粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

イチローの「快挙」に辛口の米国論評

2013-08-23 07:19:19 | スポーツ

ニューヨークヤンキースのイチローが日米通算4000本安打達成したことに、アメリカではこの「偉業」に賛辞を送る一方で、辛口な批評も出ているようだ。やはり日本の野球と米国のベースボールは違うスポーツだとアメリカメジャー界の「中華思想」というべきもの根底にあるようだ。

ヤンキースの同僚が「4000本安打がたとえリトル・リーグの記録であれ、今回の記録は“イチ”(イチローのニックネーム)がいかに安定して活躍をしてきたかを物語っている。通常ではとても難しいことなんだ」とコメントした。表向きは賛辞に見えても、どこか優越感を秘めたメジャー側の皮肉が込めらているように思う。日本のプロ野球はアメリカのリトルリーグ並か?

ただ残念ながら、これがメジャーの現実認識といわざるを得ない。イチロー自身、メジャーに移籍した年にアメリカンリーグトップの242安打と首位打者でリーグの新人王になったが、メジャーでは新人扱いは当然のことされて、問題になることはなかった。イチロー本人もこの栄誉にはこの上ない喜びであったようだ。

そしてイチロー自身は本音では、日米合算で成績を云々されることを特別喜んではいないのではないか想像する。所詮日本のプロ野球とアメリカのメジャーを同じ土俵で考えるのは、まだまだ無理があると思う。したがってアメリカのメディアは2015年にこのままいけばメジャー通算3000本安打が達成できることの方に、期待をかけている。

最近のイチローは以前ほどの打撃の勢いがないようだ。果たして順調に到達できるか少し不安だ。やはり3000本安打を達成したときこそ、イチローは名実ともにメジャを代表するプレイアーとなりうるのではないかと思う。

以前、王貞治氏は巨人の現役選手の当時、本塁打世界記録が達成しそうな時に、メジャーのコミッショナーがこの世界記録を認めないと発言して物議をかもしたことがあった。王選手も「器(球場の大きさ)が違うから」とアメリカの難癖にはある面同意するコメントをしていた。これが現実なのかと自分自身、非常に悔しく感じたことを記憶している。

ただ当時でも日本の投手のレベルは米国に匹敵するほど高かったような気がする。金田、稲尾、江夏など最盛期の豪速球は相当な物だ。これら並みいる投手に真正面から勝負してを本塁打を量産する王選手の実力はメジャーでも決して遜色なかったと思う。おまけに王選手は、好調時には敬遠攻勢に悩まされ調子を崩してもおかしくもないのに、それも跳ね返すパワーをもっていた。本塁打世界記録も決して半端じゃないと信じている。

そして、王選手に匹敵するのがイチローだ。年齢を克服するようなイチローの自己改造で、メジャーの更なる高みを目指して欲しい。名実共に揺るぎないメジャーの巨人として。


反原発旗手の白旗?

2013-08-20 09:24:22 | 煽りの達人

池田信夫氏のブログを読んでいたら、一昨年の原発事故以来反原発論陣の代表格である小出裕章京都大学助教がこれまでの事故評価を180度転回するような見解を示したという。

特に国連科学委員会やWHOの調査によれば、福島事故の放射線による死者は出ないこと、石炭の健康リスクは原発よりはるかに大きいことについては彼も同意した。

数行の記述だけなので小出助教が池田氏にどのような意見を述べたのか詳細はわからない。しかし、「低線量被曝も健康被害はおろそかにできない」と小出助教があれだけ強烈に論陣を張っていたのは一体なんだったのかと疑念を抱かざるを得ない。

国内の専門家による小出批判には、正面切って応じず黙りを決め込んでいても、国連のような権威のある機関や委員会にはさすがに反駁する気力はなかったのだろうか。9月には国連科学員会の詳細な報告書が公表されるといわれる。その公表をまたず白旗を挙げたということだろうか。

原発事故直後は威勢がよかった反原発論陣は、次第に彼らにとって不都合な真実というべき医学的事実、資料が次々明るみに出るに従い、その勢いを失っていく。もはや主要なメディアも彼らの主張には関心を示さない。事故直後の狂乱というべき反原発報道は一体なんだったのか訝しく思い出される。

武田邦彦中部大学教授などは、国連の報告など信用できないといい、「年間1ミリシーベルト」危険説を相変わらず唱えているが、その根拠を全くいってよいほど示していない。地方都市の講演で持論を吐露しているようだが、どうも反原発に固執している人々のための慰撫でしかない感じがする。

「反原発三羽がらす」の残りの一人である広瀬隆氏も最近あまり目立った動向が見られない。週刊誌の連載は続いているようだが、インパクトは皆無といってよい。

このように反原発論陣は「総崩れ」の様相を呈している。しかし、国民の間に原発認識が十分「開眼」したかといえばさにあらずだ。原発事故直後の「放射能恐い」といった素朴な感情はなかなか消えることはない。ある種トラウマのようになって国民全体の空気を覆っていることは確かである。如何せん人間は感情の動物である。これからは、いかにこのトラウマから国民を解きほぐすかということだ。もちろん、原発や放射能が全く無害で安全というつもりはない。扱い方によって危険になりうることも理解しなければならない。つまりよくいわれることだが「正しく恐れる」ことこそが大切である。

