サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

30年前のイラスト

2021年06月27日 22時30分47秒 | 私の日記
 今年も、もうすぐ半分が終わろうとしている。という事は、仕事を辞めてブラブラしだしてからも半年たったという訳だ。早いものだ。サキさんの面会も5月1日だったから、もうすぐ2ヶ月になろうとしている。コロナが早く落ち着いてくれない事には面会もままならない。早く何とかならないかな、などと思いつつ今日も一日ダラダラと過ぎていく。

 以前、部屋の片付けをしていた時に、こんなのが出てきました。

自転車に乗っているのがサキさん。そして右上が私。30年以上前に、サキさんが描いたイラストです。
 サキさんと私の勤めていた学習塾の新聞(お知らせように毎月発行していたもの)に、サキさんと私の結婚を知らせる記事が載った時のものです。懐かしいな~~。出会った時のサキさんは長い髪をしていました。このイラストのイメージのままの明るく元気な女性でした。右上の私のイラストは全く似ていません。メガネもかけていませんし、刈り上げでもありませんでした。でも、こんな「とっちゃん坊や」のイメージだったのでしょうか?

 サキさんは、2回目のワクチン接種も終わったみたいです。(こういうことは、なかなか教えてくれません。こちらが聞いて初めて説明してくれます。自発的に、施設での様子・状況をお知らせ下さることを望みます。今度の家族会で伝えよう)でも、私のところには、まだワクチン接種券は届いていません。私としては早めに接種したいのですが、あせってもどうしようもありません。一生懸命に頑張ってみえる自治体の皆さん、医療関係者の皆さん、ありがとうございます。もう少しの間、よろしくお願い致します。
 私はまだダラダラしていてもいいので大丈夫ですが、実際に働いてみえる方、働き盛りの方に早く接種の順番が回っていって欲しいと思っています。毎日、一生懸命に働いている皆さんが安心して働けるようになることを願っています。(失業中のおっさんが言うのも変ですが)

 ワクチン頼みというのも悲しいですが、もう少し辛抱しましょう。みんなでがんばりましょう。

大谷のマネして

2021年06月19日 23時12分45秒 | 私の日記
 今週もまた家に閉じこもっている。

 何をする訳でもない、何かをしなければならないという事もない。買い物とゴミ出し(火・金)以外は、決まった用事もない。ただ、時の流れを見守っているだけ。(昔、沢田研二の歌に「時の過行くままに」というのがあったが、そんなカッコいいものではない。ぼ~~っと時間を見送っているだけ)

 朝起きて、新聞のテレビ欄を見て、ザックリとその日の動きを決める。特にテレビ欄のNHK-BS1のところにある「大リーグ中継」の放送予定、出場選手をまず確認。エンゼルス、大谷出場予定・・・とあれば、その時間は何はさておき「大リーグ中継」を見るというスケジュールが、まず決まる。他の選手の時はそれほど優先されないが、大谷選手はやはり別だ。

大谷の フォームマネして ほうきふる
そんな川柳が頭に浮かぶ。

このほうきが、手にしっくりときて、適度に抵抗もあり部屋での素振りには最適です。

 ほうきでの素振りは、イヤな思い出もあります。その時は、野球のバットに見立てての素振りではなく、テニスのサーブのマネをしました。何も考えず思いっきりほうきを振りかぶり打ち込んだ瞬間
バリ~~ン
蛍光灯のカサに思いっきりあたり、蛍光灯がバラバラに。
 サキさんにこっぴどく怒られたのは言うまでもありません。それ以降、テニス、野球を見ながら、ほうき、はたき(これもテニスのサーブのマネに丁度いい)を持っただけで、サキさんの鋭い視線を感じるようになりました。少しでも動くと「お父さん、蛍光灯だけは割らんといてよ」

 大リーグ中継が終わると、相撲のある日は相撲を見て(午後1時からBSで始まる)、無い時は夜までぼ~~っと過ごします。昼寝をする機会も増えました。お昼ご飯を食べると、ただでさえ眠くなるし、何もやる事が無い時には「寝るしかない」様に感じられてしまいます。
 外に出ればいいんでしょうが、昼間からブラブラしているところをあまり近所の人に見られたくないという思いもあります。堂々と町内の皆さんと接すればよいのでしょうが、何となく近所の方の目を気にしてしまいます。

