「TK from 凛として時雨」2023年アジアツアー上海公演に行ってきました。上海公演は「MODERN SKY LAB上海」という2017年にオープンした比較的新しいライブハウスで行われました。MODERN SKY LAB上海は最大約2000人収容可能と言われています。
TK from 凛として時雨 Tour 2023 The Second Chapter in Asia
北京公演:2023年8月8日(火) 福浪
上海公演:2023年8月10日(木) MODERN SKY LAB上海
深セン公演:2023年8月12日(土) NuBond
広州公演:2023年8月14日(月) 広州太空間
アジアツアーでは1週間で中国4都市・4公演をこなすというタイトなスケジュールです。北京ライブの翌日に飛行機で上海に移動し、その翌日に上海ライブ、その次の日にはまた飛行機で深センに移動しているはずです。
上海ライブが行われた「MODERN SKY LAB上海」(摩登天空LAB上海)は「瑞虹天地月亮湾」というショッピングモールの一角にあります。
チケットはVIPチケットと一般チケットがあり、VIP席は先に会場に入場できて、特典としてTKのサイン入りポスターがもらえます。
VIP:880元 一般:680元(前売:580元、早割:550元)
一般チケット680元は現レートで計算すると約13,600円です。
開演は20時からでオールスタンディング、VIPが18:50から入場、一般は19:00から入場です。入場前に整理番号順に会場外に並びます。
ライブハウスがショッピングモールの一角にあり、モール内の通路に一列に並ぶことができるので入場は比較的スムーズでした。
MODERN SKY LAB上海は2階バルコニーがあり、180元で「飲み放題ドリンク券」をチャージすると2階エリアに上がれるというシステムになっています。
180元は日本円に換算すると約3,600円です。
元々のチケット代(13,600円)に2階エリアに上がるためのチャージ代(3,600円)をプラスすると、合計17,200円になります。
日本円に換算すると安い金額ではありませんが、2階エリアに上がりたい人は、みんなさくっとチャージ代を払っていました。しかも、チャージ代を払ったのにドリンクを頼んでいる人があまりいませんでした。
開演前はクーラーが効きすぎて寒かったし、ドリンクを取りにいっている間に場所を奪われてしまう恐れがあるので、「ドリンク飲み放題券」のお金を払ったにもかかわらず何も飲まない人が結構いて、その鷹揚さに経済的余裕を感じました。
中国は交通費やホテル代などが比較的安いのに比べて、エンタメのチケット価格は全般的に高額に設定されています。
中国ローカルのアーティストと比べると、ライブハウスの公演で680元という価格は高めではありますが、主催者側は前売・早割価格を設定するなど配慮も感じられました。
整理番号何番までチケットを発売していたか分かりませんが、少なくとも1000番は超えていました。チケットは完売でした。
2階バルコニーエリア。2段式のバルコニー構造になっています。
■撮影禁止
写真・動画の撮影禁止アナウンスがかなり厳重に流れていました。
中国のライブ・コンサートでは公演中でも撮影は禁止されておらず、最初から最後まで動画を撮っている観客もいます。中国のスマホは消音で写真を撮ることができ、盗撮防止用のシャッター音はありません。音が周りの人の邪魔になるということはないので、普段からあらゆる場面でスマホで写真や動画を撮っています。
TK上海公演では、撮影禁止のルールを観客が基本的にはよく守っていました。ただ、「ルール・マナーを守る」というよりは、若い観客たちが撮りたいのを一生懸命我慢したというかんじです。
アーティストによっては、ステージ上でファンをバックにして記念撮影をしたりしますが、TKの場合はそういうこともせず、ノースマホ公演でした。
ファンが作った応援グッズ。会場の外で無料で配布していました。
■客層
若いファンが多かったです。8月中旬という時期のせいか、大学生と思われる人たちが多かったです。
男女の比率はほぼ半々で、男性客の方が若干多く感じました。
年齢層は大学生、20代前半がメインで、上は35歳くらいまでのようにみえます。
TKは2016年12月にも上海でライブを開催していますが、2016年に見たときよりも今回の方が客層が若かったです。
日本ではアーティストとともにファンも年を取っていきますが、中国は人口母数が多いためか、若い世代がどんどん流入してきます。
若い人の勢い・消費力が強いので、上の年代の大人ファンが押し出されて、早いペースで新陳代謝を繰り返すこともあります。
■音響と照明
音響はややボリュームオーバーで、バランス的にベースとドラムが強すぎて、ボーカルの音量が弱く感じました。
正直なところ、2階バルコニーで見ていて、初めの方は特に歌詞がほとんど聞き取れませんでした。
ですが、演奏と構成自体は素晴らしく、今回は照明の演出がものすごくかっこよかったです。
私はTKのライブを見るのは2回目で、1回目は2016年12月の上海ライブです。日本では一度もTKのライブを見たことがありません。
約6年半ぶりのTKのライブですが、TKは2016年に見たときよりも痩せてみえました。
