旅する小林亜星

小林亜星情報満載

26

2018-12-07 20:23:01 | 旅人
いつインディアン大澄から連絡が来るかもしれないとがっつりは観光できず
ショッピングモールに買い物にいく。

滞在中にアーユルヴェーダを受けたくて
いろいろ検索したけれど、うさんくささをぬぐえないので

手っ取り早く近くの五ツ星ホテルのスパで予約を入れた。
90分コースで5000ルピー(NZ100ドルくらい)だから、NZの普通のマッサージと同じと思ったら
1回くらい贅沢しようと思った。

予約の時間に行くと受付に兄さんがいて更衣室に通される。

高級ホテルなのに、シャワールームの壁が剥がれつつカビが生えてたりと
インディアンクオリティー。

兄さんに、女性と男性どちらのマッサージ師がいいかと聞かれる。
ただ強さが違うだけと。

アーユルヴェーダやったことないからどっちでもいいよと言うと
じゃぁ僕ね、と言われふうんと思った。

すっぽんぽんに紙製のパンツを履いてガウンを羽織る。

さきほどの兄さんに案内されて施術室に行くと立ったままガウン脱いでと言われる。

今までの人生で受けたマッサージは男性でも胸が見えないようにタオルで隠されたりしたので
そういうのを想像してた。

もう逃げられないので、ガウンをさくっと脱いで施術台に仰向けで横になる。
こんな乳丸出しになるんだったら女性を選らんでたと思うも時遅し。

アーユルヴェーダてなんか特別なものかと思ってたものの
普通に気持ちいただのオイルマッサージという印象を受けた。

わき腹の辺りをマッサージされたときくすぐったくてにやにやしてるとどうしたの?と聞かれ
いや、くすぐったくて、と言うと、はいリラックスリラックスと笑いかけてくれた。

か、かわいい。

徐々に紙製のパンツも脱がされぱっくり陰部ご開帳。
もう恥ずかしいのも通り越して。

乳首に触れるか触れないか、
クリトリスに触れるか触れないか、のツボを抑えたマッサージ。

陰部近くの太ももも丁寧にリンパに沿った感じでマッサージされて

ああ気持ちいなーとか
こんな状況でもさすが五ツ星ホテルで働いてるひとはいやらしい気持ちになったりしないプロなんだなー
あたしが濡れてるのばれないといいなー

などと思ってると

陰部の近くを指さして、ここマッサージしても大丈夫と聞かれ
大陰唇の近くにもリンパがあるのかなーと思いつつ
もう何でもありだわと思って全部の質問にうんうん言ってたら

