サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

食べる気なし?

2019年02月27日 22時04分51秒 | 今日のサキさん
ホールで車いすに座り、食事を待っているサキさん。

後ろから近づき、サキさんの顔をのぞきこむと、右目が涙でぬれていた。最近、こんなことが多いな。サキさんの、この涙の理由は何なんでしょう。サキさんの想いに寄り添いたいけど、なかなか。



久しぶりに、目を開いたサキさんの写真が撮れました。

今日のサキさんは、まったく食べる気がありません。ぜんぜん口をあけてくれません。ほとんど食べられないまま、時間だけが過ぎていきます。結局、1/3食べたかどうか。いや、もっと少ないかも。


普段のソフト食では、ほとんど完食近く食べているそうです。普通食の時は、やはり、戸惑いがあるのでしょうか。完全にソフト食に慣れきってしまったのでしょうか?でも、そんな感じじゃなく、固く唇を噛んでの「拒否」にちかい固くんじゃだったので、慣れだけでは無さそうな気もします。

もう少し、じっくり観察し、食べたくなるような声掛けを工夫して、少しでもたくさん食べてもらえるように頑張ってみます。



サキさん、昨日は、またサキさんの事をいろいろしゃべってゴメンね。「余計なこと言わんでいいの」って怒られるかもしれんね。今度の土曜日は、瑞浪でも話してくるでね。サキさんのいろんなことを話してくるけど、怒らんといてね。

揖斐川町でお話ししてきました

2019年02月26日 23時32分05秒 | 私の日記
今日は、仕事を早めに終えて(会社の皆さん、申しわけありませんでした)、岐阜県揖斐川町へ行ってきました。

平成30年度 揖斐川町施設職員連絡会の第4回研修会に、「認知症について学ぶ」というテーマで、お姉さんと私の二人で行き、お話しをさせてもらいました。

初めの5分間,お姉さんが「家族の会」について説明し、その後を受け私が、25分間(実際は少しオーバーの30分くらい)サキさんの発症から現在までの様子についてお話しさせてもらいました。その中、施設の方が対象だったので、
 ◎同性介護の問題
 ◎普通食を望んでいること、(実際はソフト食)
 ◎忙しそうに動き回っているスタッフさんに声をかけづらい事
等を中心に話をさせていただきました。

同性介護の問題等は、できるだけの対応をさせて頂いているという施設さんが多かったようです。100%出来なくても、利用者さんへの配慮、適切な声掛けをお願いしました。実際サキさんも。ギャーっと叫び声をあげる時(間違いなく嫌がっている)と、声には出さないけど思いっきり眉間にシワが寄っている時がある。その反面、とても穏やかな表情でオムツ交換を終わっている時もある。

同性が介助しても、いやな時は親なんだろうけど、異性ならなおさらです。

皆さん、施設に持ち帰っての対応を、さらに考えるとのことでした。

この日の参加者さんの感想が、しばらくしたら届くと思います。楽しみのような不安なような・・・。

多くの参加者の皆さんにとって、こんな私たちの声が更なる仕事への意欲、問題意識、利用者さんのご家族さんへの接し方の参考になれば幸いです。土曜日には瑞浪での講演も待っています。今度はお姉さんはいません。私一人の力で90分、何とか思いを伝えてこようと思います。今度は市民の皆さんが対象(実際には、依頼を受けて動員された専門職の方が多いのかも・・)なので、地域の皆さんとの関りに力を入れてお話ししてみたいと思います。

サキさんの想いを伝えてくるぞ

2019年02月24日 20時06分53秒 | 今日のサキさん
来週の土曜日、3月2日に、岐阜県内の東濃地方にある瑞浪市で講演をさせていただきます。


認知症の専門家でもなく、それを生業としているわけでもなく、介護家族として認知症について猛勉強をし、専門職顔負けの知識があるわけでもない。ただただ何の問題意識もなく、職人肌みたいに仕事に打ち込んだわけでもなく(3回も職を変えている)特に他人より優れている面があるわけでもなく、たまたま、家内であるサキさんが若年性の認知症になったというだけの者です。

