雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

雲と螢 2

2012-07-15 01:39:40 | 初めに、タイトルの話
血の色だ......これ......そんな衝撃、印象でした。



彼女は長い間、学校で酷いイジメにあっていたらしく、
その重く苦しい現実は彼女に独特の暗い雰囲気を纏わせていました。
それでも僕はその「暗さ」の中に「不思議な光」を感じていました。
それは暗闇だからこそ見えてくる
普段から心奥に佇んでいる魂の煌めきのようなものなのか、
暗闇で初めて磨かれ生まれた感性や才能の放つ光なのか......
その光の煌めく感覚は鮮明に覚えています。

とても頭が良くて、
13才にして既に大人びた人生哲学の様なものも持ちつつあって。
彼女の話す言葉には
余計な接続語や付帯語などは一切ありませんでした。
ぶっきらぼうなまでに切り詰められて話される言葉は
限りなく単語に近く。
含まれる感情も表情も最小限で、
本人に悪気は無くても相手に不快感を与えてしまう感じ。

小さなつくりの顔に浮かぶ大きな瞳は
目を合わせると人によっては恐さを覚える様な透明さを持っていて。
その恐さとは多分、
対面する人が自分の心奥を見透かされてしまうような
気持ちになってしまうことに起因していたと思います。

そういった全ての部分......
「個性」が学校という集団の中での彼女を特異化し、
集団を
「異物に対する抵抗表現としてのイジメ」
に向かわせていたように僕は感じていました。
彼女自身も苦しみの中で、
自分を取り巻く状況をそんなふうに冷静に理解していましたが、
それでも13才の少女にイジメという現実は辛く、厳しく。
彼女は毎日を必死に戦っていました。



「自殺は何度も何度も考えてるよ。。今日も。。」



そうボソボソと話す彼女の手首には刃物の傷跡らしきものもありました。
一日一日を耐えるように生き延びて、寝る前には
「今日もまだ生きているんだ、、」
と自分の生を他人事のように思う毎日。
そんな血の滲む様な毎日の想いが詩となって書き溜められ、
そのペンの色が赤になることは必然的なことだったのかもしれません。



その後、
僕らは当時海外を中心に一部マニアックなシーンを形成していた
ポエトリー・リーディングをベースに、
独自にポップロックと融合させた
「ポエティック・ミュージック」という表現方法を見つけ出し。
それを一人舞台とCDという、これもまた独特の枠組みを生み出して、
彼女と一緒に世に送り出していきました。
ソレらは彼女の年齢も含め、
あまりに前衛的なワークだったので、
僕は所属するメジャーレコード会社とは別に
インディーズのレーベルを独自に立ち上げる判断をし、
そこからプロジェクトを始めました。

CDは僕らにも意外なほどのヒットを記録し、
劇場で行われる一人芝居のライブは毎回満員。
一年後には彼女は14才のカルトスター、
メジャーデビュー、チャートイン......
というような階段を駆け上ります。
テレビや雑誌、新聞などは勿論、映画などにも出演。
学校ではイジメどころかサインをねだられる人気者に。



不思議なのは......
そんな日々の中で彼女の才能が段々と
消えていく感じがしていた事です。



周りに認められ、
彼女の中にあった哀しみや怒り、
ストレスが昇華されていくにしたがって、
思う様な詩が書けなくなってきている現実に僕らは気付いたのです。



「一旦、辞めようか?」



その時彼女は15才。
高校進学を決め、これから集中して勉強をしていこうとする彼女と
僕はそんな話をしました。

(o゜◇゜)ノ も少しつづくのだぁ



螢のメジャーデビューシングル「ハリガネ」(^_^)


にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンクバナー