goo blog サービス終了のお知らせ 

旅する小林亜星

小林亜星情報満載

フィリピンの呟き

2006-02-16 02:22:47 | 比律賓
寝惚けまなこで
携帯を見ると
公衆電話からの着信。

仲良くなったフィリピノが
香川から電話。
午前8時半。

命からがら電話に出ると
プレゼントのお礼と
会社までの道程への質問と
朝ご飯の有無と
起床時間の詳細について
質問された。

どれも単純な問いなのだけれど
稼動してない脳みそで
英語を聴き取り、切り返すのは
至難の技。

最後のほうで
「I love you.」と言われたので

あぁ、友達として好きってことね
となんとか解釈し

「Me too.」と当然のごとく
切り返すと

「Really?」という意外な感想。

感情が振れる非日常。

香川から東京に戻ってくると勘違いしていたので
香川→大阪→フィリピンと帰国すると
もう簡単に会う術はないのだと実感。

ジョーカー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピンの細胞

2006-02-14 23:41:12 | 比律賓
副社長が退任することになった。

国際援助関連の財団法人が新天地。
おもしろそうなのでメールで近づいてみる。

今は直接役に立つことはないけれど
何かあれば力になるよというお言葉をいただく。

と、ちょうど彼の新天地である、
財団法人ユースワーカー能力開発協会で
JICA青年招へい事業の一環として行っている、
合宿セミナーで日本人青年を募集しているという
情報をゲット。

フィリピンから情報技術関連の仕事に携わる
エンジニアがやってくる。

まさにあたしのために存在するよな催しだ。

3つ入ってた予定をキャンセルし
会社も一日休んで参加することにした。

人見知りするあたしでも
行きのバスの中で隣りに座った、
フィリピンの外務省勤務のリッキーと
すぐに打ち解ける。

公衆浴場初体験のフィリピノを
裸になるよに説得したり

毎日シエスタの習慣があって
オフィスにはシエスタ用のソファーが
置いてあることにびっくりしたり

自分はマニラに住んでいて
父親とふたりの兄弟は
アメリカで働いていて、
母親ともうふたりの兄弟と嫁は
サウジアラビアで働いているけど
それは珍しいことでないことに
文化の違いを感じたり

グループディスカッションでは
IT事情の違いを感じつつも
あまり積極的に討論に参加できなかったり

スーパーよさこいを踊ったり。

人脈とか
国際交流とか
IT技術関連情報の交換とか
そいうものを超えて

心が通じた瞬間を感じとった。

はたちのときに付き合っていた、
インド人のカレシと同じ雰囲気を感じた。
アジア特有の温かさ。

別れの寂しさではなく
自分が何物にも換え難いものを手に入れて
泣きそうになった。

全てが
ひととひととのつながりから生まれる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男冥利

2005-12-16 01:15:19 | 比律賓
会社の忘年会。
蟹があたしを見つめてる。

若い男席には座れず、
はずれ席かと思いきや。

前に座ってたおっさんは52歳。
手持ちの情報によると
奥さんがフィリピンのひとだということのみ。

言葉は悪いが
フィリピンバーか
現地妻だろうと思ったものの
出会いを聞いてみた。

出会いは3年前。
おっさんは49歳、
フィリピンは
仕事でちょこちょこ訪れていた。

クラブで別嬪さんの彼女を見つけナンパ。
彼女は当時若干20歳。

3年間の遠恋を経て、ゴールイン。

フィリピンに建設中の豪邸は
1500万。

3階建て、
プール付き、
メイド部屋あり。

嫁はフィリピンで家族と暮らしてる。

豪邸は来年の3月に完成、
そのとき仕事を辞め
フィリピンへ。

遊んでも暮らしていける貯金と
フィリピンで投資してる事業。

おっさんは口数少なく
あたしの力量では
彼の魅力を最大限には引き出せなかったけれど

おっさんが自分の人生を充分に満喫し
しっかり遊んで
最後に運命のひとを
掴まえたということはわかった。

遊んでいた割に
誠実な雰囲気を
あたしは感じとった。

おっさんの顔は満足していた。

コミュニケーションは
少しのタガログ語と
少しの英語と
少しの日本語。

意思疎通できてるのだろうか。

嫁さんは
30歳も年下で
結婚はお金目当てかもしれないけれど
きっとそんなことは
おっさんにとってはどうでもいいことなんだろう。

おっさんは幸せそうだった。

メイドにしてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つながる瞬間

2005-12-03 01:17:17 | 比律賓
ダイアルトーンが鳴る。
電話がつながった。

声が聞こえた。
フィリピンにいるエンジニアと
つながった。

つながらなかったものが
つながったことで
日本と
フィリピンで
それぞれ
お互いに
奇声を上げた。

こころ
もつながった。

叫びたいほど
今の仕事はおもしろい。

それが嬉しくて
それが誇りで
それが幸せで
少し泣いた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピンの香り