そんな私だから、お話しできるのはサキさんの事だけです。サキさんの想い、そして、その時感じた私の思いを、正直にお伝えしたいと思います。

昨日のサキさんです。


お姉さんの介助だったので、私の時よりはちゃんと食べてくれてるようです。でも、食べたくない時やタイミングの合わない時は、ギュッと口を結んで断固として拒否します。しっかりと自分の意思を伝えています。

サキさん、お父さんの食事介助の時にも、しっかり食べてね。

たくさん食べてくれました

2019年02月20日 22時36分26秒 | 今日のサキさん
サキさん、目の周りに、やたらとカスなのか、目やになのか、それとも涙の痕なのか、汚れが目立つ。到着してすぐにサキさんの顔をウェットティッシュで拭いてあげます。目の周りを押さえたり、広げたりするので、サキさんはとてもいやそうな顔をします。

その後、施設さんの暖かいおしぼりで、もう一度、顔を拭いてサッパリしてから、夕食を待ちます。

その間、ずっと歯ぎしりを繰り返すサキさん。以前よりさらに、下の前歯が引っ込んでしまった気がします。下の糸切り歯は、元の位置にあるのですが、何となくイノシシの牙に見えなくもありません。

サキさん、そのうち、本当に牙にしか見えんくなっちゃうでね。

今日の夕食は、オムレツでした。卵の時は、割と食が進みます。そして、付け合わせのブロッコリー。聞き取りやすいのか、イメージしやすいのか、「ブロッコリーだよ」と言って、口もとにスプーンを近づけた時は、100%大きく口を開けてくれました。

大好きなかぼちゃもあったし、たくさん食べてくれたサキさんです。


でも、帰り際に写真を撮ると、やっぱり、こんな顔になってしまいます。最近、ずっとこんな顔です。


先週の土曜日も。

ほとんど、同じ表情です。

そういえば、昨日のNHKクローズアップ現代に、岐南町のOクリニックのO先生が出ていた。10年前にサキさんに「アルツハイマー病」と診断を下した先生だ。ちょっと懐かしい気持ちで、テレビを見ていました。

よくテレビに出る(出たがる)先生だな。今でも、待合室では、先生が出演されたTV番組が、エンドレスで流され続けているのかな? 私自身はそんなにイヤではなかったのだけど、サキさんが・・・。ただ、待ち時間が長いわりに、診察は1分程。
「どうですか?寒くなってきましたね。お変わりありませんか?じゃ、いつものお薬出しておきますね。お大事に」
もちろん、その頃の私は、薬をもらえれば、それで十分と思っていたので・・・、診察なしで薬がもらえれば、その時の私にはそれが一番よかったのですが。

少しだけ、10年前を思い出しました。 

ゼリー食はやっぱり完食

2019年02月11日 18時05分14秒 | 今日のサキさん
昨日の日曜日、少し早めの10時前にサキさんのところに到着しました。

サキさんは丁度オムツの交換の時間で、しばらく部屋の外で、お姉さんと待っていました。
10時、4時と、時間が決まっていたと思います。それ以外は、もし出ていても時間までは、そのままなんですよね。仕方ないですね。ベッドの上で寝たきりなので、誰かが部屋に入ってきて、よほど強烈な臭いでもしない限り、交換の時間までそのまま。

そして、サキさんの交換終了。部屋に入ると、それとわかる臭いが。声に出して訴えられる人はいいけど、サキさんは時折叫ぶだけだから、気付いてもらいにくい。たぶん、気持ち悪かっただろうな。


お姉さんの差し入れと、コンビニで買ったシュークリーム。口の開け方は小さかったけど、おいしそうに食べてくれました。

そこへ、施設の主任さんがやってきて、昨日からの要望(部屋での食事)についての説明を受けました。単純に、施設側の都合のような気もします(同じフロアにいてくれることで、他の利用者さんの動きを見守ってもらえている)が、例の利用者さんから逃げているような変な後ろめたさもあり、説明を受け入れました。食事の際の席の配置等、配慮させていただくと言う事でした。

でも、同じフロアだと、その利用者さんの声も、しっかり聞こえてしまう訳で・・・、聞こえないふりをして、完全に無視をするのも何か・・・、スタッフさんへの憎まれ口を聞き続けているのも、かなり疲れます。


