雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

砂の庭

2022-12-30 16:14:44 | 面白い
右回り」という過去記事のコメント欄の中で、
ナナさんから頂いたコメントへの返答を長々と!
記してしまっていたのですが、
その中に「砂(すな)」というキーワードを
使っていた部分がありまして......



「—————砂などを土地と区切った箱や場所に置いてみて、
ソコに撒くなんて形でも良いですし、
その人の状況や環境によって最善な形を模索するのが
良いかと思います—————————」



的な。
で、今回は、この時の返答の流れで、
その「砂」に関してのエトセトラを少しだけ
記しておこうかと思いたちました。
今年最後の記事になるかと思いますが、何卒なのです。
ええ。ええ。(^^)





日本の神道(しんとう)系の用語に

「産土(うぶすな)」

という言葉があります。
自分の生まれた地を指す言葉であり、他にも、
その地を守護し、
その神域で生まれる全ての人に関わり、
縁深くもある神様を

「産土神(うぶすながみ、うぶすなのかみ)」

と言ったりもします。
この神様は、
言わば自分の親のような神様ともなりますし、
住んでいる土地の守護神様でもありますので、
初詣(はつもうで)などでは
最初にこの神様の神社に伺ったりもします。
よく氏神(うじがみ)と混同されることがありますが、
違いを簡潔に言えば
氏神とは血縁の神様であり、
産土神とは地縁の神様ということになります。

そして、この産土(うぶすな)という字は、
よくよくみると「土」を「スナ」と読ませているわけで。
おそらくは、元々は
「産砂(うぶすな)」
と書かれていたのではないかと思われます。
上記したような土地の責任者的な神様である故に、
時代と共に「土」という字に
変え充てられてきたのではないかと。

興味深いのは、何故?
人の生誕に関わる言葉に「砂」という字を使っていたのか?
という部分であったりもするわけです。

すると、
ここで浮かび上がって来るのは日本古来の
「産小屋(うぶごや)」
というものであり。
昔々のこの国では、海辺や、村と村との境目や、
神社の境内などに建てられていたお産のための小屋がありました。
時に女性の月経小屋になったり、
様々な忌(いみ)部屋として使われていたりもしたようです。
福井県の若狭地方などでは昭和の中程まで
この小屋が海辺などに沢山残っていたとの記録もあります。
山間部や平野にある産小屋(うぶごや)の多くには、
海辺の産小屋と同様に砂が撒き敷いてあることが
多かったとの記録もあります。
この辺の事実から想像できるのは、産小屋は、
おそらくは海の民達の風習が先にあったであろうということと、
今でもペットのトイレなどに砂が使われたりしているように、
砂は様々な汚物や、
人から流れ出る血の吸収素材としても
その有益性を見出されていたのだとも思います。



砂は場を清浄に保つための道具。



人々は砂をそんなふうに捉えていたのかもしれません。



人の生誕に関わる場所にはいつも砂があったということから
「産砂(うぶすな)」
という言葉が生まれていったことも
容易に想像ができるのです。



そして、
清浄さを必要とする神々との交信場所には、
そんな砂の清浄化作用の力を利用してきたりもしたわけです。
それこそが原初の「砂場」というものであり、
中でも、神事に特化した砂場は
「砂の庭......砂庭......さにわ」
と呼ばれるようになっていったのだとも思われます。



「さにわ」とは神事に使われる「砂の庭」。



そこから、
神事にまつわる諸々を取り仕切る者や、
降ろされる神々の言葉や存在の真偽を察る(はかる)人のことを
「審神者(さにわ)」
と呼ぶ様になっていたのではないかとも思います。



審神者とは砂庭であるわけです。



面白いもので、
そんな砂の場においては余計な雑草などはほぼ育ちません。
草木がないので虫も寄りませんし、
そのことは砂漠などをイメージしてみると
とてもよくわかると思います。

公園や学校にある砂場などでも、
あたり一面が雑草に覆われる中で、
砂場だけ草が生えていないような光景を
目にしたことがあるような方も多いかと思います。
土地のアル部分に草木などを生い茂らせないようにしたり、
集まる虫などを無くすためには砂を分厚く撒けばいいわけです。
砂は粒子が細かく隙間がありすぎるため、
水を保持できないわけです。
故に、余計な生命も保持できないわけです。