原発事故から2年半、そんな冷静な着眼で見直す段階に入ったといえる。それにしても小出さん、今後はそんな「正しい理解」に一役買ってくれないだろうか。過去は過去として。


正体が割れた靖国参拝騒動

2013-08-18 11:57:15 | 厄介な隣国

韓国の野党議員3人が15日靖国神社で安倍首相の右傾化を批判する目論みは、神社からやや離れ場所で日本の警察に守られて実行された。おそらく、日本人の大半はこの行動に嫌悪感を覚えていることだろう。韓国のメディアにさえやり過ぎという批判が出ているようだ。

それにしても、こんな隣国政治家による日本国内での反日活動を許すほど、日本の「国の成熟度」や「民度」が高いこを内外に証明したことを良しとすべきだろう。日本の政治家が韓国に入って韓国政府を批判するなど考えられない。むしろ入国さえ拒否されるのが関の山だ。結果的に日本国民に一段と韓国のイメージを低下させるだけに終わった。

安倍首相は15日の靖国参拝を見送る代わりに政府主導の全国戦没者追悼式では、異例の方針転換をした。式辞にここ20年間必ず言及するアジア諸国への深い反省と哀悼といった言葉を今回使わなかったのだ。

朝日新聞を始めとした左翼メディアがこの点をことさら問題にしている。しかし、考えてみれば戦没者や参列する遺族にとっては、こうした反省や哀悼は違和感を覚えるのではないか。むしろ反感さえあると思う。国内向けの式典に日本の侵略を強調すること自体が不自然な気がする。

そうはいっても、ここ20年続いたアジア諸国への深い反省と哀悼の言葉が消えたことは「事件」であろう。思うにこれは現在の日本の世論が反映しているように思える。前述したような露骨な韓国政治家らの内政干渉に日本国民がほとほとながら飽き飽きしている。韓国のサッカー試合での横断幕、新聞論説委員の原爆容認発言、不可解な裁判など日本人にとっては、うんざりしてやりきない思いが募っているはずだ。というよりもあきれるばかりだ。

中国とて同じだ。執拗に尖閣諸島への領海侵犯を繰り返す露骨な挑発。昨年政府主導で行われた反日暴動、その激しさは日本人の中国熱を急激に冷ましたばかりか、国際的の信用を失った。中国から事業や投資を撤退する動きも中国経済の減速とともに加速している。

要するに韓国も中国も反日で国内世論を高揚させたり、時に抑制したりするのだが、その手法が日本国民には段々図星に見えてきているのだ。したがって朝日新聞が盛んにアジアの反発云々を煽ってももはやその神通力も失せつつあるということだ。

アジア諸国の反発といっても、所詮その対象は中国、韓国、北朝鮮の3国でしかない。いわゆる「特亜国」といわれる国だ。これらの国は反日教育が徹底して、日本との相互理解など早々望めない。これら3国以外はどこも反日ではない。まして靖国参拝など全く問題にならない。そんな特殊事情も最近の日本人の多くが認知するようになった。

朝日新聞がなんといおうが、韓国や中国のメディアが騒ごうが、もはや国民世論はたいして動揺しない。笛吹けど踊らず、安倍首相はこうした日本人の空気を十分察知してあんな異例の式辞を述べたのではないか。

中国も韓国もメディアはこうした安倍首相の言動に反発するが、意外にも両政府とも冷静である。朴槿恵韓国大統領に至っては、15日のメッセージに未来志向が強調され、日本との関係改善さえ示唆する発言さえしている。

中国政府とて、国民の過激な反撃行動を抑える動きにでている。反日が反政府に転じる危険を十分察知しているからであろう。香港活動家の尖閣諸島への出航も阻止する姿勢だ。中韓両政府も実際のところ腰砕けだ。これも国内の経済低迷など自国に屋台骨がぐらついている証拠でもあろう。

安倍首相は今後も内外メディアの安部叩きや中韓政府の動きに臆することなく自分の政治理念を実践していくだろう。右傾化などといわれようとおかまいなしだ。「戦後レジームからの脱却」という最終的な目標に向けて着々構築しつつある。


菅野飯館村村長の言葉

2013-08-17 18:28:43 | 福島への思い

福島県飯館村の菅野典雄村長が村のボランティア活動に訪れた人々に語っている言葉が印象に残った。

「ないものねだりではなくて、あるものさがし」が大事だ。さらに「さすが心臓に毛が生えた私にもお金、義援金をくださいとはいえない。ただで物をもらうことになれてしまうと、逆に心が蝕んでしまう。一番思うことは風化させないでください。忘れないでくださいということ。でもそれをある先生に話したら、風化は浄化でもあるといわれた。浄化される時に前向けなのか横向きなのか、後ろ向きなのかによって全然変わってくる。前向きの浄化が必要だ。」

