サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

2か月半ぶりに

2021年07月26日 17時28分38秒 | 今日のサキさん
 5月1日以来、2か月半ぶりのサキさんの面会に行ってきました。


 まだ全面的に面会解禁という訳ではなく、以前と同じようにひと月に2回程度、1回15分以内のアクリル板越しの面会です。直接サキさんに触れることは出来ず少しもどかしさはありますが、同じ空間に、1m先に確かにサキさんの息遣いを感じることが出来ます。

 コロナも再び増加の兆しをみせている(首都圏などは間違いなく第5波に突入)中で、面会の再開を決断してくださった施設の皆さん、ありがとうございました。

 久しぶりのサキさんは、やっぱり目を閉じたままでしたが、ときおり私たちの声かけに反応してくれるように眉を動かしてくれます。
「サキさん、元気にしとる? 手にシミが出来とるね」って言うと、「え~~、本当に?」という感じで腕をゆっくり動かしてくれました。今日は腕や指先を本当に良く動かしてくれました。週に2回のマッサージが効いているのでしょうか?


やせもせず、太りもせず、咳やうめき声もなく、穏やかに過ごせているようです。

「サキさん、BSで『大地の子』再放送でやっとるよ。大好きな上川隆也さんのでとるやつやよ。」
「サキさん、オリンピックも始まったよ。サキさんが元気やったら、お父さんテレビばっか見とるでサキさんに怒られっぱなしやね」
サキさんのはっきりした反応はもちろん無いけど、それでもサキさんに会えただけで今日は満足です。

 でも、サキさんに触れないのは、やっぱりもどかしい。
 サキさんとの間の1mが、とてつもなく長い距離に感じられました。

意欲が・・・

2021年07月15日 23時28分33秒 | 私の日記
 最近は、ずっと家にこもっている。買い物以外は滅多に出かけない。家で一人じっとしている。

 時間を全く気にしなくていい生活のはずなのに、やっぱり時間に追われて生活している。予定も何もないのに時計ばかり気にしている。12時だから何か食べなきゃ。夜6時になった、今日は何を食べようか。9時だ、パソコン付けてyou tube でも見ようか。11時だ、もう寝なきゃ。明日も特に何も予定はないのだけれど・・・。

 家にこもるようになって、いろんなものに対する意欲が薄れてきている。そして、どんどん世間との距離が生まれる。孤立感とまではいかないが、離れ小島に一人ポツンと置いてきぼりにされたような変な孤独感が襲ってくる。
 自分のやりたいことは何なのか、考える時間はいっぱいあるはずなのに、流されていく時間の中では、それを確保することが難しい。何か、その気にならないのだ。

 結局は、ただ自分が怠け者で、ダラダラの温室の暮らしから抜け出せないだけなのだろうけど。やっぱり人は誰かとしっかり関わる事で、自分の役割に気づき、意欲も生まれてくるものなのだろう。

 早くコロナが収まり、リアルに集まる「カフェ」や「つどい」が再開したら、そこでいろんな方と話し、関わり、自分の役割を確認してみたいと思います。18日には、「あすなろ絆会」が行われます。そこで久しぶりに皆さんにお会いして、今の自分の気持ちを吐き出したり、いろんな話を聞いて、自分のこれからを考えてみたいと思います。

 知らないうちに、また年を一つ重ねました。
何となく昔から誕生日になるとカレーが食べたくなる。今年もまた作ってしまった。しかも以前と同じように大量に。
 昨日は普通にカレーライス。今日は、ライスなしで、昼はナス、夜はブロッコリーを入れて食べました。



 今年で64歳になりました。その日は父親の命日でもあります。14歳の誕生日に亡くなったので、13日でちょうど50年になりました。享年54でした。父親より、もう10年も長生きしている。父親は、八百屋のおじさんとして近所の皆さんと関わり、お祭りの時などは、わたがしを作って子供たちに配っていました。しっかりと社会との関りを持ち、自分の役割を全うした人生だったのではないかと思います。

 私の役割は何なのでしょう。やっぱり、サキさんだな。サキさん抜きでは、私の人生は成り立たないもんな。