昨日の昼食です。日曜日なのでゼリー食。全部、プリンの親戚のような感じ。それでもサキさん、微妙な違いが分かるのか、口を大きく開けるものと、少ししか開けなかったり、閉ざしたり、きちんと自分の好みを主張しているようです。四角いブロッコリーの塊は大きく口を開いていました。

土曜日(普通食)とは違い、この日は完食。ゼリー食のせいなのか、お姉さんの介助が上手なのか、お姉さんの声掛けが上手なのか。おそらく、その3つ全てだと思います。

部屋での食事はダメとのこと

2019年02月10日 09時15分36秒 | 今日のサキさん
昨日の土曜日、普段より少し早めの4時過ぎにサキさんの特養さんに到着しました。

玄関で面会受付の用紙に記入しながら、ちょうどみえた主任さんにお願いしてみました。
「今日から、水・土の食事介助の時、部屋で食べたらいけませんか

すぐにOKの返事がくるものと思っていたのですが、
「どうしてですか?何かありましたか?」と理由を聞かれました。

そりゃそうかと思いながら、理由(苦手な利用者さんのこと)を伝えたのですが
「ホールに集まって食べて頂くことになっていますので・・・」の一点張り。

「どうしてもだめですか」重ねて聞いたのですが、

「上司に相談しますので」

ということでした。

重い気分のまま、サキさんの部屋へ。
静かにベッドの上で、目を開けて天井を見つめているサキさん。

「サキさん、お父さんだよ。何か音楽かけるね」
そう言って、サキさんの顔をのぞきこむと、すぐに歯ぎしり・ブツブツが始まりました。

静かにしていたサキさんが、私を確認し、ちゃんと反応している。(できれば笑顔で反応してほしいが・・・)


中島みゆきさんの歌が流れると、さらに、明らかに違う反応をみせるサキさん。
「糸」で反応、「誕生」では、もっと反応。歌ってるような叫んでいるような歯ぎしり・ブツブツ。ちゃんと聞いている。聞き分けている。

その後、車椅子に移り、皆さんのいるホールへ。
例の利用者さんは、テーブルではなく、離れたカウンターに。でも声は、はっきり聞こえる。今日もスタッフさんに毒づいている。病気と解っていても、気分が思い、悪い。サキさんもきっと聞いている、聞こえている。

重い気分のまま、サキさんの食事介助。
口の開き方が、始めはとっても悪い。でも、次第に思い出すのか、きれいに口を開けてくれる。でも口の中に入った食べ物をしっかり噛むことを、今度は忘れているようだ。

いつもは噛まなくても済む食事ばかり。慣れは怖い。
声掛けをすると噛み始めるサキさん。でも長く続かない。根気よく声掛けを続けるしかない。中途半端に飲み込まなければいいのですが・・・。

半分ほど食べたところで、この日は終了。変な重い気分を引きずったまま帰宅しました。



気が重い

2019年02月06日 21時38分06秒 | 今日のサキさん
サキさんの食事介助に行ってきました。

サキさんの目の前の席には、例の利用者さんが・・・。

できるだけ、目をそらし、視線を合わせないように。

目が合うと、声をかけられ、突然、何かの拍子で機嫌が悪くなり、声を荒げて怒り出す。

楽しいはずの食事が、せっかくのサキさんの食事介助が、なんかとても気が重い
気になって、サキさんの食事介助に集中できない。

逃げ回っている自分にも腹が立つが、向き合うと、いら立って私が怒鳴ってしまいそうで、怖い。

結局、サキさんも落ち着かないのか、食事ははかどらない。半分も食べられなかった。

食後の写真もない。

サキさんの部屋での食事に切り替えてもらおうかな。
とにかく、落ち着かん。
サキさんとゆっくり食事をしたい。

イライラする。
更年期だろうか。

アブナイ

2019年02月05日 21時58分06秒 | 私の日記
朝、右足のふくらはぎがつって、目が覚めた。
ここ最近、味わったことの無い痛さだった。

今でも、まだ少し硬い気がする。

そして今度は、左の膝が強烈に痛くなってきた。

ついに、太りすぎで膝が悲鳴をあげだしたのか。
と悩みだした時、思い出した。
仕事中に思い切り膝を鉄骨にぶっつけていた。

すっかり、私の記憶からぶつけたことは抜け落ち、痛みだけが残った。

あぶない、危ない。
いろいろアブナイ。

ソフト食は、あっという間に完食

2019年02月03日 19時50分41秒 | 今日のサキさん
昨日の土曜日は、映画を見てからサキさんの特養さんへ。そして、今日は、お姉さんとお昼前に行ってきました。

