雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

パルプ・フィクション

2013-05-04 00:03:01 | 勇気...映画/音楽
旧約聖書。
エゼキエル書。25章 17節。



———————私は、彼らを憤りをもって懲らしめ、大いに復讐する。
私が彼らに仇を報いる時、
彼らは私が主であることを知るようになる———————



「クエンティン・タランティーノ=Quentin Tarantino」
監督作品の中でも僕が最高!に好きな映画
「パルプフィクション=Pulp Fiction」
タランティーノ監督の2作目にして、
1994年のカンヌ映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞し、
彼の名を世界に知らしめた傑作です。

時間軸をバラバラにして、
4つの物語が平行して進んでいくコラージュの様な
スクリーンプレイもとても斬新でした。
誰もが知るジャック・バウアーの「24」などで見られる編集手法の
「ルーツ」と言ってもいいかもしれません。

その中で
「サミュエル・L・ジャクソン=Samuel L Jackson」さん
が演じるマフィアの冷徹な殺し屋「ジュールス」は、
ターゲットを消す時に、
いつも冒頭に記した「エゼキエル書」の言葉を引用し、
相手に唱えるように言い聞かせてから......消します。
ジュールスが映画の中で唱える「エゼキエル書」は、
タランティーノさんが敬愛してやまない千葉真一さんの映画から
そのまま持ち込んでいるもののようで。
聖書に記されている言葉に少し脚色された言葉が加わり、
劇中ではこんな台詞になっています......



「......エゼキエル書25章17節。
心正しき者の歩む道は、
心悪しき者のよこしまな利己と暴虐によって行く手を阻まれる。
愛と善意の名において暗黒の谷で弱き者を導く者は幸いなり。
なぜなら、彼こそは真に兄弟を守り、迷い子達を救う羊飼いなり。
よって我は、怒りに満ちた懲罰と大いなる復讐をもって、
我が兄弟を毒し、滅ぼそうとする汝に制裁を下すのだ。
そして、我が汝に復讐する時、
汝は我が主である事を知るだろう......」



バーーーーーーーン!!!
きゃぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!(><)!!
BAN!BAAAHHaaaaaNNNN!!



20世紀初頭から中頃にかけて、
アメリカで広く出版されていたフィクション漫画を扱った
安っぽい雑誌を「パルプ・マガジン」といって、
そのパルプ雑誌に掲載された作品を、一般に
「パルプ・フィクション」
と呼ぶのだそうです。
低俗でクダラナイ、安っぽくて大衆的な話し、漫画、小説......
といったようなニュアンスも持っている言葉のようです。
タランティーノ作品は常にそうですが、
この映画に出てくる登場人物達もそんな低俗で下品で
クダラナイと思われるような人間ばかり。
......そして、何故この話しなのか?というと、
先日のブログ記事を記していた時———————

「それは、、多分、僕はとても汚れていて、
とても弱いからだと思います」

———————と、ココに記していた時に、
実はこの映画の「ラスト・シーン」が
僕の頭の中で鮮明にフラッシュバックしていたからなのです。
それで

「次はパルプフィクションのことでも書こうかな、、」

などと思い。
今回ちょっと記してみることにしました。



敬愛するそんなタランティーノ作品というのは
「パルプ・フィクション」に限らず、
どの作品にも彼ならではの凄いマジックがかかっているように
思えていたりします。
その一つが、
低俗で下品とも言われそうな登場人物達のキャラクター設定を、
その何倍も大きく、魅力的なものに膨らませてしまう神懸かり!
的なキャスティング。
「パルプ・フィクション」に関しても
サミュエル・L・ジャクソンさんが演じるジュールスは
容姿やスタイルも含めて、
数あるサミュエル出演作品の中でも、
この映画でのハマリ方が僕には最高に思えたりします。

さらには、
ジュールスの相棒「ビンセント」を演じる
「ジョン・トラボルタ=John Travolta」さん。
作品を見ると、
もうこの人以上は思い浮かばないストーリーとのマッチング。

途中に出て来るギャングスター「ウルフ」も
ハーヴェイ・カイテル=Harvey Keitel」さん以外にはありえない。
ハマり過ぎ。

ギャングのボスの奥さん「ミア」も
「ユマ・サーマン=Uma Thurman」さん。
ハマり過ぎ。

コレだけでも豪華で凄いキャストなのに、
あの「ブルース・ウィルス=Bruce Willis」さんもノコノコと安っぽく?
出て来ちゃったりなんかして。
配役もシガナイ、悪どくて、くだらなくて、
下品なボクサーなんていう役。
もう完璧。

冒頭に記したような、
ちょっと漫画がかったエキセントリックで劇的な台詞も
こんな完璧なキャストで言われると、
それが不思議に何倍ものリアリティーさと強さを纏って
スクリーンから放たれて来ます。
それでまた全ての台詞が神懸かったりしてしまう。
くだらなくて、
どうしょうもない奴らから放たれる人生論なので余計リアルに響いて来る。

