ゴールデンウィークが始まりました。
3年前の2021年1月8日~3月21日まで。日本は2回目の「緊急事態宣言」が発出されていました。この年に高校受験をした教え子は、あらゆる行動が制限された中で頑張っていました。
私の塾では、公立入試が終了した後、合格発表までの間に「卒業イベント」を実施しています。が、この学年は当時の社会情勢から考えても、こうしたイベントを行うことは難しく、懇意にしている持ち帰りの中華屋さんに、かなり豪華なお弁当を作ってもらい、ケーキを買ってきて教室でゆっくりする。それくらいのことしかできませんでした。
さて、この教室での卒業イベントの時に伝えたことがあります。「3年後も先生と仲良くしていたら、きちんと卒業イベントをリベンジするからな!」と。そんな約束をしました。
時は流れ、続々とこの学年が進路の報告に来てくれます。最終的に9名中7名が来てくれました。高校在学中もずっと顔をだしに来た生徒もいましたし、小論文や自己申告書の添削を行った生徒もいます。そして「せんせ~、約束覚えてる?」
もちろん覚えてますよ。しかしながら3月は私も忙しい上に、生徒達も卒業旅行やら、バイトの研修やら、大学の入学前課題やらと、とても忙しく(いいことです)、さすがにゴールデンウィークくらいにしようか?となったわけです。
というわけで、まあそれなりのものがでてくるお店にご招待をしました。行きの電車では女子4名と一緒になりましたが、こんなオジさんと嫌がることもなく一緒に座り、現状がどれほど楽しいかをそれぞれに話してくれます。もうこの時点で少し泣きそうなんですが、ニコニコしながら(時にはツッコミながら)お話を聞いているとあっという間に目的地です。
男子と合流して食事を開始。いろいろとお話ししながら「これで終わり?」と言うので、喫茶店のようなところを探したのですが、いいところが無かったので「教室に戻って喋るか?」と聞くと「行く!」とのお返事。
というわけで、最後はスイーツを買って教室でお話をしました。23時になっても帰ろうとせずにずっとお話ししているので「さすがに解散!!!」と私からストップをかけるほどでした。
そんな中で「そういえば、ここで覚えたやつ高校ですらすら言えるのめっちゃすごいって言われた。枕草子とか竹取物語とか、日本国憲法前文なんかひかれるもん」から始まり「ここでしたことって今になってすごい役に立ってるって実感するよな」という会話で盛り上がり始めたときには、オジさんはもう泣いちゃいそうでした。トドメは「言うこときかへん小学生に、ようこれだけのことさせてたよな、せんせ~」ですって。
先日の教え子も、この教え子も、たくさんの大きな実りを持ってきてくれました。そしてそろばん教室や塾での思い出を「楽しかった」と語ってくれていること。私のしていることが「間違いではないよ」という1つの答えをもらえた。そんな気がしています。
全員が進路を決めてくれたこと、前を向いて進んでいること、すべてをうれしく思います。願わくばこの教え子の笑顔がずっと続く世の中であってほしいと願います。
さあ、私ももうひと頑張りしますかね!