旅する小林亜星

小林亜星情報満載

こんな夜にはこんな映画「火々」

2005-03-13 02:53:25 | こんな夜にはこんな映画
劇場に行ってまで見たかった映画、「火々」。
信楽焼の現役陶芸家さんのノンフィクション。

見たことないよな田中裕子。
苦しいことや悲しいことが多いのに
思わず「ぷっ」と笑わせるセンスのあるひと。

涙も鼻水も量産したけど
残念だったのは母である彼女にばかり焦点があたっていたこと。

もっともっと彼女自身の人生が見たかったし
焼き物への思いにも触れたかった。

それは致命的に残念。

「さ、最後の誕生日を祝うよ」てのが印象的。
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こんな夜にはこんな読書「死者の奢り・飼育」

2005-03-13 02:25:10 | 美容師
美容師おすすめの大江健三郎「死者の奢り・飼育」を読む。

まずは芥川賞受賞の「飼育」
起承転結が明白な構成。
起は純文学にありがちな単調で退屈な文体。
何度も挫折しそうになる。

ところが、承に入り出したころから
ジェットコースターのよに
一気にあたしのこころは本の中に滑り落ちた。

転になると
もう周りが見えなくなるくらいに
小説の世界にどっぷりはまる。

結まであっちゅうーま。

半世紀も前に書かれた話なのに
未だ色褪せてない。

でもおもしろかったのは「飼育」より
「他人の足」と「人間の羊」。

妖艶で残酷でストレート。

あたしは美容師がおもしろいと言わなければ
手をつけようとしなかった作品。

なのにハタチのころに
大江健三郎を読み漁っていた美容師は
生意気でセンスのいい若造だったのだろぅ。

曰く、「おもしろいよー、村上龍みたいにエロくて」
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こんな夜にはこんな芝居

2005-03-13 01:59:32 | 恋のうた
付き合い始めてもぅすぐひと月。

彼がバドミントンよりぞっこんだという、芝居を見に行った。

事前に宣言されていたものの
本番一週間前からは
稽古、稽古で
ほとんど相手にしてもらえず。

涙をのみこむ。

公演初日だった木曜、
昼間から仕事にならず
あたしはドキドキドキドキ緊張していた。

自分が出るわけではないのに
彼がそれほどまでに魅了されてる世界を
覗き見ることは
恐いもの見たさを助長する。

会社の同僚、元役者についてきてもらう。
電車の中で役者の生態について解説を受ける。

「ハコ」は中野のとあるスタジオ。
客席から、役者たちまで1メートルもない臨場感。

役者である彼は突然登場した!

・・・!!!

ジャージを着こなす「韓流ブラザーズ」!

正直なところ、いつもの彼と同じだ。
仕草も目つきも科白運びも。

普段の彼があたしの前でいつも芝居してるのか、
はたまた
彼は演技をする代わりに素で舞台にたってるのか、
わからなくなった。

だけど、目はキラキラ輝いて
自分の空間を堂々と保持している彼を
あたしは誇りに思った。

素敵なひと。

毎日、彼は芝居のことで頭がいっぱいだったこの2週間。
付き合い始めたばかりで
あまり彼のことを理解してなかったせいもあって
あたしはうまく彼を放流することができなかった。

さっそく歪みを感じてしまったし、寂しかった。
これからうまくやってけるのか、不安。

だけど、ずっといっしょに乗り越えていきたいと思えるひと。
今のところ。
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「フィリピン」の綴り

2005-03-06 02:13:46 | 比律賓
2005年3月5日。
長かった闘いが終わった。

始まりはたしか、去年の10月ごろだった。
相手はフィリピーノ(32)、
妻と男のこ2人が家族。

声は優しくて
日本人好みの英語をつぶやく。

メールをしても
メールをしても
メールをしても
メールをしても
メールをしても
レスポンス悪。

思い切って電話してみれば
申し訳なさそに
いつも「忙しい」という言い訳。

なんとか発注にこぎつけたものの、
今度は機器が間に合わないと報告。
工事はあっさり2ヶ月延期。

会議での進捗報告は
いつもあたしが血祭り。
余裕だったはずの機器の納期もぱんぱん。

他の部署まで巻きこんで
気がつけばやはり納期が間に合わず。

上司の攻撃に耐えられなくなって
やつあたりすると
「なぁに、代替機があるから、そんなに心配しないで」と返信。

とんとん拍子に
通話試験もなんとか期日に完了。

そして、今日。
あれだけ気を揉まされた機器が到着も
今度はそれがネックに。
待たされた上に待たされる。

まさに、その瞬間はあっけなく。

長かった闘いは終わった。
いつしか闘いは同盟に変っていた。

電話すると
あたしが名乗る前に
あたしの声を聞き分けてくれる、
同士への感謝。

そしてこころに刻まれたのは
「フィリピン」の綴りと
国番号「63」。

終わってみれば、
いっしょに仕事できてよかった、
てのが素直な感想。

ニュージーランドの次に
愛しい国、
Philippines。
コメント (4)
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