TKのライブは激しいハイトーンボイスと狂気の緻密さで作られており、本人のビジュアルは音楽性のイメージに寄せるようにしているのではと思います。
ですが、MCでは至って普通というか、無駄のない落ち着いた大人の人です。MCは多くありませんが中国語も話しており、中国語の発音がとても自然で観客と和やかなコミュニケーションが取れていました。
■アニメと音楽・ロック
TKは中国ではアニメファンの間で知られた存在です。
もっとも、いま売れている日本の音楽アーティスト(いわゆるJPOPアーティスト)のほとんどがアニメとのコラボ曲を持っているので、アニメとJPOPは分離不可能といっていいと思います。
アニメとコラボすると国内はもちろん海外リスナーへの波及力も圧倒的に高まるので、戦略的にコラボ・タイアップしているのだと思います。
TKはアニメ主題歌の提供者という側面と、プログレ系のコアなギタリストという側面があります。
上海ライブではハードな曲が多く、元々そこまでハードではない曲も、ハードにアレンジされておりアグレッシブな構成でした。
観客は若いのにライブにかなり慣れているようで、上海ではハードな曲でも大いに盛り上がりました。
今回のアジアツアーは北京からスタートで、上海の前々日に北京ライブがあったので、事前にSNSで北京の情報が流れてきていました。
北京では「unravel」をやらなかったと。
なので、上海でもやらないだろうと思われていました。ところが、上海ではダブルアンコールで「unravel」をやったのです。
ライブの構成からすると、アンコールで「katharsis」と「P.S.RED I」をやったので十分盛り上がり満足感もあり、構成的に「unravel」が入らなくても納得できる内容でした。
それでも、海外のファンからすると「unravel」をやってくれるのは嬉しいです。
ライブに来ている大半の中国人ファンにとって、アニメ「トーキョーグール」主題歌「unravel」がなかったら、TKを知るチャンスは恐らくなかったからです。
「unravel」を歌うことは、言葉が異なる海外のファンにとって、強いコミュニケーショの手段になります。
(なお「katharsis」は「トーキョーグール 最終章」の主題歌ですが、中国ではアニメ2期終了時点で中国当局から配信禁止措置を受けたため、最終章まで視聴した人は少ないです。)
アニメ「チェンソーマン」の第8話エンデイング曲「first death」は北京公演でも上海公演でも演奏されませんでした。
「first death」を聴けなくて残念に思っているファンも多かったでしょうが、「unravel」が聴ければ帳消しになると思います。
初めてTKのライブを見たときにも思ったことですが、CD音源よりもさらにクオリティが高く、まったく瑕疵のない驚異的な演奏力です。
ステージ付近で見ていた観客が「TKのギターのカッティングが早すぎて弦から煙が上がっているのが見えた(ような気がした)」と語るなど魔法のようなライブでした。自分は日本でのTKのライブを見たことがないのですが、日本と同じクオリティのものを上海まで持ってきてくれたのだろうと思います。それもまた魔法なようなことです。上海まで来てくれて本当にありがとう、心からそう思います。
~セットリスト~ 2023年8月10日 上海公演
1.Shandy
2.will-ill
3.subliminal
4.flower
5.Dramatic Slow Motion
6.Crazy Tampern
7.Signal
8.phase to phrase
9.kalei de scope
10.凡脳
11.haze
12.Abnormal trick
13.Showcase Reflection
14.Fantastic Magic
------------------------------
アンコール1.katharsis
アンコール2.P.S.RED I
------------------------------
ダブルアンコール unravel
開演:20:00 終演:21:40
サポートメンバー (日本ツアーのメンバーと同じです)
Drums: Tatsuya Amano(Crossfaith)
Bass: Yoshida Ichiro Untouchable World
Piano: Sara Wakui
Violin & Synthesizer: Mai Ohtani
--------------------------------------------------
当初発券されたチケットに誤植があったため(チケットに印刷されるアーティスト名「TK from・・・」のfromがformになっていた)、入場時にチケットの半券が強制的に回収されました。終演後に「記念チケット」として、誤植を修正したチケットが配られたのですが、勝手に自分でチケットをちぎって持って帰るというシステムでした。
ライブハウス前のポスターが電光ディスプレイ式なので、ポスターをバックにチケットの写真を撮るのが難しく、観客たちが撮影に苦戦していました。
MODERN SKY LAB上海(摩登天空LAB上海)があるショッピングモール「瑞虹天地月亮湾」。広い空間を使ってデザインされた開放的な構造のモールです。