気がついたら手マンされて、クリトリスにキスされてて、
あたしの身体がびくんびくんとなるのを兄さんはうれしそうに見てた。

乳首をさしてここも触ってほしい?と聞かれたのですごい勢いでうなずくと
兄さんはマッサージなのか前戯なのか微妙なラインで乳房を揉みしだき

暑くなってきたからこれ脱いでいい?とユニフォームを脱いですっぽんぽんになった。

あたしは止め処ない快感にもう何がなんだかわかんなくなって
兄さんはあたしの上にまたがってキスしまくりの、乳首吸いまくりで、あわよくば挿入しようとしてる。

入れようとしてるの?ゴムなかったらだめだよ、と言ったら
その瞬間に彼は果ててた。

よくAVでマッサージがあまりにきもちよくてセックスおねだりというジャンルがあるけど
これほんとに存在するんだ、裏メニューじゃんとか

「欲求不満人妻、アーユルヴェーダであーぬるぬるまんこに中だし未満」みたいなAVが撮れそうとか

朦朧とした頭で考えてた。
果てたあとは普通のマッサージに戻って90分勝負終了。

兄さんにいつもお客さんとこんなことしてるの?と聞くと
いやかなり稀だけど時々、とのこと。

(首になるかもしれない)リスクあるのに?と聞くと
リスクはないよ、だってちゃんと触っていいか何度も聞いたでしょって。

シャワーを浴びて着替えると兄さんはふつうの他人に戻ってた。

ホテルに戻ってもさっき起こったことが信じられなくてドキドキする。

次の日冷静になったのにも関わらず
この非日常という旅の最中に起こったあまりの非日常の甘美さが忘れられずに
観光しながら兄さんとのセックスのことばかり考えてる。

夜7時ごろまたそのホテルに向かう。

兄さんの名前もわからず、男性の施術師が何人もいたらどうやって予約を取ろうと思ったら
ちょうど受付に兄さんがいて

「今日予約できる?昨日のマッサージが気持ちよすぎて」と言うと兄さん表情も変えずに7時40分に予約を入れてくれた。

自分のホテルに急いで戻ってシャワーを浴び
5000ルピーと残り1つのコンドームを持ってホテルに向かう。

更衣室で着替え、ガウンのポッケにコンドームを忍ばせる。

昨日はあんなことになったけど
兄さんは何もなかったような態度なので
今日はただのマッサージだけかもと思ったら

早々にパンツを脱がされ
兄さんもすっぽんぽんになり

コンドーム、ガウンのポッケに入ってるよと言ったら
え、ひとつしかないの?ふたつあればよかったのにって。

前日のマッサージよりも手抜きだし、なんか心ここにあらずという感じだったけれど
あたしは海外に買春しにいくおっさんそのものだったのでセックスできればよくて。

兄さんはがっちりした体格で、その上半身にあたしはしがみつく。
みこすり半で果ててた。

あたしの欲求は満たされた。

シャワーを浴びてから受付にいる兄さんに
あたしの26人目なので記録上名前を聞くとNarashと教えてくれた。

電話番号も教えようか?と言うのでもう連絡することはないだろな、みこすり半だしと思いつつ
一応もらっておいた。

祝・26人目。
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最後の1回

2018-12-07 19:55:11 | 旅人
7.5時間の時差ボケと
明け方の犬の喧嘩と
近くの鉄道駅を通り過ぎる汽笛と
毎朝5時23分に大音量で流れる美しい旋律のアザーンの所為で
1時間置きに起こされて寝不足。

インディアン徳重おすすめの、ホテルから歩いていけるビルラマンディールに行く。

道すがらスリとか頻繁に遭遇するのかと思いきや
意外とというかとても安全に感じた。

昨日の夜来ると言ってたインディアン大澄は
急に行けなくなった、今日の昼に会いに行くと行ったきり。

午後2時くらいにあたしのホテルまで来てくれて、
部屋に入れようとしたところ
ホテルのスタッフにゲストは入室できないと言われがーんとなる。

久々に会ったというのにインディアン大澄は特に感慨もなく(彼らしい)
で、どのくらい時間あるの、とインディアン大澄に聞くと20分くらい、とのこと。

またがーんとなって
近くのコンビニまでインディアン大澄のバイクの後ろにまたがって行く。

ケーキみたいなのを買ってくれたけど
久々に会えたという感慨に喉を通らない。

彼が作ってる映画の撮影を見たくて来たのに
部外者は立ち入り禁止と。

ホテルまで送ってもらう間、インディアン大澄の背中の体温を感じるだけで精一杯。

途中で道に迷って、このままずっと迷ったままならいいのにて言ったけど
鼻で笑われた。

明日の朝ハイデラバードからバスで6時間の実家に戻ると言ってたので
会えなくてもいいから彼の生まれた街に行こうと、
列車が出てるシカンダラバード駅に翌朝6時25分に出る列車の切符を買いにいくも予約はできないと言われしょんぼり。

ホテルに戻ると
明日もハイデラバードにいることになったから今からそっちに行ってもいいかとインディアン大澄。

1泊ひとり1600ルピー(約NZ30ドル)の三ツ星ホテル。
ホテルのスタッフにゲストは1晩600ルピー追加と言われてたのに
いざ手続きをしようとしたらひとりの宿泊をふたり分に変更しなくちゃいけないから