2005-10-16 07:51:04 | 比律賓
ということで
来日中のフィリピーノ、Cと
品川で待ち合わせする。

会社を出る直前に
たまたま電話がかかってきた相方を
飲みに誘うとあっさり参加することになった。

品川駅の雑踏で
写真も見たことがない、
短期の滞在で携帯を持ってない、
Cとの待ち合わせは不可能に思えた。

声をかけてきたのは
日本人と見分けがつかない
かっこいい彫りの深い男、
それがCだった。

背伸びして
おいしい日本食を食べさせてあげるより
日本のサラリーマンの実態を見せたくて
(今月はあまりお金がないので)
赤い看板系の居酒屋に連れてった。

Cはよく喋る男で、
かなりスマートだ。
眼光、鋭い。

話は
仕事
家族
政治
経済
文化
宗教
結婚
セックス
まで及んだ。

祖母を中国人にもつ、クウォーターだから
日本人と見分けがつかない
雰囲気を持っていたこともわかった。

32歳、独身。
5人兄弟の真ん中で
3人の姉妹はアメリカで病院関係に従事。

エンジニアとして
様々な国に出張しているようで。

あたしが一番聞きたかったことは
日本の戦争責任について
フィリピン側からはどう見えるのかということ。

彼はあくまでも自分の意見ということを断った上で
戦争は過去のことであり
関心があるのは未来のことである、

またスペインとアメリカの植民地期間が圧倒的で
日本に占領された数年の影響はあまり感じないということ、

アメリカの政治や経済に与える影響は
大きすぎるとのこと、
Westernizeされすぎることに
ものすごく嫌悪感を持ってること、
などを話してくれた。

セックスの低年齢化は日本と同じで
婚害交渉をする男の割合は地域によって異なるとのこと。

彼が来日したのは
日本のプロジェクトに参加するためであり

なぜ、わざわざ飛行機代と3ヶ月分の滞在費をかけて
Cを日本に出張させたのかを聞くと

わざわざ飛行機代と滞在費をかけてでも
労働力が安いから、という答えだった。

日本の大卒の初任給が
フィリピンの部長レベルの給料に匹敵する。

今回の飲み会のお金を
あたしが払うことは容易なことで
でも払ってあげることは
日本とフィリピンの人件費の差を認めることになり
Cのプライドを傷つけることになるのでは、と
考えあぐねていたが、考えすぎだった。

終電まで時間はあっという間にすぎ、

Cの頭のキレは魅力的で
彼と仕事できたことは
あたしにとって本当にいい出会いであり、
ずっとつながってたいひとだと思った。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フィリピン」の綴り

2005-03-06 02:13:46 | 比律賓
2005年3月5日。
長かった闘いが終わった。

始まりはたしか、去年の10月ごろだった。
相手はフィリピーノ(32)、
妻と男のこ2人が家族。

声は優しくて
日本人好みの英語をつぶやく。

メールをしても
メールをしても
メールをしても
メールをしても
メールをしても
レスポンス悪。

思い切って電話してみれば
申し訳なさそに
いつも「忙しい」という言い訳。

なんとか発注にこぎつけたものの、
今度は機器が間に合わないと報告。
工事はあっさり2ヶ月延期。

会議での進捗報告は
いつもあたしが血祭り。
余裕だったはずの機器の納期もぱんぱん。

他の部署まで巻きこんで
気がつけばやはり納期が間に合わず。

上司の攻撃に耐えられなくなって
やつあたりすると
「なぁに、代替機があるから、そんなに心配しないで」と返信。

とんとん拍子に
通話試験もなんとか期日に完了。

そして、今日。
あれだけ気を揉まされた機器が到着も
今度はそれがネックに。
待たされた上に待たされる。

まさに、その瞬間はあっけなく。

長かった闘いは終わった。
いつしか闘いは同盟に変っていた。

電話すると
あたしが名乗る前に
あたしの声を聞き分けてくれる、
同士への感謝。

そしてこころに刻まれたのは
「フィリピン」の綴りと
国番号「63」。

終わってみれば、
いっしょに仕事できてよかった、
てのが素直な感想。

ニュージーランドの次に
愛しい国、
Philippines。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする