サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

いつからだろう

2016年08月23日 21時35分18秒 | サキさんとの記憶
いつからだろう?
サキさんと手をつないで歩くようになったのは
いつからだろう?

初めは、いつもサキさんが少し後ろを歩いていた
横になって歩くのだが、すぐサキさんを少し置き去りにしてしまっていた。

サキさんが認知症になった
まだ、手はつないでいない。ゆっくり並んで歩くようには注意していた。

二人で散歩をするようになった
近くを流れる鳥羽川の土手をのんびり歩いた。
まだまだ、手はつないでいなかったな。

サキさんがつまづくようになった。
歩道と車道の境界の縁石で、転んだことがある。サキさん、ひざを擦りむいた。

この後からかな、サキさんと手をつないで歩くようになったのは。
最初はとても恥ずかしかった
家を出てから、しばらくは手をつながない。
家から少し離れて、ご近所の目が無くなったあたりで、手をつなぐ

近所のスーパーでの買い物の最中は、手をつながなかった。やはり、ご近所の目を気にしていた。
でも、スーパーで、サキさんをほっておくと、他の人にぶつかったり、通路をふさいでしまったりで、サキさんを誘導するために、スーパーでも手をつなぐようになった。ご近所の目より、サキさんが他のお客さんの迷惑にならない様に必死だった。

すると次第に、ご近所の目は気にならなくなっていた。
散歩のときも、家を出た瞬間から、手をつないで歩きだす。ご近所さんも
仲がいいね、うらやましいね
と声を掛けてくれる。照れくささも無くなっていた。
そうなの、仲良しなの
サキさんが嬉しそうに答えていた

周りを気にせず、手をつないで歩けるようになるまで、4・5年かかっただろうか。
サキさんの病気や、認知症の事も少しだけ理解ができた気がした。
他人の意見や、忠告も、素直に聞けるようになっていました。

初めから、手をつないで歩けるような本当に優しいお父さんだったら、もう少し、サキさんの病気の進行を抑えられていたのかな。