雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

アテルイ 2

2012-09-25 00:23:42 | 勇気
そんな面白い傑作小説が何故?
これまで大きなテレビ局や映画会社に映像化されたり、
あまり表立って扱われてこなかったのか......




それは多分、
朝廷――――現天皇家の日本国統治の歴史――――に対する
「アンチ」の部分が多く含まれているからだと思われます。
マスコミなどはこの物語を扱うとなった時、
きっと色々なコトに気を使うことにはなるでしょう。
「火怨」を通して知る事実というのは、
現日本国の成立という過程は決して綺麗ごとだけではなかったのですよ、
ということであり、
「蝦夷=エミシ=エゾ」という呼称に含まれる事実とはこういうことなんですよ、
ということです。
今回のドラマ化もNHK-BSという、
やや地味めなチャンネルになりましたが、それでも

「よく取り上げてくれました。NHK!」

と、僕は少しばかりの拍手を送りたい気持ちです。
個人的には、震災後、
最も映像化して欲しかった作品の一つでもあったので。



「もののけ姫」は、
言わずとしれた宮崎駿さんの大ヒットアニメ映画。傑作。
主人公の青年は「アシタカ」。
物語中、

「どこから来たのか?」

と問われた彼は

「東と北の間の村から...」

と答えます。
彼の村や生い立ちに関しては劇中ではこれ以外一切触れられていませんが、
それは文字通り「東北」です。
そして、宮崎さんによると、
実は「アテルイの子孫」という設定だったようです。
なるほど、「もののけ姫」の時代設定は、
これもはっきりと記されていませんが、
明らかに朝廷がまだ日本全土を治めきれてないという時代で。
「火怨」の時代とも重なります。
登場するのは八百万の神々と、
恐れ多くもその神々の力を奪おうとする朝廷の隠密部隊。
タタラ技術(製鉄技術)を持つ特殊な集団......おそらくは移民、出雲系の民。
さらに、隙あらばその先進技術と村を奪い取ろうとしている地元豪族と、
実は「アテルイ」の血を引く蝦夷の子のアシタカ。
それぞれが五つ巴!となって展開されていく物語。
そんな五つ巴ソレゾレが主義主張を振りかざす争いの中で、
自己犠牲を基とし、
全ての共存共栄を志す唯一の人間が主人公のアシタカとなります。
それは一番の日本的な美徳であり、姿なのかもしれません。
それを宮崎さんが担わせたのは東北の民、蝦夷でした......



何故でしょうか......

そこに宮崎さんの何らかの意図というのはあったのでしょうか?

なかったのでしょうか?



東北の民というのは、
もしかしたら最も日本的な美徳や精神を有している人々かもしれない......
宮崎さんはそんなことも思っていたのでしょうか。
今回の震災でも、
途轍も無い苦難を粛々と受け止め乗り越えようとする東北の方々の姿、
言動には胸を打たれるような事が僕には沢山ありました。
厳しい環境は未だ続いていますが、
その中でもそんな忍耐や姿勢は変わらずに続いています。
もしこの災害が東北の地でなかったら......

「火怨」からも、
東北に住む人々のそんな「芯の強さ」みたいなものを強く感じとれます。

「もののけ姫」は、そんな宮崎さんのあまりに深い知識と洞察、
思いが詰め込まれている物語だとも思うので、
映画に関しての個人的与太話などはまた機を別に、
ユターリと記せればいいのですが、
この映画を見た人も、
これから見ようかな......と思っている人にも、
この「火怨」を読んでもらえるとさらに映画の味わいが深くなるかもしれません。
映画冒頭の、
何かから隠れるようにして暮らしているアシタカの住む村の場所も、
意味も、
よく分かると思います。



......京都。
有名な「清水寺」の境内にヒッソリと、
しかし大きな石碑がポツリと建てられています。
多くの観光客には素通りされているようなものですが......
そこにはこう記されています......

( ̄-  ̄ ) ンー。。もぅ一回かなぁ。。。つづく!



大好きな屋久島。
白谷雲水峡「もののけの森」。きゃーっ!(><)/


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4 コメント

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こんばんは! (murakumo)
2012-09-25 19:54:11
時々記事を読ませて頂いては、心穏やかにさせて貰ってます。amenouzmeの感性が素晴らしい!素敵なブログですね・・・・「火怨」の続編にあたる「炎立つ」もぜひお薦めです!
返信する
murakumoさんへ (amenouzmet)
2012-09-26 00:17:03
ありゃりゃ。。
ビックリの方からコメントが。。見て頂いているなんて、、本当にありがとうございます。さすがにこの領域は僕が教えを請いたいくらいです(@.@)
どうも、、僕の魂に関わりがある話しのようで、、その回にコメントもらうとは、、やはり御主!タダ者ではありませんな。。
返信する
神はサイコロ遊びをする (グローバルサムライ)
2024-05-05 14:51:46
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン型物理学の理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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グローバルサムライさんへ。 (amenouzmet)
2024-05-05 16:37:49
グローバルですな。。(。゚ω゚)
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