心の免疫力~書とことばから

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求めて~ by 沙於里

中平南谿先生の書

2010-12-27 | 書の話
                            「梨花雪飛」 (半切) 
       
先日、拙ブログへお越し下さったNさんより、
中平南谿先生 の書をお持ちとのことでご連絡を頂き 

『作品の構成にも拘りがなく、自由奔放に、その時の自分の感情を一気に
書き込んだように感じ取れます。
線質も変化に富んで、何度観ても心を動かされる作品です。』と。

母の師であられた中平先生は、1903年生まれ。松本芳翠に師事。
日展参与、書海社常務理事も務められたお方。2001年逝去。

私も数回お目にかかったことがあるけれど、
もの静かで、明治生まれの気骨を感じる方でした。

で、この作品について、先日、日本書道学院展にお邪魔した折、
同じく門下であられた石川芳雲先生にも印象を伺ってみました 

う~ん、これはまさしく中平先生の作品だけど、いつになく豪快。
おそらく書海社の新年会の席か何かで、お年玉として揮毫されたものでは?と。
つまり、即興的で気負いのない作品、と。

母曰く、中平先生の作品は、ふわっとした何ともいえない温かく超然とした世界を
感じるものばかりだったけれど・・と、意外な印象だったよう 

昭和51年と書かれているので、先生、76歳の作品。
改めて拝見しながら、奔放さはそのままに、更に躍動感があり、生き生きとした
まさに「生きている書」だなぁと 

私もいつかそんな「生きている書」が書けたらなぁ・・と、心に響くものを頂きました。
画像の使用もお許し下さったNさん、ありがとうございました 

あ、そうそう、石川先生からこんなお話も。
南谿先生の「谿」の文字、この当時は下が揃っているけれど、
その後「谷」が右下がりにされるようになったそうです。
なので、署名によって、書かれた年代がわかるとのことでした。

蘭秀会展での中平先生の作品はこちら↓


 




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4 コメント

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Unknown (大福うさぎ)
2010-12-27 21:04:15

・・しばし見とれておりました
素敵な書ですね~~~~~!なんとも素敵で、この大きさでこの印象だから実物はどんなだろ~って思いましたよ。
作品から受ける空気感が清々しくて大好きです。あ~こんな書が書けたら良いだろうな~と心から思いました。
めったに無い感動ですよ!有難うございました
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大福うさぎさん (沙於里)
2010-12-30 22:56:07
母や石川先生には、少し荒々しさを感じたようですが、奔放さは中平先生らしい作品とのことでした。
興じて書かれたこの作品からは、生きてる悦びのようなものを感じます。

私のコメントの誤字を直すつもりが、間違って削除してしまったので、改めまして

返信する
大福うさぎさん (masao)
2011-01-08 22:56:07
上記作品に心当たりがあるNです。

そんなに感動してくれた大福うさぎさんに申し訳なく思っています。関係の無い私が持っているのが不自然に思えて~
将来は誰かの手に渡っているかもしれません。(笑)

この写真からは私はあんまり感じるものはありませんが、実物は全く違います。
色々な他の人の半切の作品も持っていますが、この作品は半切とは思えない迫力があり圧倒されます。立体的な変化のある豊かな線で、いろいろな面で考えさせられる作品だと思います。

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お知らせ下さり有難うございます! (大福うさぎ)
2011-01-09 22:13:56
先ほど拙ブログで沙於里さんよりNさんからうさぎにコメントが届いていると聞きこちらに書かせていただいています。

>実物は全く違います。
そうですか~。
うさぎはココにお邪魔する度この書の前で何度立ち尽くすことか、平面には決して思えない正に立体を感じる書で、色々言葉を尽くさなくてもうさぎの望むところが全て有るように思うのです。早々無いことですが、拝見出来て良かったと心から思える書ですよ
自分の書に迷う時こちらを拝見すると自然に教えられる気がしています。感謝です
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