つぶやきを再構成してお送りします。
基本的に二元論は低レベルな議論。例えば20mSvを巡る議論も基準値を上回るか下回るかという二元論に終始するから基準値をどう設定するべきかのような非生産的なものになる。下回ろうが被曝線量を出来うる限り抑える努力はすべきだし、上回ったからといって即座に退避して既存生活を壊すべきでない。
二元論は想像の世界にしか存在しない。この世には純粋な白も黒も存在しないのだ。存在するものは全て相対的だ。だから二元論が有用なのは論理の単純化が必要な場面でのみだ。しかしそれは実態を表すわけではない。20mSvかどうかにこだわることが真に重要な事なのかよく考えた方がいい。
まず、現状認識として、基本的に環境放射線量がどう推移しているかについて、岡山大学大学院の北脇知己氏の『(5/7版)放射線量変化モデルによる、積算放射線被曝量と今後の放射線量の推定』から抜粋する。
要点としては、
当初の予測通り、放射線量は短中半減期の影響はほぼ収束している。
(これは、3/15の大量の放射性物質の放出以降、大きな放射性物質の放出がないことを示している。)
一方、現在は長半減期(Cs137由来と考えられる)の放射線量が残っている状況であり、現時点での放射線量が大きな地域では、今後の放射線量の減少は期待できず、長期的に大きな影響が残ると考えられる。
このため、現時点での放射線量が大きな地域では、今後の放射線量の飛来がないとしても、これからの放射線量の減少は期待できず、長期的に大きな影響が残ると考えられる。
で、実際にどう推移しているか図にすると


100日間の積算値は、飯舘で13.17mSv、福島で6.07mSv。
(飯舘でCT検査2回分、福島でCT検査一回分の放射線被曝量程度。)
年換算すると、飯舘では 27.6mSv/年、 福島では、13.0mSv/年 の被曝が予想される。
論点は幾つかある。
現時点では、短中半減期の放射性物質の影響が収束しているので、これから現地に滞在しても積算値は大きいものにならないが、3/15当時から福島に滞在している人たちの積算値は高い。これをどう考えるか。問題の20mSvはあくまでも積算値であるので、放射線量の推移についての認識を持たずして議論するのはナンセンス。
(箇所によっては強い放射線量を残す部分があるかもしれないが、現地入りした測定部隊の結果を待つしかない。)
長期半減期の影響が残るので現地での被ばく線量のベースラインは長期的に他地域に比べて高くなるが、低放射線量の影響は確定的な科学的根拠は無く、影響があるともないとも言えない。言えば嘘になる。これをどう考えるか。
時間がないので、簡単に個人的見解を述べる。
安全方向に判断基準を倒して、避難すべきとしても、その時期と、その間の対応策についてより具体的な計画が必要だ。以前にも当ブログで取り上げたが、長期被曝について考える時、まずは放射線量を抑止・低下させる施策を早急に実施すべきだ。例えば、長期被曝の場合、放射性物質が降ったことによる土壌汚染の影響がほとんどなので、表土を取り除くと効果が出ることはわかっている。実際に効果がわかるデータもある。
あくまで私見だが、退避するなら3/15時点でしていないと意味が無かったので、今更持ち出しても心理的影響を除けば、コストがベネフィットを上回ると思う。よって、どうやって生活環境を改善するかに頭を使った方がよいと思うし、政府も事故当初の対応の遅さや誤りを認めて、そう説明すればある程度の納得を得られるのではないだろうか。
表土を取り去るのは本当に効果的
福島学校測定から1ヶ月の変化率

基本的に二元論は低レベルな議論。例えば20mSvを巡る議論も基準値を上回るか下回るかという二元論に終始するから基準値をどう設定するべきかのような非生産的なものになる。下回ろうが被曝線量を出来うる限り抑える努力はすべきだし、上回ったからといって即座に退避して既存生活を壊すべきでない。
二元論は想像の世界にしか存在しない。この世には純粋な白も黒も存在しないのだ。存在するものは全て相対的だ。だから二元論が有用なのは論理の単純化が必要な場面でのみだ。しかしそれは実態を表すわけではない。20mSvかどうかにこだわることが真に重要な事なのかよく考えた方がいい。
まず、現状認識として、基本的に環境放射線量がどう推移しているかについて、岡山大学大学院の北脇知己氏の『(5/7版)放射線量変化モデルによる、積算放射線被曝量と今後の放射線量の推定』から抜粋する。
要点としては、
当初の予測通り、放射線量は短中半減期の影響はほぼ収束している。
(これは、3/15の大量の放射性物質の放出以降、大きな放射性物質の放出がないことを示している。)
一方、現在は長半減期(Cs137由来と考えられる)の放射線量が残っている状況であり、現時点での放射線量が大きな地域では、今後の放射線量の減少は期待できず、長期的に大きな影響が残ると考えられる。
このため、現時点での放射線量が大きな地域では、今後の放射線量の飛来がないとしても、これからの放射線量の減少は期待できず、長期的に大きな影響が残ると考えられる。
で、実際にどう推移しているか図にすると


100日間の積算値は、飯舘で13.17mSv、福島で6.07mSv。
(飯舘でCT検査2回分、福島でCT検査一回分の放射線被曝量程度。)
年換算すると、飯舘では 27.6mSv/年、 福島では、13.0mSv/年 の被曝が予想される。
論点は幾つかある。
現時点では、短中半減期の放射性物質の影響が収束しているので、これから現地に滞在しても積算値は大きいものにならないが、3/15当時から福島に滞在している人たちの積算値は高い。これをどう考えるか。問題の20mSvはあくまでも積算値であるので、放射線量の推移についての認識を持たずして議論するのはナンセンス。
(箇所によっては強い放射線量を残す部分があるかもしれないが、現地入りした測定部隊の結果を待つしかない。)
長期半減期の影響が残るので現地での被ばく線量のベースラインは長期的に他地域に比べて高くなるが、低放射線量の影響は確定的な科学的根拠は無く、影響があるともないとも言えない。言えば嘘になる。これをどう考えるか。
時間がないので、簡単に個人的見解を述べる。
安全方向に判断基準を倒して、避難すべきとしても、その時期と、その間の対応策についてより具体的な計画が必要だ。以前にも当ブログで取り上げたが、長期被曝について考える時、まずは放射線量を抑止・低下させる施策を早急に実施すべきだ。例えば、長期被曝の場合、放射性物質が降ったことによる土壌汚染の影響がほとんどなので、表土を取り除くと効果が出ることはわかっている。実際に効果がわかるデータもある。
あくまで私見だが、退避するなら3/15時点でしていないと意味が無かったので、今更持ち出しても心理的影響を除けば、コストがベネフィットを上回ると思う。よって、どうやって生活環境を改善するかに頭を使った方がよいと思うし、政府も事故当初の対応の遅さや誤りを認めて、そう説明すればある程度の納得を得られるのではないだろうか。
表土を取り去るのは本当に効果的
福島学校測定から1ヶ月の変化率
