりで隆起を感じ取ることができる(隆起が見つからなければ、反応していない)。この隆起中央に跗陽と取るようにする。


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教科書準拠の経穴解剖図その6(体幹背面)

2011-01-03 | 経穴の臨床的な意味

今回が、経穴解剖図シリーズの最終回である。

頸部の経穴については、教科書と私の見解の異なる部分が多いので、公表を差し控える。

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教科書準拠の経穴解剖図その5(体幹前面)

2011-01-03 | 経穴の臨床的な意味

 

 

 

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教科書準拠の経穴解剖図その4(頭部)

2011-01-02 | 経穴の臨床的な意味

頭部の経穴図を公開する。ただし煩雑になるので、胆経や三焦経については重要穴のみ示す。

 

 

 

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教科書準拠の経穴解剖図その3(肩関節付近)

2010-12-31 | 経穴の臨床的な意味

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教科書準拠の経穴解剖図その2(下肢部)

2010-12-29 | 経穴の臨床的な意味

 

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教科書準拠の経穴解剖図その1(上肢部)

2010-12-28 | 経穴の臨床的な意味

東洋療法学校協会編教科書「經絡経穴概論」(旧版)の図は、木炭画で描かれており、微妙なところを、詳細に描かない妙な工夫をしている。私はこの編者らの苦労を知っているので、いちがいに批判できない。経穴の位置には諸説あるので、無用な混乱を避ける意味があるのだろう。ただし経穴を学習する者にとって、経穴位置が明確に図示されていないと勉強しづらいものになる。

数年前に私は、3年間鍼灸学校において「經絡経穴概論」の講師をしていたので、立場上教科書に準拠した解剖経穴図を制作した。この概要を部位別に、数回にわたって公開する。図は、コピーし利用されることを前提として、あえて容量を多く設定してある。ただし平成22年度から教科書も改訂版に変わったので、部分的に異なる点もあるかと思う。

 

 

 

 

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足三里穴と脳清穴の相違点

2010-07-11 | 経穴の臨床的な意味

1.脳清穴は新穴で、解谿の上2寸、脛骨の外縁で長母指伸筋腱上にとる。深部に深腓骨神経がある。筆者は、運動した後でもないのに原因不明で、たまに鈍重感を感じる部である。この脳清穴は、筆者にとって、局所として下腿前面下部の重だるさに刺針して効果ある穴である。その際、足母趾MP関節の動きとともに足関節の動きの悪さを自覚する。
 その名称から推察すると、脳をすっきりさせる処なのであろうと考え、精神的要素のある患者に対し、そこに圧痛があれば刺針することが多い。

2.足三里穴は、古来からとくにわが国で有名で、胃腸疾患、健脚に効ありとされる。「足三里に灸しない人とは、一緒に旅をするな」とさえいわれた。昔は冷蔵庫はなく、食物の保管も困難だったことから、旅人にとって、食あたりは体力をひどく消耗することもあり、命取りだった。足三里の灸は、それを予防する意味があった。
 さて、足三里は、外膝眼の下3寸にとる。前脛骨筋上にあり、深部に深腓骨神経が通る。






3.脳清穴と足三里の相違点
 この2穴は、ともに下腿前面にあり、胃経上にのっているので、同じような刺針をすればよいかと思いがちだが、これは間違っている。足三里は、ほぼ直刺でよいのに対し、脳清は、腓骨方向に45度前後の斜刺が必要である(直刺では、すぐに脛骨に当たる)。
 運動針の方法も異なる。足三里は、前脛骨筋上なので、足関節の底屈背屈動作をさせる。脳清は、足母趾の底屈背屈動作をさせる。もっとも脳清穴斜刺では、深腓骨神経に命中すれば、足背までズンとした響きが得られれば、それ以上の針響増強法は必要はない。響きが得られなかった際、足母趾の自動運動を、ゆっくり数回実施させる。自動運動を始めたとたん、足首に鋭い響きがくることが多いので、その動作は徐々に大きくしていくなどの配慮が必要である。

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中脘穴の語源

2010-07-11 | 経穴の臨床的な意味

胸骨体下端(中庭穴)と臍(神闕穴)の間を8寸とし、その中点に中脘穴をとる。ところで、なぜ中脘との名前がつけられたのだろうか。筆者の学生時代、担当の先生から、胃の中央といった意味だと教えられたが、調べてみると「脘」といいう漢字に、胃や袋といった意味はなかった(10年前の話)。

漢和辞典によれば、脘には「平たく伸ばした肉」という意味がある。では、平たく伸ばした肉とは何か?

