「浅田家」見てきました

今日も映画を見に行ってきました。

今日見たのは、前から見たかった「浅田家」。

とっても良かったです。家族の思いを繋ぐ写真、その写真の持つ力をあらためて感じさせてもらいました。

上映早々から目頭が熱くなり、最期まで心地よい思いをさせてもらいました。本当に、「家族っていいな」って心から思えました。そして、みんな演技がうまい。主演の二宮君はもちろん、妻夫木さん、お母さん役の風吹ジュンさん、お父さん役の平田満さん。本当に素敵な「家族」でした。

見終わって家に戻り、先ほど夕食をすませました。もちろん、たった一人の夕食。もう何年も続いていて慣れっこのはずなのに、今日はなぜか、とっても寂しい思いで食べました。以前は、家族4人のにぎやかな夕食だったな～と、しみじみしてしまいました。


みんなで行った、今は無き「関が原メナードランド」での写真です。


そこでやっていた「セーラームーンショー」
来年1月、「セーラームーン」の映画が公開されるそうです。

懐かしい。でも、これはさすがに63歳のおっさん一人で見に行くのはつらいな。

面会禁止になりませんように

会社の同僚のお母さんの施設が、12月から再び「面会禁止」になるそうです。29日に面会の予約はとってあるそうですが、それが、おそらく今年最後になるだろうと言ってみえました。新年になると、今度はインフルエンザ予防のため面会禁止になるだろうとのことです。（実際、今年の1月から3月まで面会禁止だったそうです。その後はコロナで）いったい何時になったら次回の面会が出来るのだろうと不安がってみえました。

サキさんの次回の面会予定日は、12月13日。たった15分だけだけど、唯一のサキさんと同じ空気を吸える時間。なくならないで欲しい。とても大変な状況は理解していますが、唯一の「励み」の時間です。食事介助ももう半年以上していない。早く、早く、元に戻りたい。元通りじゃなくても、サキさんと直接触れ合える瞬間が欲しい。肩、首、足をマッサージしてあげたい。耳元で歌を歌ってあげたい。アイスクリームを口に運んであげたい。顔にパックもしてあげたい。いろんなことをしてあげたい。サキさんの肌に触れたい。


この前、写真を整理していた時に見つけた昔の写真です、

この頃が、一番楽しかったな。

一人で面会

今日は、一人でサキさんの面会です。

いつもはお姉さんと二人なので、サキさんへの声掛けと共にお姉さんとおしゃべりしながら、あっという間に15分の持ち時間が過ぎてしまうのですが・・・。
今日は、一人っきりなのでなかなか間が持ちません。声掛けしても「うっ」という、うめき声が聞こえるだけで、いつも通りの一方通行の声掛けです。


後半は、久しぶりに「花の名」を歌ってみました。でも広いホールで、スタッフの皆さんも行き来されるのでちょっと気恥ずかしさで声が小さくなってしまいます。サキさんのそばに寄れたなら、耳元でささやくように歌うことが出来るのですが、衝立を挟んで一定の距離があるので、ささやくように歌っていてはサキさんの耳に届きません。少し声を大きくすると、決まってスタッフさんがやってきます。あ～～あ。

その後、「糸」を歌い始めたところでスタッフさんに「ボツボツお時間です」と、面会終了を告げられてしまいました。

もう少し狭い部屋、出来れば個室で（スタッフさんに気兼ねなく）面会したいです。もちろん触れたりしませんので・・・、何とかならないですかね。

それと、しゃべれない人は「触ってもいいよ」っていうことにもならないですかね。
次回は、娘の結婚式の翌週になりそうです。
待っててね、サキさん。式の報告もちゃんとするでね。

結婚写真

今日は一日、家の片づけ整理をしました。

まず、銀行印、実印の保管場所の確認。（ちゃんと隠してある場所にありました。）
次に、家の登記簿関係の書類。これは、サキさんが元気なころから何回も保管場所を教えられていたはずなのですが、全く記憶にありませんでした。実印を確認した後で近くを整理していたら、きちんと袋に入れられて保管されていました。（さすがサキさん）