昨日は普通食。いつものように口の開くタイミングがうまく合わず、あまり食べられませんでした。半分も食べてません。でも、ソフト食ばかりだとトレーニングにならないので、刺激としてこれからも水・土の週2回は、続けていこうと思います。

昨日の写真は、ありません。いつもは食後に撮るのですが、例の利用者さんが最後に(ちょっと表現が悪いですが)絡んできて、写真も撮らずに早々に帰ってしまいました。

そして、今日。例の利用者さんをはじめ、多くの利用者さんが眠そうに、というか寝てみえました。サキさんも目を閉じ、いい顔で寝てます。


何度起こしても、ゆすっても、足の裏をコチョコチョしても、さっぱり効果がありません。


ご飯が運ばれてきてからも、しばらくは目を閉じたままでしたが、お姉さんがおしぼりを水に浸して絞ってから顔を拭くと、サキさんやっと目を開けてくれました。

今日は、ソフト食(ミキサー食)です。お姉さんがスプーンをサキさんの口に運ぶたびに、サキさんはきちんと口を開いてくれます。昨日とは全く違って、あっという間の完食です。

今のサキさんには、やっぱりソフト食の方が、はるかに食べやすいんでしょうね。でも、それはサキさんの残っている力を持て余すことになるので、やっぱり、週に2回は普通食を食べてもらいます。トレーニングです。修行です。サキさんと私たちの。
いや、根気の無い私の修行だな、やっぱり。

その後、お姉さんと揖斐川町へ。2月26日の夜に、お話しをさせていただくので、その打ち合わせです。しっかりと介護家族の思いを伝えてこようと思います。さらにその週の土曜日には、岐阜県東濃地方の瑞浪市でもお話しさせていただきます。(こちらは90分)
私の思いだけでなく、今まで関わってきた多くの介護家族さんの思いをお伝えできたらと思っています。

映画「ぼけますから・・・」見てきました

2019年02月02日 22時26分27秒 | 私の日記
今日は第Ⅰ土曜日なので、仕事の日なのですが「私用」で、休みをもらい、映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」を見に行ってきました。

岐阜県では、唯一、関市の「シネックスマーゴ」で、先週の金曜日から2月7日の金曜日まで上映されています。先週の土日は、家族の会の新年交流会と若年性認知症のつどいがあったので行けませんでした。明日、3日も用事があるので、見るのは今日しかなかったのです。土曜日なら他の平日よりは休みをもらいやすいので、こらえきれずに休みをもらってしまいました。

朝10時半に家を出て、11時に映画館に到着。すぐにチケットを購入。
「ぼけますから、よろしくお願いします。1枚。シニアで」
初めてのシニア料金。身分証の提出を求められるかと思いきや、あっさりと
「わかりました。限定上映で、900円になります」

やった、900円。でも、やっぱり身分証の提出を求めてほしかったな。



映画はドキュメントなので、老々介護の厳しさを改めて感じさせてもらいました。

だんだんとできない事が増え、周りの手助けなしでは生活できなくなり、自身の無力さにさいなまれる。今まで家族のために働いていたのに、自分の役目をこなせなくなっていく自分にいら立ちもつのる。
「迷惑、邪魔、死にたい」
サキさんと重なって、思わず目に熱いものがこみあげてくる。

でも、やっぱり笑顔が素敵だ。お父さんが耳が悪いのも、一種のクッション役を果たしているのかもしれない。何より、まだ歩ける。そして自分で食べることができる。会話もできる。(すぐ忘れちゃうけど)

このドキュメントを撮った信友監督に敬意を表すとともに、ご両親の姿を映像として残すことが出来たことを、単純にとても、うらやましく思いました。