TK from 凛として時雨 Tour 2023 The Second Chapter in Asia
北京公演:2023年8月8日(火) 福浪
上海公演:2023年8月10日(木) MODERN SKY LAB上海
深セン公演:2023年8月12日(土) NuBond
広州公演:2023年8月14日(月) 広州太空間
アジアツアーでは1週間で中国4都市・4公演をこなすというタイトなスケジュールです。北京ライブの翌日に飛行機で上海に移動し、その翌日に上海ライブ、その次の日にはまた飛行機で深センに移動しているはずです。
上海ライブが行われた「MODERN SKY LAB上海」(摩登天空LAB上海)は「瑞虹天地月亮湾」というショッピングモールの一角にあります。
チケットはVIPチケットと一般チケットがあり、VIP席は先に会場に入場できて、特典としてTKのサイン入りポスターがもらえます。
VIP:880元 一般:680元(前売:580元、早割:550元)
一般チケット680元は現レートで計算すると約13,600円です。
開演は20時からでオールスタンディング、VIPが18:50から入場、一般は19:00から入場です。入場前に整理番号順に会場外に並びます。
ライブハウスがショッピングモールの一角にあり、モール内の通路に一列に並ぶことができるので入場は比較的スムーズでした。
MODERN SKY LAB上海は2階バルコニーがあり、180元で「飲み放題ドリンク券」をチャージすると2階エリアに上がれるというシステムになっています。
180元は日本円に換算すると約3,600円です。
元々のチケット代(13,600円)に2階エリアに上がるためのチャージ代(3,600円)をプラスすると、合計17,200円になります。
日本円に換算すると安い金額ではありませんが、2階エリアに上がりたい人は、みんなさくっとチャージ代を払っていました。しかも、チャージ代を払ったのにドリンクを頼んでいる人があまりいませんでした。
開演前はクーラーが効きすぎて寒かったし、ドリンクを取りにいっている間に場所を奪われてしまう恐れがあるので、「ドリンク飲み放題券」のお金を払ったにもかかわらず何も飲まない人が結構いて、その鷹揚さに経済的余裕を感じました。
中国は交通費やホテル代などが比較的安いのに比べて、エンタメのチケット価格は全般的に高額に設定されています。
中国ローカルのアーティストと比べると、ライブハウスの公演で680元という価格は高めではありますが、主催者側は前売・早割価格を設定するなど配慮も感じられました。
整理番号何番までチケットを発売していたか分かりませんが、少なくとも1000番は超えていました。チケットは完売でした。
2階バルコニーエリア。2段式のバルコニー構造になっています。
■撮影禁止
写真・動画の撮影禁止アナウンスがかなり厳重に流れていました。
中国のライブ・コンサートでは公演中でも撮影は禁止されておらず、最初から最後まで動画を撮っている観客もいます。中国のスマホは消音で写真を撮ることができ、盗撮防止用のシャッター音はありません。音が周りの人の邪魔になるということはないので、普段からあらゆる場面でスマホで写真や動画を撮っています。
TK上海公演では、撮影禁止のルールを観客が基本的にはよく守っていました。ただ、「ルール・マナーを守る」というよりは、若い観客たちが撮りたいのを一生懸命我慢したというかんじです。
アーティストによっては、ステージ上でファンをバックにして記念撮影をしたりしますが、TKの場合はそういうこともせず、ノースマホ公演でした。
ファンが作った応援グッズ。会場の外で無料で配布していました。
■客層
若いファンが多かったです。8月中旬という時期のせいか、大学生と思われる人たちが多かったです。
男女の比率はほぼ半々で、男性客の方が若干多く感じました。
年齢層は大学生、20代前半がメインで、上は35歳くらいまでのようにみえます。
TKは2016年12月にも上海でライブを開催していますが、2016年に見たときよりも今回の方が客層が若かったです。
日本ではアーティストとともにファンも年を取っていきますが、中国は人口母数が多いためか、若い世代がどんどん流入してきます。
若い人の勢い・消費力が強いので、上の年代の大人ファンが押し出されて、早いペースで新陳代謝を繰り返すこともあります。
■音響と照明
音響はややボリュームオーバーで、バランス的にベースとドラムが強すぎて、ボーカルの音量が弱く感じました。
正直なところ、2階バルコニーで見ていて、初めの方は特に歌詞がほとんど聞き取れませんでした。
ですが、演奏と構成自体は素晴らしく、今回は照明の演出がものすごくかっこよかったです。
私はTKのライブを見るのは2回目で、1回目は2016年12月の上海ライブです。日本では一度もTKのライブを見たことがありません。
約6年半ぶりのTKのライブですが、TKは2016年に見たときよりも痩せてみえました。
TKのライブは激しいハイトーンボイスと狂気の緻密さで作られており、本人のビジュアルは音楽性のイメージに寄せるようにしているのではと思います。