土地は、サキさんの名義、建物は1/5がサキさん、4/5が私の名義という事でした。（初めて比率を知りました）

サキさんの病気もあるので、名義の変更も考えましたが、ネットで調べてみると、夫婦間の場合の生前の名義変更は、あまり意味がないみたいでした。どちらかが亡くなってからでも問題はないようです。（子供への姪御変更の場合は別ですが）

その後、さらに整理をすすめていると、昔のアルバムが大量に出てきました。そして更に、もうどこにいったか分からなくなっていた結婚写真も出てきました。

披露宴は挙げなかったので、二人で写真館に行って撮りました。貸衣装屋さんでウェディングドレスとタキシードを借り、記念の一枚をおさめました。32年前の雄姿です。

そして、2週間後、今度は娘が結婚します。コロナが無かったらサキさんも一緒に参列できたはずですが、今、特養さんから外に出ることは出来ません。娘の式の写真を大きく引き伸ばして、サキさんに見てもらおうと思います。


この娘が・・・26年前の、まだ可愛らしいころの写真です。

サキさん、明日また会いに行きます。

寒くなると思い出す

朝晩、めっきり寒くなってきた。

寒くなり空気が乾きだすと、乾燥肌のサキさんには辛い季節になる。

「あ～～、カイイ。背中掻いて」　
すると私は、サキさんの背中に「アイシテル」と書く。
「何しとんの、はよ、ちゃんと掻いて」とサキさん。ちょっと切れかけてる。
「ちゃんと、アイシテルって書いとるがね」
「も～～、そんなん今はいいの。はよ、ちゃんと掻いて」
仕方なく、サキさんの背中全体を少し爪を立てながら掻いていく。

今から、もう何年前の事になるんだろう。サキさんが介護保険を使う前だと思うから、8年以上前かな。それまで、毎年のように寒くなってくると繰り返される光景だった。

今は、もう「痒い、背中掻いて」って言えないサキさん。意思表示できないサキさん。「痒いところない？」って聞きながら、背中を掻いてあげることも、今は出来ない。触れることも出来ない。

早く、今まで通りの形に戻れないかな。

そしたら、いっぱい背中掻くでね。ついでに「アイシテル」も書くでね。

あっという間の15分

今日、2週間ぶりのサキさんの面会でした。

2週間ぶりのサキさんは、変わらずに、目を閉じたまま「ウッ、ウッ」と、息苦しそうにしていました。マスクが苦しいんでしょうか？


「サキさん、元気にしとる？　ご飯、食べとる？」もちろん、答えは返ってきません。いつもの一方通行のやりとりが続きます。スタッフさんの話しでは、食事はしっかり食べられているとのことで、一安心。

本当は、近づいてサキさんに触れてはいけないのですが、こそっとスタッフさんの目を盗み、サキさんの肩をマッサージしてしまいました。カッチカチに凝ってました。本当なら時間をかけてマッサージしてあげたいところですが、そうもいきません。


お姉さんと一緒に声掛けしたり、お姉さんと世間話をしているうちに、あっという間に時間は過ぎてしまいました。気付いたら2時19分。4分オーバーです。スタッフさんから「もうぼつぼつ」と声をかけられ、あっという間の面会は終わってしまいました。

2週間後に再び面会の予約を入れ、施設を後にしました。

2週間待って、たったの15分。しかも触れ合えない。会話のできないサキさんとの意思疎通はスキンシップがメインだったのに・・、それが出来ない。始めは「会えるだけでいい」と思っていましたが、人間、だんだんと欲が出てきてしまいます。やっぱり、いっぱい触れ合いたいです。何とかならんかな。何ともならんのだろうな、やっぱり。

サキさんに会えただけで良しとします。

スタッフの皆さん、これからもよろしくお願い致します。