粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

辺野古地区住民は移設に賛成

2015-02-11 16:00:43 | 沖縄の虚像と実像

よく大手マスコミは「沖縄県民が辺野古への基地移設に反対していることが、名護市長選や沖縄県知事選で民意として示されている」ということをさも当然のように喧伝している。しかし、この主張はもともと疑わしいと思っている。意図的につくられた民意ではないか。

そんな疑念を裏付ける記事を見つけた。八重山日報という非常に沖縄でもマイナーな新聞で、石垣島を中心に発行されていて、沖縄本島ではほとんど読まれていない。その新聞が辺野古地区住民に移設に賛成かどうかのアンケート調査をしたら、なんと45%が賛成、反対は20%という結果であった。(無回答28%、どちらでもない7%)

よくいわれている通り、本島では沖縄タイムズと琉球新報という2誌が読者を独占している。朝日新聞が右翼の新聞にみえるほど左寄りのこれら新聞は、当然辺野古移設には大反対で、昨年末の県知事選では翁長候補を意図的に応援する記事が露骨に見られた。その点ではこの八重山日報が比較的中立で公平と評価されている。

ところで、名護市とはいっても東部の辺野古地区は名護中心部とは山地によって分断されている。辺野古住民と市内の他の地域との結びつきは極めて薄い。これらが合併して現在の名護市が形成されていうのに過ぎず、本来別々の自治体と見た方がよい。また人口でも他地区の住民が圧倒的多数を占めているので、辺野古の声が名護市の行政に反映されているとはいえない。

アンケートをみる限り、少なくとも辺野古では移設賛成が「民意」なのである。もちろん、辺野古漁民とは移設にともなう漁業補償にも同意しており彼らは移設を容認しているのである。(積極的な賛成とはいえないが反対ではない)

そうなると辺野古の埋め立て現場で連日過激とも思えるほどの妨害活動をしている100人程度の人々はどんな人種なのかと疑いたくなる。よくいわれるプロ市民とみてよいのではないか。沖縄県内外の自治労や日教組の組合員やOB、あるいは任意のプロ市民組織や個人の活動家といったところだろう。

沖縄の「普通」の県民とはほど遠い存在といってよい。最近、翁長知事が政府の首脳と面会を申し出ても拒否されていることがよく報道されている。ならば、「普通」の沖縄県民が怒って行動に出てもおかしくないが、それもみられない。もちろん辺野古のプロ市民と歩調を合わせて抗議活動をとることもない。

これに対して、沖縄県知事選やその後の衆議院選挙で自民党が支援する候補が惨敗しているのは、沖縄の民意ではないかという反論がでそうだ。しかし、これは沖縄の言論空間の封鎖環境が大きいといえる。前述の県紙2誌はもちろん、テレビ局も例外ではなく、移設反対の主張が満ち満ちているからだ。

そんな環境で、県民はなかなか基地移設を始めとして政治的な意見を口外することが憚れている。沖縄県支部の自民党員とて例外ではない。県内の報道空間に沈黙するどころか、むしろ野党議員の主張と見間違うほどの発言をする議員も少なくない。その代表格が翁長知事である。もともと移設に賛成であったが、自分の政治的地位を守るために突然、移設反対を声高に言い出した。

したがって、沖縄県民の本音はく少なくともなんとなく反対に過ぎず、核心的な反対ではない。あるいはどうでもよいか賛成という声も少ないはずだ。辺野古地区住民に至っては「中立的新聞」のアンケートには堂々賛成の本音を明かしたということだろう。沖縄県2大県紙の調査なら「無回答」が増えそうな気がする。

沖縄の問題については、大手メディアの報道に振り回されることなく、もっと広範な報道や情報をもとにして冷静に国民は素べきだと思う。まして「沖縄の民意」などと軽々に決めつける性格のものではない。