自民党が参議院で少数野党7会派による首相への問責決議案を丸呑みして成立させた。民主、自民、公明の増税での3党合意を批判する内容なのに敢えて賛成する自己矛盾の極地だ。結局自民党の一人負けで終わってしまった。
民主党は大喜びだし、特に「国民の生活が第一」の小沢代表はしてやったりだ。自民党が3党合意批判の削除を主張したのに最後まで抵抗したのが、小沢氏の会派だという。自民党は民主党首脳部よりも小沢グループを批判していたのに。
これで自民党は、次の選挙では議席回復どころか維持さえも難しくなった。下手をすると大敗するかもしれない。現在の社民党のように脱退者を出して、お飾り政党になる危険性は十分にありうる。
といって民主党も議席減を免れない。大政党がない政党乱立の時代になるかもしれない。ある政治評論家が今は明治維新前を通り越して、応仁の乱前夜ではないかと語っていたが、それもいえなくもない。将軍家以下全国有力武家が家督争いに奔走して混乱したあの時代、10年間の内乱のうち戦国時代に突入する。100年後に独裁者信長が登場して秩序回復が急速に進む。
独裁者の出現、まさか大阪のあの人のことではあるまいが、「決められない政治」へのアンチテーゼとして、それが現実味を帯びてくる。そんな混乱を許している現役の政治家よ、しっかりしろよと痛烈な檄を飛ばさずにはいられない。