そこに砂の清廉さがあるわけです。



そこに砂の個性と活用の術もあるわけです。



よく神社などで砂を配っているのは、
そういう意味もあるわけです。



さらには、
参道に敷き詰められる白い玉砂利などのルーツにも、
この砂があるわけです。
参道に雑草を生えさせない。
参道を常に清廉に保ちたい。
玉砂利にも意味も元もあって、
その元は砂であったりもするわけです。

風水大好き♡
なんていう方々が「お水取り☆」と共に
「お砂取り☆」
なんてことをやってしまっているのことにも、
そんな意味も含まれていると思われます。
ま、そんな方々を見ていると、
こんな根源的な部分を知らないままやっているような人が
とても多い様にも思えまちゅが......

他にも......

と、色々と書き足したいことなどもありますが、
今回はこの辺で。一旦。
ええ。ええ。
なにかと年末ですし。
長いブログなど迷惑千万。
皆さん年末の大掃除などで忙しいでしょうし。
砂を使っての掃除なども!?
できたりなんかもするでしょうし。
良き年を過ごすための策を色々とを練ってみる
なんていうのも面白いのではないかと。
ええ。ええ。
何卒、
良き年末年始をお過ごしくださいませ♪(^^)



こちらは福岡県、糟屋郡、久山町にある
「審神者神社(さにわじんじゃ)」さん。
台風14号」という記事に記した通り、今年、
台風直撃で行こうとして行けなかった神社さんの一つ。
来年どこかで伺おうかと思っております。
写真は一緒に行く予定だった「SKさん」から頂いたもの。
許諾をいただき使わせていただきました。
ありがとうございます。(^^)

WIKIなどによると「さにわ」は、
元は「清庭」(さやにわ)の意味で、
神を祭り神託を受けるために忌み清めた庭(場所)のことを
指したとする説が有力と書かれていますが.......
僕さん的には今回記したように理解しておりまする。
いちおーですが。
ええ。ええ。


にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ

コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 掴んでみた | トップ | 矢岳徒然 »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆり)
2022-12-30 22:18:17
Iさんへ
学び納めの記事、ありがとうございます。
産土神…私にとってはお弥彦様かな~と思っています。小さい頃から親しみのある、姿(山)を見るとほっとするような、いつも守っていただいている気がする神様です。そんな弥彦神社について質問をさせていただいたことから始まり、Iさんには多くのことをおしえていただきました。以前より、視野が広がり、行動目的も範囲も広がり、心豊かに過ごせたことを嬉しく思っています。
ちょうどワールドカップの決勝あたりから降り始めた雪が大雪になり、くたびれ果てて過ごしていたら、あっという間に今年が終わろうとしています。こちらのブログに出会えたことでとても充実した1年でした。ありがとうございました!
来年もお体を大切にご活躍ください。記事の更新、楽しみにしています。
返信する
ゆりさんへ。 (amenouzmet)
2022-12-30 22:29:43
お疲れ様ですー(^ω^)
ちょうど、今、サラッと上げてしまった記事の
誤字脱字修正をし終えたところでした。
いつも読んでくれてありがとうございます。
良い年末年始を!(^^)
返信する
Unknown (ハナウタ)
2022-12-31 00:20:33
今年も1年間ブログの更新ありがとうございました。

砂には関しては自分も、清浄化作用があるように思っています。裸足で歩くと気持ちが良いですし(^.^)
ただ、自分の住んでいる地域の畑は砂地なのですが、雑草に関しては砂地とか関係なく生育期にはあっという間に緑地化します。
耕作放棄が長くなると木も大きく成長したりします。
雨があまり降らなくても耐える力もかなりあって、生命力に驚くほどです。
保水性も保肥力も少ない砂、土で作るより美味しくなる作物もありますが、雑草くらい強ければ、農業も少しは楽になるように思ったりしますけどね。

話がそれてしまいましたが

良き

多い

年になりますように!

