サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

おとついのサキさんとお姉さん

2019年08月30日 21時55分05秒 | 今日のサキさん
夏の終わり、たくさんの雨が降り続いています。

大雨の被害にあわれた皆さん、心よりお見舞い申し上げます。

特に、鉄工所から流出した「油」の映像を見るたびに、鉄工所に勤めるものとして心を痛めます。かといって、あのような状況を見据えたような、油の保管は難しいと思います。油を使わないわけにもいかず、高い場所への保管も難しいです。堤防が切れないことを願うしかありません。


おとつい、水曜日のサキさんとお姉さんです。




この日はうな丼でした。
うな丼のせいか、お姉さんの介助のせいか、この日も、たくさん食べてくれたサキさんです。

辞めたらあかんよ

2019年08月27日 21時02分05秒 | 私の日記
昨日、突然、社長に年齢を聞かれた。
「62です」

求人に応募してきた人が、50代後半だったので、参考に私の年齢を聞いたらしい。

私のサポートになれるかも知れないと言う事で、面接してみることにしたらしい。

そして、最後に言われた。

「澤井さん、辞めたらあかんよ

心を読まれていたのだろうか?

なぜか、少しだけ、目の奥が熱くなってしまった。
年のせいか?

久しぶりのお姉さんとの・・・

2019年08月25日 20時29分52秒 | 今日のサキさん
昨日の土曜日、お姉さんと一緒にサキさんの食事介助に行ってきました。

お姉さんと一緒に行くのは、本当に久しぶりです。
久しぶりの姉妹の食事バトル?です。



やっぱり、お姉さんの時は私の時とは比べ物にならないくらいたくさん食べています。それでも、タイミングの合わない時や、食べたくない時、飲みたくない時は、口をとがらせ頑として口を開きません。負けじと、お姉さんもスプーン、コップをサキさんの口に押し当てたまま、真っ向勝負です。

結果は引き分け。根負けして口を開けたり、逆にお姉さんが手を引いたり。私なら、とっくにあきらめているところです。

そんなサキさんですが、デザートの「なし」の時には、大きな口を開けて、ガブリ。いい音を立ててなしにかじりつきます。他の食べ物の時と違い、なしの時はほとんど拒否はありません。ちゃんと自分の頭で判断し、気持ちを表現しているサキさんでした。

私は、介助の一切をお姉さんにまかせっきりなので、いつものように耳をマッサージしたり、肩をもんだり、背中をさすったりと、もっぱらスキンシップを図らせていただきました。


帰り際の、何とも言えない表情のサキさんです。

雷よりも

2019年08月21日 22時41分45秒 | 今日のサキさん
サキさんの食事介助に向かう途中から、空が暗くなり、遠くかすかに雷の音が聞こえてきました。

サキさんの特養さんに着いた時には、はっきりとそれとわかる音になっていました。稲光も見え始めました。サキさんも私も、あんまり雷は得意じゃありません。

それでも、今日のサキさん(他の利用者さんも含めて)あまり気にならない様子です。スタッフさんたちの方が、そわそわしだします。
「雷、鳴り出したね」スタッフさんが声に出しても「そうかね」気のない返事。利用者さんは腹が座っているのか、それどころじゃないのか、我関せず・なのか。


食事前のサキさん。かろうじて目は開けてくれましたが、表情は冴えません。これが最近のいつもの表情。これが笑顔だと思って、やっていきましょう。

今日は、麦とろご飯。つるッとしていて食べやすいのか、いつもよりたくさん食べてくれました。

途中、思いっきり近くに雷が落ちた感じ(光ったと同時に轟音が)の時があったのですが、それでも皆さん、あまり反応はありませんでした。

食事もひと段落して、サキさんの耳をマッサージすると、思いっきり顔をゆがめて反応してくれました。耳を折りたたむような動作の時と、耳たぶを引っ張る時、とっても大きな反応で応えてくれます。サキさんには、雷より、こちらの方が強烈に響くのでしょうか?


食後のサキさんです。

今度は土曜日。それまで、待っててね、サキさん。

耳マッサージでサキさんに刺激を

2019年08月15日 16時24分10秒 | 今日のサキさん
台風の影響で、岐阜でも風が強くなってきました。
お盆休み最終日の今日は、昼間ゆっくりとサキさんのところに行こうと思っていましたが、不要・不急の外出は避けると言う事で、一日家にこもり、家族の会の岐阜県版の会報誌「れんげ」の編集作業をしています。

さて、昨日のサキさんですが、相変わらず表情は冴えません。でも本当に時々、しかも一瞬ですが目を閉じながらもとても穏やかな、安らかな表情をうかべる時があります。


ほんの一瞬なので、カメラを構えるともう険しい表情に戻ってしまいます。

昨日はカレーライスでした。でもお腹がいっぱいなのか(昼に、施設の8月生まれの人の誕生日会で、おいしいものをいっぱい食べたそうです。ケーキも)あまり食事は、はかどりませんでした。

大好きなジャガイモも、トマトのサラダもあまりすすみません。でも途中がんばって、大きならっきょうを取り込んでくれました。その後も、あまりはかどらないまま、そのまま食事終了。

その後の歯磨きの時、口の中から「らっきょう」が、いっぱい出てきました。口の中に取り込みはしたけれど細かく咀嚼することができず、飲み込めないまま口の中に残ったようです。