マジック

そして、
そんなアウトローな人々を愛情を込めて真摯に見つめ、
尊敬して描いてることも感じてしまうので、
どんなめちゃくちゃな演出があっても全て許せてしまう。

これもマジック。

音楽の使い方もマジック。

もう最高。

文句無し。

この映画も冒頭の曲からしてそんなタランティーノ・マジックが全開。
きっと
「ブラック・アイド・ピーズ=The Black Eyed Peas」
のリーダー「ウィル・アイ・アム=will.i.am」さんも
この映画が大好きなハズで。
アノ曲も......が......で。
タランティーノさんは
「音楽は感情である」
......ということを深いレベルで分かってるという気がします。
きっと。そんな使い方。
見ていると常に登場人物やシチュエーションの奥にある感情を
的確に表現している様に感じられて、
それはもうセンスとしか思えません。

アウトローの人間達を包むファッションも、
ブラックスーツに細身のブラックタイを合わせるカジュアル・シックを
ビッ!と、決めた様なスタイル。
タランティーノの監督デビュー作である
「レザボア・ドッグス=Reservoir Dogs」
の続編とも思えるそのスタイルは、
日本でもシーンを勢い良く駆け登っていった頃のスマップさん達......
特にキムタクさんなどは......
とても影響を受けていたであろうかと思われます。

全てが「冗談と本気の境目にある感覚」でまとめられていて、
見る人の解釈をナニカと戸惑わせてしまうようなマジック。
それが僕の思うタランティーノ・マジック。
ギャグなのか?マジなのか?
どう捉えて?何処に置くのか?
その境目が分からない。無い。というマジック。



Σ(・o・;) ハッ!?



いかん!



タランティーノを語り出すと好き過ぎて本題に戻れなくなる......
いかんいかん......
前回のブログを書きながら僕が思い出していたシーンの話しでした......
いかん、イカン、遺憾......



僕の大好きなラストシーン。
冷酷無比な殺し屋のジュールスとビンセントは
ひょんな事で「敵」と互いに銃を構えながら向かい合うハメになります。
しかし、敵はプロの悪党の二人に少々厳しい状況に追い込まれていって、
ジュールスは窮地に陥ったその敵に銃を突きつけながら、
優位な立場でこう語りかけます。



「聖書は読むか?」

「......いや、、、あまり、、」

「暗記してる文句がある。エゼキエル書25章17節......」



ここで、
ジュールスは何時ものごとく冒頭に記した台詞を敵に言います。
そして、続けて



「......人を殺す時、
俺はいつもこの文句を言って聞かせてきた。
今迄よくその意味を考えた事は無かったが、
なんだか人を殺す場にふさわしい、
冷徹な文句に思えていたからだ......

......今朝、、
まぁ、色々あってな。。

俺は初めてソレを真剣に考えたんだ。

貴様が心悪しきもので、
俺が正しいもの。
銃を構えてるソイツ(ビンセント)が暗黒の谷間で俺を護る羊飼いで、
あるいは、
貴様が心正しきもので、俺が羊飼い。

いや、
もしかしたら世の中の方が悪で利己的なのかもしれない。
俺はそう思いてぇ。
だけどな、それは真実じゃねぇ。
真実はこうだ、、、

お前が弱きもので、
そして、
俺は “心悪しき暴君” だ。

だけどな、俺は努力してる。
本当に懸命に努力してる。
ちゃんとした羊飼いになろうとな......行け!」



斬新な編集技法より何より、
このラストシーンと台詞が、
この映画を僕にとって「特別」なものにしてくれました。
もっと言えば、この映画を初めて見た時に

「なんだか救われた......」

とも思えたシーン。
そんな気持ちとシーンを先日このブログを書きながら
ちょっと思い出していたのでした。
僕もこの映画の登場人物達とさして変らないくらい下世話で、
くだらなくて、軽率で、衝動的で、悪漢で、弱くて......
もしかしたらどうしようもなく酷い人間のように思える時があって......
だけど、この映画の登場人物達と同じ様に、
いつも、少しでも良い人間になろうと、
自分なりに懸命に努力して生きています。
昨日より今日。今日より明日。
そんな自分と重ね合わせて見てしまう映画が
「パルプ・フィクション」なのです。



そんな前回の記事の後、
幾つか問い合わせが届いていたヨガの漫画「東京ヨガガールズ」さん。
著者の方に許諾を頂いたのでお返事を兼ねてチロッと載せさせてもらいます。
ココ、Amazonで買えると思います。
あふぇりえいとじゃないおっ(・_・)/
これからヨガを始めようか、どしよっかな......
と考えている方には良いのでわと♪

つい最近まで昨年のアカデミー賞獲得作品の公開が続いていましたが、
タランティーノさんの最新作
「ジャンゴ 繋がれざる者(DJANGO UNCHAINED)」
も相変わらずのタランティーノ・マジック全開で。
彼の「定律」通りの作品でした。
しかし......ディカプリオさんはお下劣な悪役が最高!ですな!(@.@)

よっ!レオナルドっ!

彼のキャストが何にも増して素晴らし過ぎます。
彼の存在感が全てを食っちゃってました。
でも今の所、今年の個人的ナンバーワン映画
Cloud Atlas=クラウド・アトラス
でふ。
マニアックか!?

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