まずは良い年末年始をお過ごしください(^^)
返信する
Unknown (Unknown)
2022-12-31 10:11:35
1年間お疲れ様でした。ありがとうございました😊。

審神者神社には伊野天照皇大神宮と共に参拝しています。

審神者神社のすぐ近くに 山田邑斎宮もあり、
気になる場所となっています。

福岡に来られた時には、山田邑斎宮もおすすめします。  志賀海神社、香椎宮、宇美八幡宮、竈門神社、呑山観音寺などなど。

UZMET 様にとって来年も良き年でありますように😃
返信する
ハナウタさんへ。 (amenouzmet)
2022-12-31 11:23:05
こちらこそ、いつもありがとうございます。
良き年末年始をお過ごしくださいませ!(^^)
返信する
Unknownさんへ。 (amenouzmet)
2022-12-31 11:31:39
山田邑斎宮ですかぁ。初めて聞きました。
今度近くに行った時にはよってみますね(^^)
なんとなく宮に使える巫女さんが潔斎する場だった様に思えますが。
京都、嵐山の野宮神社のような感覚を受けますねー。
良き年末年始を!
返信する
Unknown (あおば)
2022-12-31 23:58:50
産土のお話、とても勉強になりました。
いつも、深いお話をありがとうございます。
時々深くない!?お話もいつも楽しく拝見しております。
12月14日の右回りの記事に、私も見習ってナルトの塩を取り寄せ、太宰府の天然石の素敵なお店でシトリンを手に入れ、冬至の日に四隅に巻きました。
そして実家の神棚を掃除してみたらなんと、まっ黒い大黒様の貯金箱が3つも置いてありました!!ガーン!!
しかも神棚も相当古かったので、新しく遷宮?!をしまして、
冬至をすぎたので、お札をいくつか揃えようとしたのですが、伊野皇大神宮は、1日と15日しか社務所が開かないため、明日の元旦にお札を頂いてきたら、やっと整うかと思いきや、なんと神棚が西を向いていたのに昨日気がつきました。
今の今まで、気づかなかった自分に対してショックでした〜
今まで本当に実家のことに意識がいってなかったんですね、、、これからはしっかりこの家を守り、親孝行に励みたいと思います。
すぐにでも、神棚の向きを変えたいのですが、夫がスキーに行ってしまっているので、帰ってこないと、一人では家具を動かせません。結局、右回りの記事から2週間以上経っても整いません。
なんだかなぁ、、、、
除夜の鐘がTVから流れてきました。
気を取り直して、、、
ぜひぜひ、福岡へ、審神者神社、そして伊野皇大神宮にいらしてくださいね。
私の夢は、uzmetさんの祝詞をお聞きしたいということです。
あー告白してしまいました。
年の瀬に取り止めもないコメントになってしまいました。
すみません。
どうか良いお年をお迎えください。
返信する
あおばさんへ。 (amenouzmet)
2023-01-01 12:56:40
あけましておめでとうございます。
あおばさんには新たな始まりの年となりそうですねー。
伺った際にはよろしくお願いします。
良き新年をお過ごしくださいませ(^ν^)
返信する
Unknown (ナナ)
2023-01-04 10:26:59
あけましておめでとうございます😊✨
昨年はありがとうございました🎵

塩を撒くのは塩害が気になったのと
uzmetさんのように
機転の利く発想もなかったため(>ㅿ<;;)
記事の2枚目の写真にある所で頂いた
お清め土を撒いていました!!

正にお写真の場所で頂いたものだったので
記事を見て、はわわわ(・0・)!となりました。笑

ご祈祷して頂ける授与品の中にも
入っている事がありますが、浄め土の使い方って
案外わからなかったりするので助かります。

勉強不足な神様好きな一般ピーポーとしては
博識なuzmetさんに色々なことを教えて頂けて
本当にありがたいです。心から感謝しています。

いつも心に響く温かな投稿ありがとうございます(୨୧ ❛ᴗ❛)✧

今年一年も健康で幸多きことをお祈り申し上げます!
返信する
ナナさんへ。 (amenouzmet)
2023-01-04 12:27:07
明けましておめでとうございます。
この記事はナナさんのコメントから記させていただきました。
お砂は寒川神社のものですね。
「寒川徒然」という過去記事があるので、
そこに寒川の秘密も書いてます。
もし興味が湧くようなら見てみてください。
返信する

コメントを投稿