粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

パブリックコメント

2012-08-29 13:54:46 | 原発事故関連

政府が新たなエネルギー政策の策定に向けて22日実施したパブリックコメント。意見公募の意味らしいが、原発ゼロを支持する人が約9割を占めたという。

一方読売新聞が11日12日に行った全国世論調査では、政府が示した2030年のエネルギー比率の3案のうち「ゼロ」と「15%」が各38%、「20%~25%」が17%という結果だった。

この2つの調査の結果は落差がありすぎる。今日あるラジオに出演していた評論家が、「国民の9割近くが原発ゼロを支持していている。これが国民の声だ」と語っていたが、自分の反原発論を展開するための都合の良い論理に思えた。

そもそも意見公募といっても、政府が無作為に電話などでたずねる性格のものではない。「希望者」が政府に電話・ファックス・メールで「自発的」に意見を寄せるものだ。

原発事故以来、反原発派の主張は勢いを増しており、こうした人々がこぞって自分たちの意見を政府へ送っていることは想像できる。つまりパブリックコメントなるもの、特定の主張(反原発)に偏ってしまい、とても国民の意見を代表しているといえない。

新聞の世論調査が必ずしも正確とは言い切れない。設問の仕方によって変わる可能性がある。しかし無作為、公平にアンケートするとすれば、国民の幅広い多様な意見を知ることはできるだろう。

これらに対して意見聴取会や討論型世論調査が公開で行われたが、ここでの結果は読売の世論調査とバブリックコメントの中間に位置する。「ゼロ」支持が5割を超えるが維持派も根強い。しかし意見聴取会の中には、反原発派が大挙押し寄せて、公平を欠く印象が否めない。というわけで、個別の調査だけを取り上げて「民意」と決めつけるには問題がある。特にパブリックコメントは今の方法ではむしろ無意味とさえ思える。