「前向きの浄化」とは言い得て妙だ。原発事故問題の真只中で奮闘する村長が話すから余計重みを感じる。除染率はいまだ2%程度という厳しい環境でも前向きに突き進んでいこうとする村長に熱き声援を送りたい。

これに関連して、ボランティアに参加した山形県のお坊さんの言葉も考えさせられる。

「当事者からすれば一日でも忘れたいという気持ちがある。わすれたいと思っている現実が今も続いていることを忘れないでください。」

忘れたい気持ちを我々は忘れない。これも含蓄がある言葉だ。繊細な被災地の人々の心境、我々はやさしく見守りたいと思う。


中国の方が韓国より言論が自由?

2013-08-16 19:45:54 | 厄介な隣国

最近中国共産党当局がネット規制の一環として書き込みやショートメッセージに使う単語829語を使用不可にしたという。人権やデモなど政治関連が8割を占めている。国民の些細な不穏な動きにも敏感に反応する中国当局の危機感は相当なもののようだ。中国国内では年間60万件ともいわれる民衆の抗議やデモが群発しているため、国の公安費が軍事費を大幅に上待っているという。

ネットを監視するサイバーポリスといわれる人員が4万人にも及ぶようだ。しかし、敵も去るもので、そんな当局の監視もどこへやら、規制の網を潜り抜けて相変わらず当局に対する辛辣な批判を加えている。その勢いは決して衰えそうにもない。

それに関連して、中国当局が長年推進してきた反日教育もここへきてほころびさえ見せている。評論家の石平氏の連載記事では反日教育が中国国民には思いのほか不信を買い胡散臭く思われていることを伝えている。

中国のテレビ局が日本で中学生たちを現地取材し、日中戦争や南京大虐殺のことを尋ねた。しかし、中学生たちが全然知らないと答えているのを捉えて番組では日本の歴史教育の不毛をさかんに強調していた。しかし、視聴者からは人民日報社の専用ミニブログに意外な反応が多く書き込まれたようだ。

「中国人民は皆知っている。よく嘘をつくメディアは人民日報、よく捏造(ねつぞう)する教科書は中国の教科書だ。お前らこそ、毎日のように中国人民をだましているのではないか」

 「文革以来、一体誰が多くの中国人民を惨殺してきたのか。日本人ではないぞ」

 「自国の歴史さえ正視できないこの国が他国に正しい歴史認識を求めることができるのか。嘘ばかりをつくこの政府は、他人に真実を語れと要求できるのか」

現政権の正当性を揺るがしかねない核心を突いた挑戦的ともいえる内容だ。石平氏は中国の反日教育が「完全に裏目に出ていることがわかる」と認識しているようだ。反日宣伝をやった分、それはすべて、政府自身に返ってくるのである、とも断じている。

また中国の民間サイトで「日本の歴史教科書と中国の歴史教科書、どちらの方が嘘をついているのか」というネット討論を開始し、一般ユーザーに意見を求めた。すると、8949対2730で中国の教科書の方がが嘘つきでだという結果だったという。

石平氏は、インターネットが発達する情報化の時代、市場経済の中で多くの人々が自立的な生活基盤を得て自由な思考を始めた「啓蒙(けいもう)の時代」、共産党政権が国民大半の頭と心をコントロール下におくことはもはやできなくなっている、と結論づけている。

どうも日本のテレビが伝える中国人の対日意識とは大分かけ離れている。テレビでは、尖閣諸島問題で日本の対応を激しく批判したり、靖国参拝問題でも厳しい意見を述べる中国人が圧倒的に多い。しかし、日常会話では決して同様ではなく、それ以上に現政権の方に不満や不平が強いようだ。その不信感も相当だが、日本に対してはこちらが考えるほどではないのかもしれない。

逆にいえば、国内に充満している国民の不満を対日に振り向けよう当局が腐心しているようにさえ思えてくる。しかし、そうした誘導策や隠蔽策を講じても裏目になるほど、今中国国内は深刻な状況に陥っているのではないか。石平氏は今後の「見どころ」として中国の動向を注目している。日本の評論家の中にはもう中国は崩壊が始まっていると断言している人もいる。おそらく、当局がネットを規制しようとも中国世論さらに辛辣になってネット上を拡散していくことだろう。

見ようによっては、同じ反日国といってもネットに関しては中国の方が韓国よりもずっと自由かもしれない。韓国では対日で少しでも日本を擁護したり、自国を批判したりすると投稿者が調べられ糾弾を受けるという話を聞く。そして売国奴扱いにさえなりかねない。むしろ政治家や司法がそうした国民の異常な反日意識に左右されているともいえる。その点では中国より韓国の方が日本にとっては厄介千万の対象かもしれない。