粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

放射能不安払拭を拒むもの

2012-08-09 13:24:02 | 福島への思い

今日は長崎原爆記念の日、朝のNHKのニュースで長崎で被爆した82歳の男性と福島市内の女子高生たちとの交流が紹介していた。交流の発端は女子高生たちが長崎を修学旅行で訪れた時、同じ放射能問題で語り合い共鳴したという。

最近男性が福島を訪れたときに、女子高校生たちに改めて自分の被爆体験を語っていたが、放射能の被害よりも、その風評や差別の被害を強調していた。82歳にして元気でいられることが、実際の健康被害など恐れることはないことへの何よりの証拠であろう。

しかし、女子高校生のなかのは「このまま結婚もできないのではないかと不安だ」と語っていたのには驚いた。もちろんこの事故で女性の出産に影響することはない。しかし、彼女にとっては決して笑い話でない。おそらくこうした女子高校生と同じように悲観している女性は、少ないながらもいるのだろう。

やはり事故当時からのメデァの根拠のないデマの後遺症が根強く残っているといえる。一番タチが悪いのは、「原発事故は甚大で放射能被害は恐怖でなければならない」と考える「確信犯」の存在だ。

困ったことに、地元福島県内にこうした放射能健康被害を盛んに煽るグループが少なからずいることだ。先日行われた、将来のエネルギー問題を問う福島の意見聴取会でもこうした人々は多数出席していた。

会場である反原発の男性は「福島県内の河川が日本一の清流に指定されたニュースを怒りをもって聞いた」と語っていた。これなど「福島は汚染されている」という先入観でしか考えていない証拠だろう。彼が主張するように清流であるかどうかは、水質や土壌の放射性物質の濃度を調べれればすぐわかる問題だ。実際は海とは違い、川に放射性物質が蓄積することは濃度は思いのほか低いと考える。

女子高校生が結婚ができないなどと心配するのは、もちろんメディアの影響はあるだろうが、こうした地元の反原発派の活動家の風説も大きく影響していると思う。意見聴取会で市民グループの一人と思われる人が、「山下俊一福島県立医科大学副学長は『ミスター100ミリシーベルト』と揶揄されている。彼が押し進める健康調査を県民は誰も信用していない」と主張していた。しかしこんな危険派の言葉など本当は大方の県民は信用していないはずだ。それは山下副学長のリコールに対する圧倒的拒否の結果をみればわかる。

ただ、先の女子高校生のように、いまだ危険情報に振り回れている県民がいることも現実だ。そのためには原発事故での福島県内の影響を具体的数値を県民に広く知らしめて、科学的真実を啓蒙させる努力がもっと必要だと思う。福島県民が、不必要で有害な健康被害デマから解放されるためにも。