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CCG EXPO 2014(2)話題の中国国産3Dアニメ「NANOCORE/納米核心」次期シリーズの予告編を公開

2014年07月17日 | ACG
2014年の「CCG EXPO」(上海のアニメ・漫画・ゲームイベント)は中国とアメリカの出展の増加が目立ちました。
中国企業は、従来から多かったオンライン・モバイルゲームの運営会社に加え、アニメコンテンツ、ハード機器などの出展もありました。
最近中国で高い評価を得ている国産アニメがあります。「NANOCORE」(納米核心)という作品です。「NANO CORE」(納米核心)がCCGにブースを出展していました。
中文タイトル:納米核心 英語タイトル:NANO CORE 制作:海岸線動画工作室(Coastline Animation Studio) 監督:張涵 
中国動画サイトで無料公開中。2014年2月14日公開開始。全10話制作予定。1話あたり約22分。主題歌はネット上で人気の歌ってみた系のシンガーを起用。
オフィシャルサイト:http://nc.xd.com/yx/

作画が非常にきれいな3Dアニメです。人物の表情とアクションシーンが特に上手く、脚本や声優(中国語)のレベルも高いです。いつも日本のアニメを見ている中国人のオタクたちの間でも評判が良いです。





  









写真は制作会社「海岸線動画工作室」(Coastline Animation Stadio)のオフィシャル新浪ウェイボから。
URL:http://weibo.com/coastlinestudio

中国の動画サイトで本編を無料視聴できます。以下は動画サイト愛奇芸(QIY)のURL。
第1季(1話~3話)
第1話:2014年2月14日公開 http://www.iqiyi.com/v_19rrgyan6o.html?src=frbdaldjunest
第2話:2014年2月21日公開 http://www.iqiyi.com/v_19rrgxnaxo.html?src=frbdaldjunest
第3話:2014年2月28日公開 http://www.iqiyi.com/v_19rrh6wn14.html?src=frbdaldjunest

第4話~6話:2014年8月公開予定
第7話~10話:2015年冬季公開予定

今年のCCGでは第2季(第4話~第6話)の予告編を公開しました。


この作品は、3Dキャラクターの表情の動きが非常にきれいで、技術レベルが高いです。戦闘シーンで陶器が割れるところの動きは芸術的です。地球以外の場所が舞台ですが、街の造形に中国要素を取り入れているのも面白いです。
ビジュアル面は意欲的なのですが、いろんな要素を詰め込みすぎかなという気もします。ロボットひとつとっても、戦闘機型、人型、変形型などがあり、地上戦、空中戦、攻撃手法もバラエティ豊かです。人物は、人類、亜人、ミュータント、ビーストなど思いつく限りのデザインが盛り込まれています。

第3話の後に、約15分のメイキングインタビューが入っています。このメイキングがものすごく面白いです。中国の3Dアニメ制作現場の様子がよく分かります。制作者に対するインタビューでは、「アニメ制作会社「海岸線動画工作室」は制作チームを立ち上げてからまだ1~2年で、スタッフのほとんどが20代、スタッフ数は現在50人余り。ほとんどのスタッフがストーリーアニメを作るのは初めてで、配信ルートなども含めて模索しながら進めている。動画サイトで無料公開するという形を取り、制作しながら投資を募集するという形を取った。」

3D技術をふんだんに使ったこの作品の制作費が気になりますが、ネット上では1話(約22分)約100万人民元と言われています。日本円に換算すると約1700万円です。
20代~30代の若い人たちで制作会社を立ち上げて、1作あたり1700万円の制作費を集められるというのがすごいと思います。どうやって集めたんでしょう・・・・オープニングやエンディングを見る限り、企業スポンサーがついているわけでもなく、DVDを売る予定もなく、ウェブで全話無料公開しています。
このアニメは実写から動きをトレースしています。アニメスタッフがスタジオの中で、キャラクターの動きの元になる動作をしている風景がメイキング出てきます。アニメスタッフは男性が多いので、男性同士が抱き合うシーンを演じたり、30歳近い男性が主人公の13歳の少女のトレース元をやらなければならないなど、笑い話・苦労話として語られています。投資してくれる人は、トレース元になったり、キャラクターの造形元になるなどの形で制作に加わることもありえると語っています。

「NANO CORE」の中には、どこかで見たような要素がかいま見られます。ファイナルファンタジーほか格闘ゲーム、トランスフォーマー、アバター、EVA、ギルティクラウンを彷彿させるところがあり、「既存の作品に似ている点」を数え始めたらキリがないです。しかし、「NANO CORE」の一番すごいところは、この3Dアニメを実際に作って動画サイトで無料公開しているという事実です。昨年はアメリカのCGアニメ「RWHY」(ルビー)が話題になりましたが、方式としてはRWHYと共通点があります。

今の時代は大量の情報が蓄積されており、何をもってコピーといい、何をもってオリジナルというのかよく分からなくなっています。何にもまったく似ていない作品など、ありえない気がします。
たとえ拙い表現であっても、制作している人間の個性が作品に反映されている限り、完全なコピーではないと思います。制作者たちの個性や趣味、意欲がまったく反映されない作品になると、誰が作ったかよくわからない焼き直し品になってしまいます。「NANO CORE」は、制作者スタッフたちが「やってみたいことを最大限やってみた」という意欲がにじみ出ているのが魅力です。
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