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EU改革案に反対と決まる

2015年07月05日 | eつれづれ
欧州大陸の周縁で起きている4つの大きな危機が現在、欧州連合(EU)を飲み込む恐れがある。戦後に始まった「1つの欧州」を目指すプロジェクトは、数十年前に後戻りするかもしれない。
EUの結束と国際的な立場は、ギリシャの債務危機、ウクライナ紛争でのロシアの役割、英国のEUとの関係見直し、地中海の移民問題によって危機にさらされている。
これら4つの問題の1つでも適切に対応できなければ、他の問題の悪化を招き、EUが直面する危機は増幅されることになるだろう。
ギリシャのデフォルト(債務不履行)と「グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)」は、EUが「史上最も統一された」共同体であるという長年のイメージを揺るがしかねない喫緊の課題だ。
ブリュッセルのシンクタンク、欧州政策センター(EPC)のファビアン・ズレーグ氏とジャニス・エマヌイリディス氏は「グレグジットの長期的な結果は、欧州のプロジェクト全体に影響を及ぼす。それは前例となり、EUの存在意義を一段と損なうことになるだろう」と指摘した。
ギリシャはユーロ圏域内総生産とEUの人口のそれぞれ2%を占めるにすぎないが、ユーロ圏諸国は同国にこれまで約2000億ユーロを支援しており、破綻すればEUにとって大打撃となる。
ギリシャの運命はいまなお不明だが、すでに明らかなのは、ユーロ創設者たちがユーロの結束は壊れないと宣言したとき、彼らはだまされていたということだ。
そして今、他のユーロ加盟国はギリシャを締め出し、結束を強めるべく、通貨統合における設計上の初期欠陥の一部を修正するなど直ちに措置を講じようとするかもしれない。
だが、次にリセッション(景気後退)もしくはソブリン債利回りの急上昇が起きれば、ユーロ圏は震撼し、市場はギリシャという前例を思い出すことになるだろう。
<不安定化>
ギリシャの経済崩壊は、それによってもたらされる困難と欧州の納税者が失った大金はさておき、欧州の他の3つの危機すべてを悪化させ、不安定なバルカン半島諸国をさらに不安定化させる恐れがある。
シリア内戦、イスラエル・パレスチナ問題、キプロスの南北分断などにより、地中海東部ではすでに緊張が高まっているなか、ギリシャはロシアに助けを求めるかもしれない。それと引き換えにEUの対ロ制裁の延長にギリシャは反対、もしくは海軍施設の利用を許可する可能性すらある。
ギリシャはドイツやスウェーデンへと向かう最も安全なルートを求めてシリアやイラクから自国に流入する難民にすでに苦慮している。
「ボートピープル」の問題をめぐってはEU内で対立が起きている。イタリアなど難民流入の矢面に立つ他の国々は、資金提供や難民割り当てを拒否して連帯感が欠如しているとして、北部や東部のEU加盟諸国を非難。英国は難民1人の受け入れも拒否している。
5年に及ぶ協議の末にギリシャ危機の解決に失敗することは、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席ら権力拡大を狙う指導者の目にEUは弱く、分裂しているように映るだろう。
当局者らは、ユーロ圏の危機が一部の政策決定において再国有化をもたらし、ルールに基づいた超国家的ガバナンスという欧州モデルの「ソフトパワー」を弱体化させることを認識している。
しかしこの先、さらに悪い事態が待ち受けている。
英国のEU離脱をめぐる問題は、域内で2番目に大きな経済国であり、主要な金融センターを有する英国をEUが失うリスクを高めている。
複数の英世論調査でEU残留派が10ポイント程度リードしているにもかかわらず、EU当局者たちは不安を拭い切れないでいる。5月の英総選挙の結果は事前の世論調査とは見事に異なり、与党保守党が単独過半数で勝利を収めたものの、キャメロン首相は保守党内のEU懐疑派に足元をすくわれる恐れもある。
ユーロ圏の内側であろうと外側であろうと、社会不安と政治的大混乱を伴う長期的なギリシャ経済の破綻は、英国経済が「死に体」だと主張する人たちを勢いづかせることになるかもしれない。
ロシアが冷戦時代の敵意をいまだ英国に向け続け、英国を米国の最も忠実な同盟国とみなしていることを考えると、プーチン大統領は英国のEU離脱の可能性を歓迎するだろう。
そうなれば、ウクライナとジョージアに対するロシアの行動に対して強固な対応を求めるEU内の勢力を弱らせることになる。また、プーチン大統領はウクライナ問題で、ドイツのメルケル首相と交渉するうえで有利な立場に立つこともできるだろう。
欧州改革センターのレム・コルテベーク氏は、EUの連動する4つの危機を、新約聖書のヨハネの黙示録に出てくる4騎士に例え、「EUの指導者たちはこれら4人の騎士を手なずけるのに苦労するだろう。答えが見いだせなければ、騎士たちはEU内で混沌と不安と非難の応酬を駆り立て続けるだろう」と指摘している。


