eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

比率差動継電器RDf(87)動作電流試験

2022年01月31日 | eつれづれ

一次側に電流を流す(RPRなので抑制コイルは無し)。動作電流値試験をやってみる。
メーターMAXは1Aに切替。

試験器は(株)双興電機製作所OCR-40LTRV。

この時のテスター電流値。

逆電力継電器(RPR)電流タップは10%。
計算上は先のエクセルで0.5A。

次の試験は動作時間特性試験(試験電流を一旦バイパスしカウンターオン)準備出来たらスタート継電器動作にて時間を読む。
最後に比率差動特性試験を行って終了となる。
(一次側抑制コイルと二次側抑制コイルに電流を流して比率差動特性グラフを作る。
タップ5基準より個々の電流タップにて数点計る。




更に続くRDf差動電流の確認

2022年01月31日 | eつれづれ

負荷電流2Aからスタート数値。
これってCT二次側に流れる電流に対して%切替タップ位置で計算、比較している事の様だ。
一次側のCT電流は△◯/5であればCT比で100、500Aとか幾らでも良い。

横軸の負荷電流が10Aの時、10%タップで動作するには、差電流は1A以上あれば良いことを示している。



タップ10%の計算では0.5Aで継電器動作は0.427Aで動作。


UPしたグラフ等は昔の技術誌を参考にしたが、当時の誘導形比率差動継電器である。
現在のデジタルCPUを使った継電器でも基本は同じと思われる。
今回、検証している継電器は逆電力継電器(RPR)だが、動作は変わり無く何が問題あるのか詳細は判らない。

まだ比率差動継電器(87)の発電機バージョンだが、まだまだ検証はキリが無くある。
継電器を理解するまでには、時間がかかるが、まず変流器等を仮にではなくアルミ板に組込、実際に継電器動作接点で補助リレーをオンさせて...試験器電流は流しておいて時限を確認するのもよし。
コリャー1冊のパクリ技術検証本が出来る様だ。



試験器より電流を流してみる

2022年01月30日 | eつれづれ

仮に変流器1000/5Aにして電源電流800A、負荷電流850Aの時の電流比率は6となる。
試験器より一次側に電流を流した場合は30/5A変流器で8A-8.5A流して試験、確認を行う。
モタモタしていると、これでも試験器が発熱してくる。

エクセルに比率差動継電器(87)の動作判定を追加。
誤差の種類は色々あるが、ここでは変流器CT誤差だけの10%とした。



後は試験器2台で差動電流を流す

2022年01月30日 | eつれづれ

左は先に比率差動継電器(87)で検証した三菱電機の過電流継電器。
中がオムロンの逆電力継電器(RPR)。
奥が変流器30/5Aが2個。

逆電力継電器(RPR)の電源はDC24V.P1.P3-P2間にPTの100Vが入る。(ここではコンセント100V)にて代用。
試験ボタンで検出ランプ点灯したので継電器は異常なし。
タップは電力設定%となっており逆電力%で決める。

役者は揃ったので後はOC試験器を2台用意して差動継電器と同じ事をやってみる。


比率差動継電器(87)の由縁

2022年01月30日 | eつれづれ

差動継電器と比率差動継電器の違いはネットを見ると下記の様だ。
① 差動継電器は電流の電源-負荷の差だけで検出しているが、発電機が内部で事故を生じていけば、差電流が流れOCが動作する。
差動継電器の原理より正常時は差電流が0と言うのが理想的ですが、現実には変流器CTの特性差が存在し、正常時でも差電流が流れ誤作動を生じる恐れがある。
比率差動継電器は、これを防ぐ目的です。
② 誤作動を防ぐ方策は。
変流器CTの特性差による誤差は主回路電流が小さければ小さいし、大きくなれば大きくなる事は直感でわかる。
と言うことは差動継電器では、ある設定値(感度)にしておくと、外部事故で大電流が流れた時、この設定値を超え発電機内の事故でも無いのにかかわらず動作し遮断する事になる。

 事故だから遮断しても良いと思うが、この継電器の保護範囲は電源側変流器と負荷側変流器
に挟まれた区間のみです。(間に発電機が入る)
この範囲外の事故で動作するのは誤作動となります。
と言う事で逆に設定値を大きくしてしまうと発電機内部の小さな事故では動作しない事になります。(不動作)
④ 以上により設定値(感度)を主回路電流の大きさに従って変えれば良いことになる。
主回路電流と差電流を一定の比率に従って動作させる差電流継電器を比率差動継電器(87)と言う。
⑤ 比率の定義は2種類あり主回路電流には流入電流と流出電流があるが、どちらの電流を採用するのかはメーカーも様々あり、日立は比率定義を(流入電流)-(流出電流)/(流出電流)×(100%)を採用している。
今までは変流器おなじで良い発電機回路の説明だったが、変圧器回路は一次、二次の変流器比が違うので、変流器に合わせる整定計算が必要となる。

エクセル入力では、どちらでも良いが比率定義は流出電流を基準とする。
これで特高変電所、発電機回路に付いている比率差動継電器(87G/T)の原理がわかった。
尚、現実の三相回路の変流器回路はスター、デルタ結線を採用し継電器は単相用なのでR.S.T相に個々に設置なる。
我々が保安管理している事業所は特高変電所管理など出来ないが、コアの部分を有るものを使い試験、実験していくと理論を実感出来る。
過電流継電器は差動継電器と同じ機能は先に検証確認したが、今度は逆電力継電器(RPR)も単相入力(OCRは電流タップだがRPRは電力%タップ)なので差動電流を流して確認して見る。
キリがなく検証テーマが出てくる様だが、ここまでヤルのか的、一銭にもならないボケ防止の趣味。