 このまま家に閉じこもっていると、ダメなんだろうとは思うのですが、なかなか意欲が湧いてきません。今さら自分に何が出来るんだろうかって思ってしまいます。


 どうせ、時間を持て余しているんだから、買った本くらいちゃんと読めばいいのに、なぜか読み進めることが出来ません。やっと、丹野さん、藤田さんのところまできました。
 当事者の方の文章を読むと、どうしてもサキさんのことが思いやられます。サキさんはどんな思いだったんだろう、と考えてみても、サキさんは家に一人でおきっぱなし。やっと私が家に帰った時、サキさんはその日の出来事をいっぱい私に話すけど、疲れた私はサキさんの話しに耳を貸さず、テレビとにらめっこ。これじゃ、どんどん不安になるし、不安定になって進行もしていったんだろうな。そして、少し進行すると、私が先回りしてすべてやってしまう。その方が早いから。その方が手っ取り早く、二度手間にならず。イライラもしなくて済むから。私が、そう介護者の私の都合で、だんだんと何もかも私が仕切るようになってしまった。

 どう考えても、サキさんの進行を速めたのは、私のせいだな。でも働いていて、他にサキさんといてくれる人がいなかったら、状況も分からないし、明日の仕事もあるし・・、やっぱり言い訳だけど、その時のサキさんはぱっと見、普通だったし。

 このあたりのことは、記憶も少しずつ曖昧になってきている。一度、ゆっくりと振り返ってみることにします。時間はいっぱいあるので。

久しぶり

2021年06月14日 18時10分01秒 | 私の日記
 昨日は久しぶりにお姉さんと出かけました。

 映画「いのちの停車場」を見て、そのあと昼食をご一緒してもらいました。本当に久しぶりの『一人きりじゃない』食事でした。

 映画「いのちの停車場」も、実は上映が始まってすぐに、一人で見に行っていました。でも、一人の味気なさと、映画の感想を自分の心に閉じ込めなければいけない寂しさがありましたので、出来ればもう一度、誰かと見たいと思っていました。お姉さんも見たいと言ってみえたのを思い出し、お誘いしました。

 1人は気楽でいいけど、やっぱり少し空しいものがあります。たった一人で他の誰とも関わらずに毎日を過ごすのは、はたして【人間として生きている】と言えるんだろうか? などと考えてしまいます。でもお国のお偉方のご通知もありますので気楽に外出も旅行もままなりません。久しぶりのお姉さんとの外出で、少しだけ心のモヤモヤも吹っ切れてきた気がします。

 映画の中での、松金よね子さんの演技姿を、何故かサキさんと置き換えてみてしまっていました。サキさんは家に戻りたいんだろうな。でも、私にはサキさんを看続ける自信も覚悟もないし。毎日毎日、何をするでもなく、ただ時間の流れを見届けているだけなのだから、少しは真剣にサキさんを家に迎える方法を考えればいいのに・・、それすらせず、誰にも相談もせず、ただじっとして、時だけが過ぎていく。

 家に閉じこもりじっとしていると、時々、本当に何をしていいのか、何がしたいのか、今なにをやらなければいけなかったのか、今なんでこのテレビを見ているのか、わからなくなることがよくある。行き場の無い不安に駆られることもある。本を読もうとしても続かない、集中できない。頭、心、意欲の低下を強く感じる。サキさんが、家でひとり留守番をしている時も、こんな感じだったのかな。そして少しずつ進行してしまったのかな?

 岐阜県の「まん延防止・・・」も、きっと20日で解除されるだろう。そしたら、思い切って外に出かけよう。サキさんの面会再開のめどはたっていないけど、再開したら真っ先に会いに行こう。ワクチンを打って(いつになるやら)面会が自由にできるようになったら、サキさんとこに面会しまくろう。

 それにしても、昨日の人出は多かったな。昼食も車がいっぱいで当初の予定とは別のところになってしまったし。いい事なのか悪い事なのか、わからないけど一つだけ確実に言えることがある。
「第5波」は必ず来る。