粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

くよくよする人

2012-08-21 11:09:44 | 過剰不安の先

ある反原発サイトでのコメントをみていたら、欧州から埼玉へ一時帰国した母親の投稿があった。

…子ども達には水道水はなし、学校にはお弁当を持たせ、埼玉なので外遊びはさせたくなかったのですが、全くさせないことも難しく一日30分くらいはマスクなしで外に出してしまいました。また、日本にいると気持ちも段々ゆるんでしまって、外食も頻繁にしてしまいました。回転寿司、ファミレスとか。

気のせい、と言われると思って周囲には話していませんが、滞在中私は何度か足がつりました。ここ10年くらいそんな経験はありません。また、鼻をかむと少量ですが鼻血が出ました。これも子どもの時以来でした。

上の子どもは胸が痛い!と体を固めることが度々ありました。今まで健康診断で何も異常が出たことがない健康な子どもです。これは本当に怖かったです。

下の子どもはおねしょを繰り返しました。これはまあ、環境が変わればと思われるかもしれませんが、今までどこに旅行しても、そういうことはなかったので変だなと思いました。…

一時帰国後、次々発生する母親と子供たちの異常な症状に呆然としている様子がひしひしと伝わってくる。しかし母親にとっては、予想された不安が的中したともいえる。最後はこんな結論になる。

欧州にいると、関東に帰るのは危険だと冷静に分かるのですが、日本に入ってしまうと平和な雰囲気にすっかり騙されてしまいます。こうして書き出してみて、やっぱり自分たちは低線量被ばく環境下で1ヶ月過ごしたと思います。

このサイトにはこんな母親たちの「被曝報告」が間断なくもなく続く。これら投稿に対して、管理者は同情しきりで、日本の放射能汚染の深刻さを喧伝する。

こんな記事を読むたびに、ひねくれ者の自分は山下俊一福島県立医科大学副学長が昨年講演で発した言葉を思い出してしまう。「放射能の影響は、ニコニコして笑っている人には効きません。くよくよする人に効きます」

早い話が放射能を気にしすぎるとストレスが溜まり、本当に病気になるという警告だ。山下氏の口調は饒舌すぎてやや荒っぽい面もあるが、今考えても真実のように思える。

本日紹介した母親のコメントを読むにつけ、そんな印象が残る。これら母親とは真逆で、放射能など全然気にせず、普通の食事をし子供たちと平気で外出する「鈍感」な母親がいる。しかし彼らがはたして次々と異常な症状に襲われているだろうか。自分の知る限り、とてもそんな状況には思えない。

原発事故以来、福島県内を含めて放射能の影響で何か健康被害が因果関係で報告されているだろうか。デマは多々あったし、今も続いているが、全くといってよいほどそんな話を聞いたことはない。

思うに反原発サイトで頻繁に登場する「今おこっている健康被害」の大半が放射能の影響を過度に恐れるストレスが原因だといってよいと思う。

山下副学長は「ミスター100ミリシーベルト」といわれいるようだ。100ミリ以下の被曝ではガンなど確たる影響は報告はされていない。しかしこれは別に山下氏の専売特許ではない。多くの放射線医学専門家の共通した常識である。

逆に喫煙やストレスのほうが健康の影響が大きいといわれている。くよくよ悩む人は、極端にいえばわざわざ100ミリシーベルトクラスの被曝を進んで自分から受けるようなものではないか。「放射能はくよくよする人に効く」、残念で悔しいでしょうが、それが実情です。木下黄太さん!