サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

母ちゃん・・

2022年02月27日 21時56分56秒 | 私の日記
 今日も一日、何もせず自宅に引きこもっていました。テレビを見たり、マンガ(めぞん一刻)を見たり、途中、少しウトウトしたり。今日もまた一日ダラダラと過ごしてしまいました。

 ふとカレンダーに目をやると、今日は2月の27日。西尾の母ちゃんの命日だ。線香をあげる訳でもなく、お供え物をあげる訳でもなく、ただ母ちゃんの写真の前で「般若心経」をとぎれとぎれに棒読みしたぐらいだ。

 サキさんなら、きっと朝一ですべてやっていてくれただろうな。実際、母ちゃんが亡くなってからずっと、そうしてくれていた。


息子を連れて、初めて西尾へ帰った時の、サキさんと息子と母ちゃん。

 サキさんの右手と、息子と母ちゃんの左手が一か所に集まっている。何かいいな。

 2月も、もう明日で終る。今年も2ヶ月が過ぎ去ろうとしている。だけど、サキさんに会えたのは一度きりだ。1月9日に会ったきりだ。それも15分だけ。

 早く、サキさんに会えますように。母ちゃんもサキさんの事、見守っていてください。

会いたい

2022年02月21日 13時53分05秒 | 私の日記
 いつになったら、サキさんに会えるんだろう。

 すくなくとも、3月6日までは無理なんだろうな。仕方のない事とは思うけど・・・。

 先週の土曜日、右目の眼瞼下垂の手術が無事終わり退院しました。
 病院からの帰り、バスの時間が合わず(30分に1本しかない)、ぼーっと待ってるのも寒くて嫌だったので、家まで歩くことにしました。
 早田東町のバス停からしばらく歩くと「岐阜メモリアルセンター」という運動公園があります。いつもとは違うコースで、久しぶりにここを訪れました。息子の高校の時の陸上競技大会以来かな。サキさんとドラゴンズの試合があった時に見にきたこともあったかな。とにかく久しぶりです。




 この場所には、もう一つ思い出があります。

 1988年、この場所で「ぎふ中部未来博」が開催されました。当時、各地で盛んにおこなわれていた地方博覧会の一つです。
 サキさんと出会った年です。サキさんと二人、デートのような感じで出掛けました。そして、二人で手を繋いで歩いているところを、当時勤めていた学習塾の生徒に思いっきり見られてしまいました。
 それがもとで、みんなにサキさんと付き合っていることが知れ渡り、逆に開き直っていい感じでお付き合いできるようになりました。生徒に見られたことが、逆に良かったのかもしれません。

 そんなことを思い出しながら家まで歩き切りました。病院を出てからはちょうど1時間くらい。久しぶりの心地よい汗をかきました。

 最近、サキさんの事をよく思い出します。何度も夢も見ました(覚めるとすぐ忘れちゃうけれど)。以前より確実にサキさんの事を思っている時間は長いと思います。ひょっとすると、今が一番サキさんの事を好きなのかもしれません。出会った頃や、新婚の時よりも。

 会えないからなのか、私が家でぼーっと過ごしているせいなのか。

 「めぞん一刻」を読んでも、すぐにサキさんの事を思います。サキさんの事を思いながら「めぞん一刻」を読んでいます。年上で、髪が長くて、世話焼きで、やさしくて。

 サキさん、面会再開になったら、すぐに行くでね。待っとってね。


約束

2022年02月06日 14時50分52秒 | サキさんとの記憶
 金曜日に届いた「めぞん一刻」全15巻。その日の夕方から読み始め、昨夜、いや正確には今朝3時過ぎに読みきった。雪も降るといっていたので、一歩も外へ出ずに読んでいた。途中、高梨沙羅さんを祈るように応援した以外は、ずっと読み続けた。

 読み終えて、外を確認すると真っ白。深々と降り続く雪、10センチほど積もっていただろうか。カーポートの屋根の雪が気になったが、何も対策はせずそのまま就寝。朝、雪が気になったのか7時過ぎに起床。早く起きても特に何もすることはないのだけど・・・。雪はそこそこ積もっていた。


 朝食後、また「めぞん一刻」を読み返す。


 最後の14・15巻を何度も、何度も。

 その中に、こんなセリフがある。
「お願い・・・1日でいいから、あたしより長生きして・・・」

 サキさんにも同じことを言われた。
 結婚するときにサキさんとした3つの約束のうちの1つだ。

 私は約束を守れているのかな? 確かに私はまだ生きているけど、サキさんの中の私は、まだ生きているんだろうか? サキさんを一人置いてきぼりにして、どこかに逝ってしまったんではないんだろうか。

 もし、サキさんの中の私が消えてしまったとしても、確かめようは無いから、精一杯、自分なりに出来ることをしてあげよう。自由に面会に行けるようになったら、施設の皆さんにうっとうしがられるくらいいっぱい会いに行こう。サキさんに「誰や、このおっさんは」と思われてもいいから、一瞬でもサキさんに思い出してもらえるように、まだ生きてるって思ってもらえるように。

 早くサキさんに会いたい。
 ギュってしたい。
「ひとりじゃないよ」って伝えたい。