2年前のサキさんの入院はいわゆる
医療保護入院
でした。サキさん本人が入院を求めたわけでもなく、サキさんが入院に同意したわけでもなく、サキさんの扶養者である私の求めによって入院ということになったわけです。
サキさんは今まで通り、家で暮らしたかったはずです。
でも、私がもう耐えられないところまで来ていました。
寝不足、睡眠不足が一番つらいことでした。
数時間おきにトイレを訴えます。一人では行けなくなっていたので、ついていかなくてはいけません。7月ごろからはトイレに連れていくこと自体も大変な労力になっていました。車いす代わりに、ローラーの付いた椅子を使ったこともありました。(これは結構使えました)
そして、昼夜が逆転していたのかどうか、夜中に私に叫んできます。
「何で寝とるの?いつまで寝とるの。はよ起きて仕事に行かな!何でそんな人になっちゃったの。なんでそんなクズになっちゃったの」
布団を頭からかぶって聞こえないふりをしますが、そんなものでサキさんのしゃべりは止まりません。サキさんも昼間はデイサービスに言っているので夜は眠いはずなのに、一向にサキさんの勢いは衰えません。一時間ほどのサキさんの口撃が続き、一時間ほど静かになり、また、トイレの訴えから再び口撃が再開されます。
医師に睡眠薬も処方してもらいましたが、あまり聞かなかったみたいです。効きすぎるのも怖いので(また体の自由が奪われるので)弱めのものにしてもらっていたので、余計に効きが悪かったのかも知れません。
私の睡眠不足と、デイサービスでのサキさんの興奮状態と、家でのサキさんの荒れた様子で、サキさんの入院を知り合いに相談しました。サキさんの体、状態を案じて・・・というよりは、私の介護の限界、介護の一時避難的な要素の強い医療保護入院となりました。
完全に私の都合による入院です。
私が入院させない、という強い意志があればサキさんは入院しなくても済んだわけです。
そうしていれば、おむつや、常時車いすをすぐに使用することもなかったと思います。入院するまでは普通のパンツにパッドを入れただけでした。しかも20ccの一番少なめのやつ。それで十分だったのに。
病院では、介護まで手が回らないのかも知れませんが、紙おむつが常態化されました。病院側は、そのほうが楽ですもんね。ほっとけばいいんですもんね。50歳代で紙おむつにさせられたサキさん。悲しかっただろうね。入院の時、先生に言われた。
「それで、あなたは何を望んでるの。おとなしくなればいいんでしょう」
本当に何を望んで入院させたんでしょう。ただ、一度サキさんと離れてゆっくりしたかったのかもしれません。
つまり、私の保護のためのサキさんの入院だったのでしょう。
もっとほかの道はなかったのかな。ほかの方法はなかったのかな。やっぱり悔いが残ります。
入院するサキさんを残して病院を後にするときの変な罪悪感は、一生忘れないでしょう。
医療保護入院
でした。サキさん本人が入院を求めたわけでもなく、サキさんが入院に同意したわけでもなく、サキさんの扶養者である私の求めによって入院ということになったわけです。
サキさんは今まで通り、家で暮らしたかったはずです。
でも、私がもう耐えられないところまで来ていました。
寝不足、睡眠不足が一番つらいことでした。
数時間おきにトイレを訴えます。一人では行けなくなっていたので、ついていかなくてはいけません。7月ごろからはトイレに連れていくこと自体も大変な労力になっていました。車いす代わりに、ローラーの付いた椅子を使ったこともありました。(これは結構使えました)
そして、昼夜が逆転していたのかどうか、夜中に私に叫んできます。
「何で寝とるの?いつまで寝とるの。はよ起きて仕事に行かな!何でそんな人になっちゃったの。なんでそんなクズになっちゃったの」
布団を頭からかぶって聞こえないふりをしますが、そんなものでサキさんのしゃべりは止まりません。サキさんも昼間はデイサービスに言っているので夜は眠いはずなのに、一向にサキさんの勢いは衰えません。一時間ほどのサキさんの口撃が続き、一時間ほど静かになり、また、トイレの訴えから再び口撃が再開されます。
医師に睡眠薬も処方してもらいましたが、あまり聞かなかったみたいです。効きすぎるのも怖いので(また体の自由が奪われるので)弱めのものにしてもらっていたので、余計に効きが悪かったのかも知れません。
私の睡眠不足と、デイサービスでのサキさんの興奮状態と、家でのサキさんの荒れた様子で、サキさんの入院を知り合いに相談しました。サキさんの体、状態を案じて・・・というよりは、私の介護の限界、介護の一時避難的な要素の強い医療保護入院となりました。
完全に私の都合による入院です。
私が入院させない、という強い意志があればサキさんは入院しなくても済んだわけです。
そうしていれば、おむつや、常時車いすをすぐに使用することもなかったと思います。入院するまでは普通のパンツにパッドを入れただけでした。しかも20ccの一番少なめのやつ。それで十分だったのに。
病院では、介護まで手が回らないのかも知れませんが、紙おむつが常態化されました。病院側は、そのほうが楽ですもんね。ほっとけばいいんですもんね。50歳代で紙おむつにさせられたサキさん。悲しかっただろうね。入院の時、先生に言われた。
「それで、あなたは何を望んでるの。おとなしくなればいいんでしょう」
本当に何を望んで入院させたんでしょう。ただ、一度サキさんと離れてゆっくりしたかったのかもしれません。
つまり、私の保護のためのサキさんの入院だったのでしょう。
もっとほかの道はなかったのかな。ほかの方法はなかったのかな。やっぱり悔いが残ります。
入院するサキさんを残して病院を後にするときの変な罪悪感は、一生忘れないでしょう。