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進化する魂

フリートーク
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市場も国も信用していない日本

2010-03-31 10:30:06 | 社会
阪大の大竹文雄氏の最新著作が面白そうだ。
早速買って読んでみたいと思う。
後日、まとめてみたい。

「競争と公平感―市場経済の本当のメリット(大竹文雄)」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4121020456?ie=UTF8&linkCode=as2&tag=blogsofdankog-22

競争忌避=協調忌避 - 書評 - 競争と公平感(404 Blog Not Found)
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51423461.html


P. 7
大陸ヨーロッパ諸国とロシアは比較的市場に対する信頼が低い国だ。しかし、日本はその大陸ヨーロッパ諸国や旧社会主義国である中国やロシアよりも市場のメリットを信頼しない国なのである。

第一部のタイトルともなっている「競争嫌いの日本人」の証拠がこれであるが、「社会主義国よりも社会主義的」という揶揄がまた聞こえてきそうであるが、ちょっと待っていただきたい。次の図が、それをあっさり否定してくれる。

日本人は市場も信用していないが、国による再配分も信用していないのである。

P. 8
日本人は自由な市場経済のもとで豊かになったとしても格差がつくことを嫌い、そもそも市場で格差がつかないよいうにすることが大事だと考えているようだ。たしかに市場によって格差が発生しなければ、国が貧困者を助ける必要もない。


繰り返しになるのだが、この指摘は強烈に面白いし、日本の現状の本質をよく表しているので説明する。

日本は社会主義国家の人々よりも市場を信頼していない。
が、同時に国も信用していない。

国を信用していないから、国による再分配(セーフティネット)を信用せず、国の再分配に頼らないようにするために、市場で格差がつくことを嫌う。
市場で格差がつかなければ、貧困者になることはない。
だから、日本ではこれまでコミュニティ内で生きる限り安定を手に入れられるシステムを一生懸命に構築してきた。
そこから外れる者には絶望的な環境が待っているのだが、だからこそ、その恐怖を利用して強力な(長期的)互恵関係を築くことができたのだ。

ただ、市場で格差がつかなくても、市場全体が沈没すれば終わりなのである。
そこで、最近ではコミュニティ内に入れる人数を制限し、減少させ、既得権益者だけは助かる方針を採用しているのだ。
そこから、あぶれるのは常に弱者である。
コミュニティが大多数であるうちはいいが、これが多数派ではなくなった時、大転換が起きざるを得ない。
振り子は、振れ幅が大きいほど、その戻りは大きくなる。
その時に巻き返されて失う損失を考えれば、今、この時から、何らかの手を打つべきなのは誰もが理解できることだ。


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