腹直筋をさすと思われる。したがって中脘とは、腹直筋の中央にある穴といった意味であろうと思う。同じように考えると、上脘は腹直筋の上方の穴、中脘は腹直筋下方の穴であろう。

最近、中脘の意味を漢和辞典で調べ直すと、今度は胃袋といった意味が追加されていた。「脘」という漢字が中国で使われ始めて、少なくtも二千年は経過しているのに、漢和辞典の内容の変化はどうしたものだろう。本来の意味からはずれ、少しずつ慣用的な使われ方が主流となったものではないか。間違って使う人々が多くなれば、その間違いも正しいことになってしまう。

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合谷刺針と魚際刺針の局所解剖

2006-07-16 | 経穴の臨床的な意味
1.合谷刺針
 合谷から教科書通りに刺入すると、まず第1背側骨間筋に入り、続いて母指内転筋に入る。この2筋は意外なことに、ともに尺骨神経支配である。ゆえに尺骨神経麻痺時に、骨間筋萎縮と母指内転筋萎縮によってフローマン徴候(+)が出現する。

 基本的に手掌部・小指球部・手背部の筋は尺骨神経支配で、母指球は正中神経支配が主だが、例外的に母指内転筋のみが尺骨神経支配である。脳卒中後遺症で手指の痙縮が強く、指が伸びない患者に対し、合谷から小指方向に向けて深刺すると、速効的に指が伸びるようになることを経験するが、これは骨間筋の痙縮を解除した結果であろう。

 なお合谷部周囲の皮膚(だいたい目をこする際に使う部)は橈骨神経支配である。すなわち合谷施灸は橈骨神経刺激、合谷刺針は主として尺骨神経刺激となる。



2.魚際刺針
 魚際刺針は母指対立筋(文献によっては短母指屈筋)への刺針となり、正中神経支配である。皮膚も正中神経が支配する。
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指端刺絡の作用

2006-06-24 | 経穴の臨床的な意味
1.指端刺絡の概略
1)方法
 指端刺絡とは、手足の各指の左右爪甲根部から、三稜針等で刺絡し、ごく少量出血させる方法で、針灸治療の伝統的手法の一つである。この部は古典的に井穴とされ、大部分が各経絡の末端になる。

2)従来的適応症
 古典五兪穴の作用分類では、心下満(心窩部のつかえ感)の際に使うとされる。実際的には、急性心疾患や脳卒中発作時の緊急処置としても適応がある。常用法では、対症治療として神経根症時や糖尿病等での知覚鈍麻に使うと速効することが多い(持続効果は丸1日程度)。

2.指先刺絡の作用機序
1)グロムス機構とは
 手足の指の末端の血流は、動脈から静脈に流れる経路で、一般的な毛細血管を経由するものとは別に、小動脈から小静脈へと短絡する経路がある。これをグロムス機構(動静脈吻合)といい、指先にあるものをとくに指端グロムス機構とよぶ。

2)グロムス機構の臨床応用
 寒冷時にはグロムスを閉じて末梢血流量を減らすことで核心温度の低下を防止し、熱暑時にはグロムス機構を開いて放熱を盛んにするというのが本来の生理的意義がある。指端の1カ所の指先グロムスを刺激すると、その指の血行が促進されるので、知覚麻痺に効果がある。それにとどまらず、理論上は手足全部のグロムスに影響を与え、全部の指の血行を改善するとされる(石川太刀雄)。

 指先グロムス刺激では、脳や心臓などにはグロムスはないので内臓血流に変化を与えることはできない。しかしながら実際には脳卒中や虚血性心疾患時の承知として効果的なので、指の末端といった知覚過敏部刺激による血管収縮に関係するとも解釈できる。

