サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

家にこもって

2020年12月29日 22時03分32秒 | 私の日記
今日は一日どこにも出かけず、家にこもっていた。

ボーっとしていても仕方ないので、風呂掃除。いつもは「こすらずにサッと流すだけ」の掃除。年末くらいは、と気合を入れ周りの排水の溝を見てみると・・・、やっぱりとんでもないことになっていました。


慌てて、ビニール手袋をし、カビキラーをスプレーした後、入念に磨き上げました。(足は素足だったので、とても冷たかったです)

その後、バンプのDVDを久しぶりに見ながら、部屋の配置換え。しっかり掃除をしなくても、模様替えをすると、それなりに掃除をした気分に浸れます。(結果、さほど変わり映えはしませんでしたが)


昼からは、テレビをボーっと見ながら、少しウトウトしかけたところに電話が。24日で辞めた会社からでした。

「設定が面倒なので、大掃除の時にもPC本体とのコードは抜かない様に」と伝えてあったにもかかわらず、コードを抜いてしまったらしい。そして、設定がうまくいかず、私のところに電話をかけてきたみたいです。でも実際のPC上の画面を見ながらでないとうまく説明できないので、新年に会社に行ってみることになりました。寝起きだったので、とてもぶっきらぼうな電話になってしまいました。今さらながら、自分の小ささに呆れます。

その後は、テレビを見たり(この地方では、中京テレビで「ゴクセン」がやってました。)やっぱり仲間さんはかわいいな、等と思っていると夕方に。洗濯物を取り込み(部屋干しですが)何度目かの掃除機をかけ、夜ごはんを作り、食べ、洗い物を済ませ、そしてお風呂。なんだかんだであっという間の一日が過ぎていく。一人っきりの誰とも会わない一日。電話がなぇれば、誰ともしゃべらないで過ごしたはずだ。

サキさんが家に居なくなって6年。娘は家に居ることは居たが、夜勤や夜遅く帰って来たりのすれ違いで、ほとんど会話は無かった。今年の4月からは家を出たので全くの一人暮らしになった。

もう一人には慣れてるはずだ。
一人は気ままで、気兼ねなく自由に思って通りに過ごせが良いので、気楽でどちらかと言えば好きだった。

でも、歳のせいか、ちょっと寂しい気持ちが湧きだしてきた。
一人で見に行く映画も、面白さは半減とまではいかないが、少し物足りなく感じてしまう。

サキさんが元気だったらな~。
家にこもっても、二人で賑やかに過ごせたのにな~。

少し睨まれたような…。

2020年12月26日 12時42分09秒 | 今日のサキさん
サキさんの面会に行ってきました。


今日のサキさんは、薄目をあけちゃんとこちらを見てくれました。いや、見るというよりは「睨みつけてる」感じ。

「仕事をやめたよ」って言ったら、よけいにらみつけられている感じで…。

そして、ずっとブツブツ言ってたサキさん。きっと、いろいろ言いたいことがたまってるんだろうな。おまけに私が仕事辞めちゃうし。いらん心配をかけちゃったかな。ゴメンね、サキさん。少しの間、何もせずにのんびりするでね。

24日、会社のみんなから、思いもよらないような温かい言葉をかけてもらい円満退社。花束までもらって。身体を気にして「野菜ジュース」まで。本当にありがとうございました。梅村建工の更なる発展を陰ながら応援させてもらいます。


そして、きのうの25日。
3回目、心を燃やしに行ってきました。

そして、最終巻も買うことが出来、しばらくは、これで過ごせそうです。


仕事をやめ、コロナが無ければ毎日でもサキさんのところに行きたいのですが、そんな訳にも行かず。次回は2週間後の1月9日。2週間は長いな。でも、面会禁止よりはまだましですけど。面会に行けない皆さんのことを考えれば、まだ幸せですね、


退社することにしました

2020年12月19日 21時42分16秒 | 私の日記
働きたくても、様々な理由で働けない人がいます。サキさんもそうでした。

働き者のいサキさんは、働くのが大好きでした。家でも少しもじっとしていません。そんな働き者のサキさんですが、仕事でミスやできない事が増え、最終的には通勤(車の運転が難しくなって)困難になって、退職しました。
 サキさんは、どんな気持ちだったのかな。悔しかったのかな、それとも仕事の苦しみから逃れることが出来て「ホッ」としたのかな。働かなくてもいいという安心感もあったのかなと、つい思ってしまうときもあります。

反対に、まだ働けるのに働きたくない人もいます。職場で今まででは考えられないようなミスが連発し、さらに、そのミスを責められず逆に慰められたりすると、自分のふがいなさにいたたまれなくなったりもします。

会社を辞めることにしました。

以前から社長には相談していたのですが、そのたびに「もう少し頑張ってください。補助も付けるから」と説得されていましたが、きちんと気持ちを伝え、来週の木曜日、24日までで退社することで落ち着きました。

ミスを重ねるたびに「誰でもミスするから、しゃーないって」と、周りのみんなは励ましてくれるのですが、その都度、いたたまれなくなります。自分の能力の衰えに、嫌気がさしてきます。しかも自分でも何でそんな間違いをしたのか全く説明のつかないミス。情けなくなります。

 そして決断しました。

後、四日、全力で頑張ります。
その後は、しばらくのんびりします。
自分を見つめ、ゆっくり何もせず過ごします。

働きたくても働けない皆さん、申しわけありません。働けるのに、やめずに頑張ってほしいと言われても、「もう働きたくない」と思ってしまう人間もいます。サキさんが聞いたら怒るだろうか。それとも・・・。


娘の式の報告

2020年12月13日 22時03分34秒 | 今日のサキさん
先週の日曜日、12月6日、娘が結婚式を挙げました。

コロナがどんどんひどくなっていますが、無事に式を挙げることが出来、大変有難く思っています。

とても優しそうな(多分、本当に優しいと思います)そして、真面目そうな(こちらも多分、本当にまじめだと思います)青年です。

式の最後に娘が読んだ手紙。帰宅後、その手紙を読み返してみると、「お父さんが仕事でうつになった時、お母さんが『私が何とかするから大丈夫』って言っていたのを今でも覚えています。お互いが大変な時に支え合って、信頼し合っているんだと感じました。」と書かれていました。

娘が中学の時、サキさんが診断される直前だったと思います。仕事でイヤなことが重なり、少し「うつ」になっていた時がありました。いろんなことを投げ出し、全てをサキさんに任せてしまいました。そして結局、仕事をやめ経済的な負担、やりくりさえもサキさんに全部任せてしまいました。その頃の不安や心労もサキさんの脳に要らぬ負担をかけてしまったのかも知れません。何か本当にサキさんに頼りっぱなしで、ダメな夫だったなと、娘の手紙で改めて思い知りました。


そんな私ですが、娘とバージンロードを歩き、父親としての役目を少しはたすことが出来ました。

そして、今日、サキさんの面会。娘の結婚式の写真をいっぱい見てもらいました。

もちろん、言葉はでてきませんでしたが、大きな「うめき声」をあげ、途中、息子の写真をお姉さんが見せると大きく目を開けてくれました。

サキさん、あなたの娘は、無事、嫁いでいきました。後は、兄ちゃんだけだね。彼女はいるみたいだけど・・・、うまく進んでいくといいね。サキさんの大好きな息子に早く春が来ますように。