1泊だけならほかに部屋を1つ予約して、
しかもハイデラバード在住のひとは泊まれない、とこの期に及んで言われがーんとなる。

もうやぶれかぶれで1600ルピー払うからもうひと部屋予約して
インディアン大澄はハイデラバードの住所ではないことがわかり(ハイデラバード出身というけど、正確には違った)
ひと部屋予約すれば、あたしの部屋に泊まることは了解を得て
11時くらいにインディアン大澄が現れた。

募る話もあるからたくさん話そうと思ったのに
暑いからと天井の煩いファンをつけっぱでテレビを見始める。

あたしの質問には答える。
相変わらずのマイペース。

眠そう。
今日の朝まで映画の脚本を書き直してたとか。

会いたいから来たんだよ、と言われ
彼はおべっかとか言うタイプではないからそれは本音なのだろうけれど

彼にとってあたしは何者でもないのだなと再確認。

最近セックスした?と聞かれたのでしたよ、と素直に答えたら
旦那?彼女とどうなったの?と珍しく聞かれたので別れたよ、と答えたら

それで旦那としてるんだ、と。

そっちは最近した?と聞いたら
してないよと。

今まで何度もセックスしたけど
はじめてちゃんとしたベッドの上でするセックスだった。
たぶん最初で最後。

愛しかった。

で、1時くらいに友達から電話がかかってきて
映画の出資をしてる友達が事故に遭って今病院に運ばれたから行ってくる、と。

数日してから友達大丈夫?と聞いたけど音沙汰なし。

何かにめちゃめちゃ集中してるとき
このひとはほかの何も目に入らない。

それが彼と会った最後の瞬間だった。
まともにさよならもできなかった。
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こんな昼にはこんな映画「Taxiwaala」

2018-12-07 17:02:17 | 旅人
バリ、ドバイ経由でハイデラバード空港に降り立つ。
アライバルビザの申請にやきもきしながらなんとか入国。

空港の売店で50ルピーの水に2000ルピー紙幣を出したら
お釣りは1750ルピーだった(あとから気づいた)。

バスの運転手に住所を見せてここに行きたいんだけどと言ったら
どこどこで降りろと言われた。

面倒見のよさそうな運転手だったので、
もし聞き取れなくてもなんか言ってくれるだろうと思ったら言ってくれずにかなり乗り過ごした。

人生2回目のインド、はじめてのハイデラバード。
インディアン大澄と付き合うまで聞いたことも、関心もなかった街。

なにもかもがとてつもなく巨大で、広大で、
ひとも、建物も、すえた臭いも、土煙も、何万回も聞くクラクションも新鮮だった。

バスを適当なところで降ろされ
インディアン大澄に今どこ?と聞いたら
今どこ?と聞き返された。

どこかわからないと半ば助けを匂わせたが
今アキ男。がいるところはアキ男。が泊まるホテルからそう遠くないよ、という助言だけで
はるばる会いに来た元カノを助けようなんて考えはもちろん微塵もない模様。

Uberに乗って無事にホテルにたどり着く。

ひと息ついてから、街歩きと暇つぶしを兼ねてショッピングセンターと映画館に行く。
映画館で4時過ぎから始まる
「Taxiwaala」というタクシードライバーのアクション系映画に見える、テルグ語の映画のチケットを買う。

150ルピー(NZドルだと3ドルくらい)。

チケット売り場のお姉さんがあなたテルグ語わかるの?と聞いてきて
わからないけど別にいいの、と答えたら
英語の映画見ればいいじゃんと言われ、怪訝な顔をされた。

インディアン大澄の話すテルグ語の映画をインドでどうしても見たかったので。

上映時間が近くなり、セキュリティチェックを受けてスクリーンのほうに行くと
ひとりの男のひとになんか見られてるなー感が。

巨大なスクリーンに入って自分の席に座るとさっきのあたしを見てた、
超イケメンインド人があたしの隣に座って話かけてきた。

君は美しい、とか
英語上映の「The Girl in the Spider's Web」を見にいこうよ、とか
映画終わったらスタバでお茶しよう、とか言われたような。

