昨日行われた沖縄県与那国島の住民投票で、自衛隊沿岸監視隊配備には賛成が反対を187票も上回った。2年前の与那国町長選挙では賛成派の現職町長が反対派を敗り当選していたが、当時47票の僅差であったことを考えれば予想外の大差といってよい。
反対派は「自衛隊が来たら米軍がやってくる」とか、「監視レーダーの電磁波が健康被害を及ぼす」といった全く事実に反するデマで煽ったが、住民は冷静であった。同時に中学生や永住外国人にも投票権を与えるという反対派の要望にも違和感を持ったことは確かだ。
実際こうした住民投票は自衛隊配備に法的には影響がないとはいえ、左翼言論がよく使う「民意」が多少なりとも反映されているといえる。その意義はあるだろうし、しばらくは配備を巡る島の混乱も治まっていくものと期待される。
これまで与那国島は警察官が2人しかいない極めて無防備な島だった。尖閣諸島を含む八重山諸島に属しているのにこの状態は極め異常であったといえる。中国漁船を偽った海賊船が島を強襲すれば一塊もない。島民を人質に取って日本政府に無理難題を要求しないとも限らない。それが中国政府と内通していることは十分あり得る。そうなれば日本の国防は重大な危機となる。
驚いたことにマスコミが島の反対派活動家に「中国が攻めて来たらどうするか」と尋ねたらなんと「白旗」を上げると答えたという。全ての活動家がそうだとは思いたくないが、沖縄で基地反対派の市民活動家たちが中国の脅威に全くいってよいほど無関心なのにはあきれる。こんな活動家たちのスタンスに疑問を持つ住民は少なくない。
結果的に、最近の沖縄県民の意識として米軍基地や自衛隊配備など国防に関して冷静に判断する世論が醸成されつつあるように思う。同じ22日に沖縄本島の辺野古で基地反対の活動家が米軍基地内に不法侵入したことで逮捕された。しかし、これに沖縄県民が反発して県民世論が沸騰したという話は聞かない。県民の多くは辺野古で騒いでいる活動家が自分たちとは関係ないプロ市民であることに気づき始めた証拠だといえる。
公道に勝手にテントを張って、中で煮炊きや物品販売をする。テントの骨組みに使う鉄棒がフェンスから米軍基地内に飛び出ているのも見かける。もちろん、フェンスには新基地反対のプラカードやリボンが所狭しとくくりつけられている。そして、まるで辺野古住民のようにテント内でずっと居座る。
こんなやりたい報道の反基地活動は決して県民に支持されているとは思えない。与那国島の自衛隊配備反対活動と同様に、沖縄県民の意識が沖縄の防衛に関して変わり始めている。昨日の二つの出来事がその顕著な例といえるのではないか。それこそ沖縄正常化の端緒ともいえる。