心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
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求めて~ by 沙於里

自分は自分の

2012-02-20 | 書の話

                  (半紙)

 

 

 

今日は母の書をば。

裴迪(はいてき)の詩。「鹿柴」(ろくさい)

               

 日夕見寒山  日夕 寒山を見ては   日が暮れて寂しい山を見つけると
 便為独往客  便ち独往の客と為る   たまらず一人で山中へ分け入った
 不知松林事  知らず 松林の事    松林の奥には何があるのか
 但有麏鹿跡  但だ麏鹿の跡有るのみ   あるのはただ、鹿の残した足跡だけ

 

 

やっぱり母の師、中平南谿先生 の気配を感じるのでして。

 

母の書は、意外と潔くて、率直でさわやかな印象です。

「書は人なり」とはよく聞きますが、母は本来、そういう人なのだと思います

 

私は母の書に憧れつつ、でも母とはまた別の書に出会い、求めてきましたが、

結局行き着くところは、自分自身なのかな、と。

 

それはたぶん母も同じで、全く違う世界の書を、横目で見ているうちに

好みや興味も広がる部分もあったようですが、やっぱり自分は自分でしかない。

 

母は母の、母らしい世界を、私は私の、私らしい世界を

それぞれに信じて信じて、とことん自分と向き合っていけたら

まだまだ知らない自分に出会えるんじゃないかな、という期待も少々。

 

かく言う私は、いい年こいて、自信もなければ、迷い焦ってばかりでしたが、

ようやく、迷路を抜け出す扉を見つけられたような気がしています。

 

 

この1ヶ月、3月に 京都で二人展 をさせて頂くにあたり、

展覧会の作品について、私にとっては、禅問答のような命題をいくつか頂いて、

そのたびに、自分の中で混乱しては振り出しに戻り・・を繰り返し。

そのお蔭で、ふっきれたものもあり、気づいたものもあり

 

よい展覧会になるよう・・感謝を込めて。。

 

 

 

コメント (4)
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