理解しがたい貸した方が悪いとは盗人猛々しいギリシャの国民性、主立った技術産業も無し、昔の神殿イメージだけの観光立国なのか。EUも今まで救済のため散々ドブに捨ててきたお金、戻るアテは1000%無いだろう。

紀元前2600年~1200年ごろにかけて、トロイの木馬の伝説で知られるトロイア文明(小アジア)、ミノタウロスの伝説と線文字Aで知られるクレタ文明(ミノス文明、ミノア文明とも)、線文字Bで知られるミケーネ文明(ペロポネソス)の三大古代文明が栄える。
紀元前1000年頃から、ポリス(都市国家)が割拠し対立しつつも、言語・宗教・文化を共有する古代ギリシア世界を形成。高度な文学・神話・学問・芸術・スポーツを発達させ、今日のヨーロッパ文化の礎を築く。紀元前5世紀にはアテナイ(アテネ)を中心に最盛期を迎えるが、スパルタやテーバイ(テーベ)の台頭による抗争で徐々に力を失っていく。
紀元前4世紀には北方のマケドニア王国が全ギリシアを平定し、アレクサンドロス大王が三大陸にまたがる大帝国を建設する。大王の急死後帝国は分裂するが、東西の融合によるヘレニズム文化を生む。一方、イタリアに興った共和政ローマは地中海世界を席巻し、紀元前2世紀にギリシアを征服。しかしギリシアの高度な文化は失われるどころか逆にローマ人を魅了した。西ローマ帝国滅亡後、東ローマ帝国は古代ローマの継承者を自任するが、7世紀以降はギリシア化が進み、正教会とギリシア文化にアイデンティティを置くようになる。東ローマは13世紀初頭にいったん十字軍とベネチアに滅ぼされ、再建後もギリシアの主要地域は十字軍諸侯らに支配されたままとなる。15世紀にはオスマン帝国が東ローマや周辺諸侯を滅ぼし、ギリシアはイオニア諸島を除きイスラムの支配下となる。
18世紀末になるとフランス革命の波やナポレオンがヨーロッパを揺り動かし、一方オスマン帝国の国力は凋落していく。ギリシアで1821年に蜂起が起こると、西欧の世論が味方につき、英仏露間の駆け引きの中で1830年にギリシア王国として独立を承認される。ここに近代ギリシア史が幕を開けるが、国外から迎えた王室のもとで政情は安定しなかった。複雑な民族問題と領土拡張主義もあって、19世紀末からの半世紀は、希土戦争、バルカン戦争、両大戦、さらに第二次大戦中のレジスタンスに端を発する内戦と、戦乱が相次いだ。
戦後は西側陣営に属し、1952年にNATO加盟。1968年に軍事政権が成立するが、1974年に崩壊。同時に王制も廃止され、民主化への道を歩む。1981年に欧州共同体(EC、現在のEU)加盟。2004年にはアテネでオリンピックを開催。これは、1896年に第1回近代オリンピックが同地で開催されて以来、実に108年ぶりとなった。2010年に巨額の財政赤字隠蔽が発覚しギリシアは深刻な経済危機に陥っている。