心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

偶然は永遠に続くもの

2008-05-09 | つれづれ
                  蘇轍(そてつ)の句  (半紙1/2)




鳥語林巒静 ちょうごりんらんしずかに
花明澗谷幽 かめいかんこくゆうなり

小鳥のさえずる声が山中の静寂を破り、花が咲いて幽谷を明るくしている の意。

これを書いて、ふとそういえば・・と思って、
画家ジョルジュ・ブラックの手帖という本を探してみた。

確か'98年に渋谷のBunkamuraであった、日本での本格的な回顧展は初めてだった
「ジョルジュ・ブラック回顧展」に行ったあとに買った本。

彼は1955年頃から、ピカソの影響も受けて、鳥の作品 もたくさん描いていて、
好きな作家のひとり。


 ←1958年76歳の時の「鳥」


まだ本棚は整理の途中なので、見つからなかったけれど、ブラックのことばに
こんなのがあったと記憶している。


 わたしたちに存在の秘密を明かしてくれるもの、それは偶然である。

 結論を下すのはやめよう。現在が、偶然が、私たちを解き放たんとしている。

 私はこれまで一度も始まりと終わりを区別し得たことがない。

なんか、すごく共感する 


「小鳥のさえずる声が山中の静寂を破り、花が咲いて幽谷を明るくしている。」

鳥は偶然そこでさえずり、偶然花が咲き、谷を照らしている・・と、
そしてそこには始まりも終わりも、境目もなく、偶然は永遠に続くんだと
ブラックと同じように、中国の蘇轍も感じたのかな・・と思った 

中国の蘇轍の詩を読んでブラックを思い出し、忘れていた心に響いたことばを
思い出したという偶然が、改めて今、わたしに勇気を与えてくれた。


コメント (4)
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