昨日も食事の前後にマッサージ。
特に耳へのマッサージの時の反応が一番大きかったです。(周りから見ると、私がサキさんの耳で遊んでいるようにしか見えなかったかもしれませんが)

サキさん、目を思いっきりつぶったり、声を出したり(3回程うめき声)して反応してくれました。ただ、嫌がっていただけかも知れませんが・・。

これからも刺激を与え続けていこうと思います。


13日、とてもお世話になった富山のライトレールです。高岡市のライトレール・万葉線にもお世話になりました。道路を走る電車。自動車、バスとちゃんと共存していました。電停はしっかり縁石で道路と分けられ、利用者を守っています。

岐阜市にも以前は市内電車が道路を走っていました。しかし、車社会の波に押され、廃止されてしまいました。廃止された自治体と、今も路面電車が走る自治体。違いは何なんだろう。

車の運転にとって「じゃま」な存在でしかなかった岐阜市の路面電車。きちんと路面が区分けされてなくて、電車のいない時は路面は車であふれていた岐阜市の電車。きちんとすみ分けされていた富山のライトレール。熊本や広島の路面電車もそうだったような気がする。だから今も存続しているのだろう。

路面電車、何か本当に漠然とですが、

どこか「認知症」と似ている。(気がする)

笑顔と音楽と

2019年08月11日 17時46分08秒 | 私の日記
ステキなご夫婦の続きです。

やはり、お二人を見ていて感じるのは「笑顔」の大切さです。
笑顔を絶やさないご主人の優しい表情に、穏やかについていかれる奥様。

うなづかれたり「ありがとう」と、応えてくれたり、非常に落ち着いていた奥様。

さらに突然、奥様の口から
「オ~~ソ~~レ ミ~~ヨ♬」
みんな、びっくり。ご主人の話しでは、家でもこの歌は聞いたことがないらしい。
「家では美空ひばりなんかの古い歌を歌うことはあるけど」と、ご主人。

「奥さん、美空ひばりさんの歌を歌われるんですか?」
すると、うなずいて、しばらく間を開けてから、おもむろに
「髪のみだれに 手をや~れ~ば♪」
奥さん、きれいな声で歌ってくれました。

これまた意表を突く選曲でびっくり。

歌もいいですね。音楽のある生活、心が穏やかになりますね。

笑顔と音楽と、そして私には無かった介護者の「ゆとり」
この3つがとても大切なのだなと改めて思い知らされました。

ステキなご夫婦

2019年08月10日 21時53分13秒 | 今日のサキさん
今日もサキさんの夕食介助に行ってきました。

相変わらず、目を閉じて全く私を見ようとしないサキさん。表情も険しい。


それでも今日は比較的たくさん食べてくれました。
ジャガイモも大きなかたまりのまま口の中へ。牛肉はやっぱり口の中に残って食べずらそうでした。結構なすっぱさの「もずく酢」も、むせずに食べることができました。今日は調子の良い日だったのかもしれません。

帰り際、スタッフさんに声をかけられました。
「ご主人、優しいね。いつも来てくれるし、サキさん幸せやわ」

ちょっと照れくさい感じでしたが、でも、私よりはるかに優しく、素敵なご主人はいっぱいいます。

今日の昼間に会ったオレンジサロンにも、そんな素敵なご主人がみえました。
ず~~っと笑顔で、いつも優しく奥さんのそばに寄り添ってみえます。食事も2時間かけて、食べてもらっているそうです。それでも、無理は全くしていないと言うご主人。本当に心の底から、奥さんと一緒にいること、いられることを楽しんでみえるようです。

すごいです。素晴らしいです。

理想の夫婦像に見えます。(実際には、そこに至るまでいろんなドラマは、もちろん会ったのでしょうが)

これからも無理せず、楽しく、笑顔で過ごしてください。

また、来月も笑顔を見せてください。

暑い

2019年08月03日 22時54分14秒 | 今日のサキさん
暑い、とても暑い。

会社の工場は、地獄のような暑さ。私は、冷房の効いた事務所だから、まだましだけど。

今週は、いつも工場で製品のチェックをしていた人が、現場に行き、その代役で工場に降りる時間が多かった。

暑い。鬼のように炭酸を飲みまくり、余計に体調を崩しそうだ。

でも、工場もだが、実際に建物を建てている現場はさらに厳しいみたいだ。救急車で搬送された方もいるようだ。

うちの会社でも、工場長が朝礼で、
「しんどい時は、遠慮せず休んで下さい。倒れられるほうが(会社としては)辛いので、自分の身体は自分が一番わかると思います。早めに休んで下さい」

でも、実際には、その工場長自身が一番献身的に頑張ってみえるので、余計、みんな言いづらそうだ。でも今日は一人、少し体調を崩して早退した人がいる。

大事に至る前の判断。良かったと思います。
勇気を出して、声をあげてくれたこと。

無理してがんばり続け、大事になっていたら・・・それこそ・・・。



サキさんのいる特養さんでは、しっかり空調が効いて涼しそうでした。中には「寒いね」と言われるほどの利用者さんもみえ、全員に合わせることの難しさも感じました。

「寒い」
「暑い」
と、訴えることのできる利用者さんは良いのですが、他の声に出せない利用者さんは、どんな思いなのでしょうか。

サキさん、嫌なこと、不快なこと、何かあったら、大声出せばいいでね

それが、今のサキさんの表現方法なんだから。

他の利用者さんが、びっくりしても、遠慮せずに、気持ちを吐き出せばいいでね