3.指端刺絡と自律神経の関係
 古典針灸書をみてみると、治療法として、「まず刺し、・・・・」という記述に出くわすことが多い。これはまず「刺絡し、・・・・」ということだとされている。針灸治療の最初に刺絡処置を行った後、本格的な補瀉治療が行われた。つまり刺絡は補法でも瀉法でもないという解釈をしているらしい。刺針時の切皮痛は補でも瀉でもなく単なる有害刺激とするのが普通だが、指先刺絡に限定するなら、部位的特性として知覚に敏感なので、刺痛を伴いやすく、結果的に瀉法になってしまうと私は考えていた。ところがそういう訳でもないことを知った。

 近来話題になった本に、安保徹著「医療が病いをつくる 免疫からの警鐘」岩波書店刊がある。福田稔医師は安保理論をベースとし、浅見鉄雄医師の論文を追認し、指端刺絡が副交感神経興奮作用のあることを提示した(」難病を治す驚異の刺絡療法」マキノ出版による)
 浅見先生の見解は、30年来の実践から生まれたそうで、手足の第4指からの刺絡は、副交感神経緊張を抑えて交感神経緊張を亢進させる作用があり、副交感神経緊張で悪化する疾患(喘息・アトピー性皮膚炎・蕁麻疹など)などに適応があると述べている。なお浅見先生の井穴刺絡では一カ所につき30滴ほど出血させるという。私は2~3滴程度だったので意外な感じがする(浅見鉄雄先生の井穴刺絡学:優游堂本舗「戸塚鍼灸院別館」HPより)。
 福田先生の見解は、第1、2、3,5指からの指端刺絡は交感神経緊張を弛める作用があるとするもので、広義の交感神経緊張症(頭痛、高血圧、肩こり、腰痛など病の大部分)に効果があるとしている。

 刺絡した指は、<血行がよくなる→すなわち副交感神経緊張に傾く>とは理解できるにしても、なぜ第4指だけ逆の作用になるのか分からない。しかしメカニズムが分からなくでも治療に役立てばよいとするのが臨床家の考え方である。交感神経緊張にもっていく治療は、西条一止理論では座位での灸治療だったので、武器がもう一つ増えた格好になる。本当に使える武器なのか否か、今後追試してみたい。

 
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内・外膝眼穴への刺針意義

2006-06-14 | 経穴の臨床的な意味

1.内膝眼と外膝眼の位置

東洋療法学校協会の経絡経穴学テキストによれば、内膝眼(奇穴)は、仰臥位で膝伸展位で、膝蓋骨靱帯内側の陥凹部にとる。外膝眼(奇穴)は、同姿勢で、膝蓋靱帯外側の陥凹部にとる。
ただし日本経穴委員会では、犢鼻穴位置(膝蓋靱帯上の中央部)を外膝眼を定めており、犢鼻穴と外膝眼を同一部とみなしている。本稿では東洋療法学校協会テキストに従う。


2.膝関節内刺針の意義
 
膝伸展位にて内外の膝眼穴から直刺すると、針は膝蓋下脂肪体→関節滑膜→関節腔と入ることになる。ある程度深刺して関節滑膜を刺激すると、関節全体に響く感じが得られる。関節滑膜には神経・血管が豊富なので、関節滑液の分泌、知覚神経興奮の鎮静、血流改善などの治癒機転が働く。
さらに深刺すると関節腔に入るが、関節腔内にあるのは関節液だけなので、刺激する意味はない。

※関節包:骨膜が互いに連続してできた2層の膜で、内面を滑膜、外面を線維膜とよぶ。

なお膝眼穴刺針の体位は、可能であれば膝完全伸展位の方が、当たりがいいようで、膝下にマクラを入れての軽度屈曲肢位の刺針は、効きが悪いという印象がある。

 

3.細菌性膝関節炎への注意

膝関節痛に対し、医師が行う関節包内へのステロイド注射には関節リスクを伴う。細菌性関節炎になると、施術後数時間~2日程度後に、急激な疼痛・発赤・腫脹・熱感・運動制限などがおこる。ひどくなると悪寒発熱出現。このような場合、緊急で関節部への直接的な抗生物質投与が必要となる。

鍼灸治療での内膝蓋・外膝眼刺鍼では、使う鍼が医師の使う針と比べ、細菌感染の頻度が低いとはいえ、細菌感染リスクがあることに変わりはない。感染過誤を起こさなぬよう、鍼の滅菌、刺針患部の消毒、施術者の手指の消毒など細心の注意が必要である。

 
 

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