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電気柵で感電死亡か

2015年07月19日 | eつれづれ
動物よけ電気柵で7人感電=男性2人心肺停止-静岡
19日午後4時30分ごろ、静岡県西伊豆町一色の仁科川周辺で、動物よけの電気柵で人が感電したと消防に通報があった。大人5人と子ども2人が病院に搬送され、うち40代の男性2人が心肺停止状態となった。
消防によると、7人は家族連れで遊びに訪れていたとみられる。子ども2人は小学校低学年の男児で、1人が重傷、1人は軽傷。他に40代の女性2人と70代女性1人が搬送されたが、意識はあるという。
現場近くの住民によると付近にはイノシシやシカが多く、みかん畑や野菜畑などで電気柵を使う農家が多い。

フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)より
法規制[編集]日本では、電気設備の一種として、電気事業法関連の法令等により規制されている。電気設備に関する技術基準を定める省令では「電気さく」と表記し、「屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するもの」と定義されている(第74条)。
また、下記の場合に限り電気さくを施設することを認めている(同条)。
田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し感電又は火災のおそれがないように施設するとき。したがって、下記のようなものは、いずれも施設することを認められない不適切・違法な電気さくである。
①田畑・牧場等でない場所に施設したもの
②人間の侵入・脱出を防止するためのもの
③コンセントの100V電源をそのままつなぐなど感電・火災の危険がある構造のもの
事故[編集]2009年8月12日、不適切な電気さくを自作した農業者が感電死亡する事故が発生した。これを受け、経済産業省原子力安全・保安院では、パンフレットの作成や、農林水産省に対する農業者への周知依頼、技術基準解釈の改正(適切な電源装置や漏電遮断器の使用等を明記)などの対策を行っている。

平成21年に淡路島で、電気柵に感電した男性が死亡する、という痛ましい事故がありました。これは一部で「電気柵による死亡事故」とショッキングな見出しで報道されましたのでご記憶の方も多いでしょう。しかし、この事故をよくよく検証してみると、電牧器を使わないで100V電源から直接ワイヤーに電気を流すというよっておこったものだとわかりました。上述したとおり、いわゆる「電気柵」には、安全性を加味した厳格な規定があります。それは、かなり専門的な範囲であり、特に必須の電牧器は一般に自作できるようなものではありません。つまり、淡路の事故は、単に素人判断で電気を流した柵によって起こった事故であり、電気柵の概念の普及の遅れがまねいた悲劇だったのです。
 この悲劇の背景には1おそらく「1万ボルトの電気さくが安全なのだから100Vは危険でない」という誤解があったと思われます。先述した電気柵の厳しい基準では、バッテリーを電源とする電牧器か、本体またはアダプターにPSEマークのある電牧器を使用しなければならず、後者の場合には漏電遮断機の設置も義務付けられています。(この場合の「漏電」は一般的な用語の漏電であり、電気さくに草などが触れた場合の漏電とは異なります)
 そして電牧器は微量な電流を高圧で、パルス電流として流すものですから、100V直結の電気柵とは全く異なるものです。これは、時速100キロのピンポン球が身体に当たったのと時速20キロのトラックにはねられた違いに相当します。
●続報
「助けて」「早く電源を切れよ」―。3連休のまっただ中の19日午後、川遊びで楽しい時を過ごすはずだった2組の親子連れを襲った悲惨な感電事故。普段は静かな西伊豆町一色の集落に、悲鳴と叫び声が響き渡った。助けを求める声を聞いて救助に駆けつけた男性(51)は「意識のない男性を運ぼうと川に入ったら自分もビリッときて驚いた。とにかく早く電源を切るよう叫んだ」と興奮した様子で話した。
近くに住む30代の男性は「救急車が何往復もしていて『何だろう』と思って行ってみたら、うつぶせに倒れた男性や泣いている子どもがいた」と、事故直後の様子を語った。
地元住民によると、事故現場周辺は特にイノシシやシカによる被害がひどく、農作物を育てる多くの住民が電気柵を使用しているという。様子を見に来た農業の男性(62)は「普通に触ったくらいだと大丈夫だが、川の付近など水から感電する可能性がある場所で使うなら注意が必要だ」と指摘。地元区長の男性(69)は「普通昼間は通電しないものなのに、なぜ電源を入れていたのか。こんな大事故になるとは」と驚いた様子だった。
◇遺族「強い憤り」
西伊豆町で発生した感電事故で、死亡した川崎市の男性(42)が搬送されたとみられる町内の病院には19日午後10時40分ごろ、遺族4人が乗用車で到着した。
病院関係者から話を聞き終えた父親(82)は「事故に強い憤りを感じている。川遊びで感電した子どもを助けようとして、自分も感電したと聞いた」と険しい表情を浮かべた。

痛ましい感電死亡なら施主の素人モグリ施工なのか...続報を待とう。