ああ、これがインドで有名な昏睡強盗で、
スタバについてくと飲み物になんか入れられて
気がついたら身包み剥がされるか、レイプされるのか、こわいわーと思う。

人生初でナンパされたのに、
しかも目の覚めるようなイケメンなのに、あまりうれしくない。

電話番号を無理やり押し付けられてから、彼は「Sameer」と名乗った。
しばらくすると自分の席に戻っていった。

で、上映がはじまるのかと思いきや
スクリーン内の全員が全員さくっと起立したと思ったら
画面いっぱいにインドの国歌が流れた。

これ、起立は義務らしく、立つタイミングを失ったあたしは
国歌が流れる間相当気まずかった。

で、肝心の映画は新しいジャンル、ホラーコメディで内容はなんとなくわかったものの
長すぎる上映時間3時間の間にあたしは5分くらい寝オチした。

上映が終わって、さっきのナンパ男に見つからないようにそそくさとホテルに戻った。
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そうだ インド、行こう

2018-12-07 15:49:16 | 旅人
10月に日本人経営の美容院で興味もない日本語の雑誌をぱらぱらと眺めたとき
旅に行くなら、インドと
書いてあったどうにも普遍すぎる記事になぜかこのタイミングで脳天をぶち抜かれた。

誰かの親になったときから、
ひとり旅をするという人生で最大の贅沢を諦めたけど

インディアン大澄が今シーズンのクリケットをNZでプレイすることはないことを知って急に
無性に会いたくなったのと

今インドに行かなかったらきっと一生後悔するという
意味のない焦燥感に追い立てられ

飛行機のチケットは11月なら往復でNZ1200ドル台で行けそうなこと、
ホテルとお小遣いを含めたら2000ドル以内で納まりそうなこと、

インディアン大澄が映画を撮ってるのをぜひ見たい(真)
インディアン大澄には彼女ができたし、もうお互いに恋愛感情はない(嘘)
がんばって仕事してローン返して、育児もしてるのに自分たちにはご褒美が何もない(真)
10年後に子どもが自立したとき旅に出ても遅い(真)

という無茶苦茶な理論武装と
ダーリンが浮気したという事実をちくちくとお堀から攻めるというせこい手と
ダーリンが旅行したいなら行ってきてもいいよという口当たりのいいフレーズで

5日間の有給と、
9日間のひとり旅を勝ち得た。

インディアン大澄は3本映画を撮ってる最中で会える保証はないのに来ても無駄という姿勢。

それでもあたしは自分の意思で、
好きなことが好きなときにできるという自由を

持てなかったとしても、
感じることができれば、
錯覚することができれば、それでよかった。

1月はインドが一番過ごしやすい時期で11月に比べ1000ドルくらい飛行機代が高くなることがわかり
ダーリンの承認を取り付けたのは出発の3週間前だった。

出発は11月最後の金曜日午後。

飛行機を予約してから
長女の運動会があたしの旅行中にあることを思い出し(断念)
出発の1週間前に義父が心臓の手術を受けるからもしかしたらということもあるかもしれないし(結局何もなく)

元気だったダーリンの祖父が出発の1週間前から急にがっくり来て、
火曜日にお見舞いに行ったところ(頼むからあと1週間がんばってくれとまじ祈った)、
その翌日の水曜日、出発の前々日に亡くなり、

さすがに嫁が葬儀に出ないのはありえないし、ここで家族内の軋轢を産んでまで
自分の自我を通すべきではないと思い、旅行は断念しようと思ってたところ

ダーリン「葬儀に出れなくてアキ男。が一番申し訳ないと思うのはだれ?」

あたし「義父」

ダーリン「アキ男。が行かないと父さんに言ったら、なんて言うと思う?」

あたし「たぶん、行ってこいて言うと思う」

ダーリン「僕もそう思う。だから行ってくれば」

という会話をして
義父母、義兄夫婦には前日に説明してわかってもらった。

コンドームは2つ持った。
というわけで夢にまで見た、7年ぶりのひとり旅のはじまり。
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