ですが、MCでは至って普通というか、無駄のない落ち着いた大人の人です。MCは多くありませんが中国語も話しており、中国語の発音がとても自然で観客と和やかなコミュニケーションが取れていました。
■アニメと音楽・ロック
TKは中国ではアニメファンの間で知られた存在です。
もっとも、いま売れている日本の音楽アーティスト(いわゆるJPOPアーティスト)のほとんどがアニメとのコラボ曲を持っているので、アニメとJPOPは分離不可能といっていいと思います。
アニメとコラボすると国内はもちろん海外リスナーへの波及力も圧倒的に高まるので、戦略的にコラボ・タイアップしているのだと思います。
TKはアニメ主題歌の提供者という側面と、プログレ系のコアなギタリストという側面があります。
上海ライブではハードな曲が多く、元々そこまでハードではない曲も、ハードにアレンジされておりアグレッシブな構成でした。
観客は若いのにライブにかなり慣れているようで、上海ではハードな曲でも大いに盛り上がりました。
今回のアジアツアーは北京からスタートで、上海の前々日に北京ライブがあったので、事前にSNSで北京の情報が流れてきていました。
北京では「unravel」をやらなかったと。
なので、上海でもやらないだろうと思われていました。ところが、上海ではダブルアンコールで「unravel」をやったのです。
ライブの構成からすると、アンコールで「katharsis」と「P.S.RED I」をやったので十分盛り上がり満足感もあり、構成的に「unravel」が入らなくても納得できる内容でした。
それでも、海外のファンからすると「unravel」をやってくれるのは嬉しいです。
ライブに来ている大半の中国人ファンにとって、アニメ「トーキョーグール」主題歌「unravel」がなかったら、TKを知るチャンスは恐らくなかったからです。
「unravel」を歌うことは、言葉が異なる海外のファンにとって、強いコミュニケーショの手段になります。
(なお「katharsis」は「トーキョーグール 最終章」の主題歌ですが、中国ではアニメ2期終了時点で中国当局から配信禁止措置を受けたため、最終章まで視聴した人は少ないです。)
アニメ「チェンソーマン」の第8話エンデイング曲「first death」は北京公演でも上海公演でも演奏されませんでした。
「first death」を聴けなくて残念に思っているファンも多かったでしょうが、「unravel」が聴ければ帳消しになると思います。
初めてTKのライブを見たときにも思ったことですが、CD音源よりもさらにクオリティが高く、まったく瑕疵のない驚異的な演奏力です。
ステージ付近で見ていた観客が「TKのギターのカッティングが早すぎて弦から煙が上がっているのが見えた(ような気がした)」と語るなど魔法のようなライブでした。自分は日本でのTKのライブを見たことがないのですが、日本と同じクオリティのものを上海まで持ってきてくれたのだろうと思います。それもまた魔法なようなことです。上海まで来てくれて本当にありがとう、心からそう思います。
~セットリスト~ 2023年8月10日 上海公演
1.Shandy
2.will-ill
3.subliminal
4.flower
5.Dramatic Slow Motion
6.Crazy Tampern
7.Signal
8.phase to phrase
9.kalei de scope
10.凡脳
11.haze
12.Abnormal trick
13.Showcase Reflection
14.Fantastic Magic
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アンコール1.katharsis
アンコール2.P.S.RED I
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ダブルアンコール unravel
開演:20:00 終演:21:40
サポートメンバー (日本ツアーのメンバーと同じです)
Drums: Tatsuya Amano(Crossfaith)
Bass: Yoshida Ichiro Untouchable World
Piano: Sara Wakui
Violin & Synthesizer: Mai Ohtani
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当初発券されたチケットに誤植があったため(チケットに印刷されるアーティスト名「TK from・・・」のfromがformになっていた)、入場時にチケットの半券が強制的に回収されました。終演後に「記念チケット」として、誤植を修正したチケットが配られたのですが、勝手に自分でチケットをちぎって持って帰るというシステムでした。
ライブハウス前のポスターが電光ディスプレイ式なので、ポスターをバックにチケットの写真を撮るのが難しく、観客たちが撮影に苦戦していました。
MODERN SKY LAB上海(摩登天空LAB上海)があるショッピングモール「瑞虹天地月亮湾」。広い空間を使ってデザインされた開放的な構造のモールです。
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