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中国映画『封神第一部』(封神~嵐のキングダム~)”質子団”のイケメン・于適(ユーシー/于适)

2023年12月06日 | エンタメの日記
毎年10月に開催される東京国際映画祭、今年は提携企画として「2023東京・中国映画週間」が行われました。「2023東京・中国映画週間」のラインナップは非常に充実しており、中国の最新のヒット作、良作が多数上映されました。
「2023東京・中国映画週間」(公式サイト http://cjiff.net/)として上映された作品の一つに、「封神第一部:朝歌風雲」(封神~嵐のキングダム~)があります。「封神演義」をもとにした映画で中国映画史上最大のスケールといわれる作品です。

封神第一部:朝歌風雲」(邦題:封神~嵐のキングダム~
監督:乌尔善  主演:費翔、李雪健、黄渤、于適、陳牧馳など
中国公開日:2023年7月20日  時間:148 分 現時点での興行収入:約26億元(約500億円)



物語は殷(商)の時代、紂王の治世に蘇護が謀反を起こします。質子として殷に取られている息子の訴えも届かず、雪山で両軍の戦いが勃発するというシーンから始まります。
冒頭から、あらゆる撮影技術と設備を投入した圧倒的なスケールの戦闘シーンが展開されます。中国はこんなにすごい映画を作れるようになったのかと驚かざるを得ません。
ただ、雪山でのスペクタクル騎馬戦闘は、なんとなく欧米製の北欧神話系の映画を観ているような気がしてきます。
衣装や背景は間違いなく中国なのですが、映像の色使いやアングル、音楽がどことなく欧米っぽいのです。
それもそのはずで、「封神」には制作顧問として「ロード・オブ・ザ・リング」のプロデューサー・バリー・M・オズボーンが参画しています。
オズボーン氏が連れてきた「ロード・オブ・ザ・リング」を担当したニュージランドのプロフェッショナルチームが「封神」の特殊効果を担当していることもあり、全体的に欧米商業大作のテイストがします。
約2時間半の長さもまったく飽きさせないハイレベルな映像ですが、「封神」を一言で形容するなら「中国版ロード・オブ・ザ・リング」です。

「封神演義」(封神榜)の哪吒、姜子牙、楊戬が出てきます。


紂王を演じる費翔(フェイシャン)は台湾出身で米台ハーフ。歌手としての方が有名です。


映画「封神」は三部作として制作されており、今年の夏に公開された「封神第一部:朝歌風雲」だけで148 分もある長編です。
撮影は第三部まで完了しており、第二部は2024年に公開予定です。
撮影は2018年8月27日のクランクインから2020年1月まで続き、その間、438日が撮影に費やされ、中国映画史上最大日数を記録しています。
撮影は主に山東省青島(チンタオ)にある撮影基地青島東方影都で行われており、多いときは撮影スタッフが2千人ほどいたそうです。



「封神」には費翔、黄渤、袁泉、陳坤(チェンクン)などベテラン・重鎮クラスの俳優も出ていますが、それ以上に、多くの新人俳優を起用しています。
それは監督の方針でもあり、三部作の撮影期間が長期に渡るため、スケジュール確保という点でも新人が望まれました。
新人・若手キャストは1万5千人から抜擢された30名が約6ヶ月の集中訓練(演技、馬術、武芸などを学ぶ)に参加し、さらにその中から選ばれた20名が映画に出演しています。
これがスクリーンデビューとなる俳優も多く、見たことも聞いたこともない俳優が大役で出演しています。
紂王の寵愛を受ける妖の美女・妲己を演じるのは娜然(ナーラン)という女優です。


娜然(ナーラン)はモデル出身のロシア人。ロシア人とモンゴル人のハーフ。ロシア生まれですが10代で台湾に来てモデルとして活動。台湾でCM出演、ジェイ・チョウのMVに出演歴あり。

妲己が登場したとき「この女優さんは誰?」と思いました。
「アンジェラ・ベイビーってこんな顔だったっけ?」
「まさかファン・ビンビン??」
と疑問が渦巻きました。
娜然(ナーラン)は抜擢キャストの一人で、「封神」が公開されるまでは他の作品で露出してはいけないという一種の守秘契約を結んでいただけあり、スクリーンに登場したときは大きなインパクトがありました。

主役の姫発(ジーファー)を演じた于適(于适/ユーシー)も抜擢キャストの一人で、これがほぼスクリーンデビューです。
見たことのないイケメンだけど、この人誰?」と思いました。
姫発を演じた于適(ユーシー)は1996年12月22日生まれ、遼寧省出身、身長182cm、体重70kg。国立演劇大の出身ではなく一般大学である遼寧工程技術大学。


クセのない端正な顔立ちで、鍛えられた素晴らしいスタイルで馬に乗り、甲冑を着て戦い、上半身裸で剣舞を披露します。


姫発(ジーファー)は後に殷を滅ぼし周王朝を興す武王となります。「封神第一部」では「質子」として殷の紂王のもとで暮らしています。本作の主役で一番出演シーンが多いです。この俳優さんの美貌を見ているだけで2時間半があっという間に感じられます。



「封神第一部」では殷に仕える東西南北・四大諸侯の王子たちが質子として紂王のもとで暮らしています。
この質子たちを鍛え上げられた体の若手イケメン俳優たちが演じています。紂王の嫡子・殷郊を含め、質子たちは兄弟なような関係にあり、集団となって肉体美を披露しています。
紂王の嫡子・殷郊(インジャオ)を演じた陳牧馳も抜擢キャストの一人です。




「封神第一部」2023年の夏休み映画としてヒットし、約26億元(約500億円)の興行収入を上げました。2023年公開映画の中では興行成績第5位です。
「封神」の制作には10年近く費やされており、すでに30億元(約600億円)が投じられたと報道されています。
制作側が黒字になるには制作費の約3倍の興行収入を上げるのが目標とされているので、いまのところギリギリの数字です。
「第二部」は来年公開予定、さらにその先には「第三部」が控えていますが、無事に公開できるのかやや心配されています。
第二部、第三部の編集、宣伝に投じる経費を用意できるのか。若手キャストの黒歴史が続々と暴露されスキャンダルが多く、数年先となるであろう第三部の公開まで持ちこたえられるのか---。

ただし主役を演じた于適(于适/ユーシー)はいまのところ目立ったスキャンダルがなく、順調に新進イケメン俳優の道を歩んでいます。中国芸能界の新手のイケメンとして多くのハイブランドの代言人(アンバサダー)に起用されています。
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