サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

気になる利用者さん

2019年04月24日 22時23分55秒 | 今日のサキさん
水曜日は、お姉さんと一緒に、サキさんの食事介助です。

今日も、眉間にいっぱいシワを作り、時に哲学者のような難しい顔をしながらの食事です。


お姉さんの言う事に耳を傾け、上手に口を開けてくれる時と、頑なに拒否する姿に、思わず笑いそうになってしまいました。

拒否するときは、たいてい、口の中(左のほっぺ)に、食べ物が残っています。口の中に食べ物が入っても、2・3回噛んだだけで、すぐに口の動きが止まってしまいます。それでも「トマトだよ」と、大好きなトマトが口の前に来ると、口の中いっぱいのままですが、大きな口を開けて食べようとします。

ちゃんと聞いてるし、ちゃんと応えてる。

そんなサキさんの特養さんの気になる利用者さん。
か細い、消え入るような声で
「おばさん、た・す・け・て
何をどう助ければよいのか、スタッフさんも困惑顔です。不安なのか、おびえているのか、トイレなのか、何かが見えているのか? 全く分かりません。ただ、一点を見つめて訴えられるので・・、何かが見え、それに怯えているのかもしれません。
気になります。

もう一人、苦手な利用者さん。今日も目の前の席の別の利用者さんに毒づいてました。毒づかれていた利用者さんは、おとなしい方で、笑顔の素敵な方です。きっと、おとなしく反論もしないので、私の苦手な利用者さんの相手をさせられているのだと思います。
とても、かわいそうです。

思わず、スタッフさんに何とかならないか言ってしまいました。

私たちは、すぐに反発したので、同じ席からは変えてもらいましたが、その方は・・・。

反論されずに、いつもニコニコされている方ですが、耳はいいし、しっかり聞こえているので、やはりいい気はしないはずです。何とかならないものか、もう一度相談してみます。


今日、施設に到着してすぐのサキさんです。

思いっきりのイヤな顔

2019年04月20日 22時49分07秒 | 今日のサキさん
サキさんの食事介助に行ってきました。

まず、施設の看護師さんに、サキさんの様子を確認しました。
「熱は下がり、呼吸の音もきれいだったので大丈夫だと思います。食事も食べれてるし、ぐったりした様子もないので」と言う事でした。先生にも診てもらって、薬を出してもらったそうです。

原因は、やっぱりわからないようで、ひょっとすると「尿路感染」かもしれませんとのことでした。


思いっきり、いやそうな表情のサキさんです。
「昨日は、誕生日だったね、おめでとう」と、声をかけても表情は冴えません。

でも、これが今のサキさんの精一杯の喜びの表情なのかもしれません。

これまでも、これからも
サキさんが私にとって一番大事な存在であることに変わりありません。

でも、これもサキさんと離れているから、介護の渦中にいないから、言えることかもしれません。在宅の時は、何も見えていませんでした。目の前の現実に押しつぶされそうな毎日の連続でした。

今は、全て施設の皆さんにお任せしてしまっています。
スタッフの皆さん、サキさんの事をよろしくお願い致します。

サキさん、また、連休に息子もつれていくでね。

待っとってね。


帰り際のサキさんです。
新しい服も買わないとね。

63才

2019年04月19日 20時54分10秒 | 今日のサキさん
今日は、サキさんの誕生日。

63才になりました。

世間的には、そこそこの年齢なんでしょうが、サキさんの施設の利用者さんの中では、ダントツの若さです。
ときどき、飛び出す「絶叫」も、若いだけあって張りのある声です。

本当なら、二人でいろんなところに出かけたり、たくさん映画を見たり、やりたいことはいっぱいあったのですけど。縁側でお茶を飲みながらぼ~~っと過ごすのも、若いころの二人の願いでした。

色々思っても仕方ありません。できるだけサキさんに寄り添って行けたらと思います。

一昨日、39度の熱の出たサキさんですが、昨日確認したところ、熱は下がったとのことでした。
昨日の午後、先生の往診があったそうなので、明日の介助の時に、しっかり聞いてきます。

サキさん、いくつになっても、いつまでも、
愛しとるでね。


一昨日の熱のあった時のサキさんです。

39℃

2019年04月17日 21時39分41秒 | 今日のサキさん
お姉さんとサキさんの食事介助に行ってきました。

目を閉じて、穏やかな顔で、背もたれに体を預け、ぐっすり寝入っているようにも見えます。いつものように顔を拭いても、髪の毛をといても、目を開ける雰囲気はありません。

でも、お姉さんの差し出すスプーンのお茶を、目を閉じたまま飲むサキさん。いつもなら、固く口を閉ざして拒否するのに、今日がごくごく飲むサキさん。のどが渇いていたのでしょうか。




そして、お姉さんの介助で食事が始まりました。

途中で、お姉さんが「何か熱くない? 顔も赤いし」
サキさんのおでこに手を当てて、そう言いました。言われて、私も手を当ててみましたが、少し熱い感じがしました。

早速お姉さんが、スタッフさんから体温計を借りてきて、サキさんの熱を測ってみました。
すると、38.9℃。慌てて測り直すと、
39℃
測り方を間違えたかと思って、スタッフさんに報告。スタッフさんにはかり直してもらいました。

結果は、やはり38.9℃

熱を下げる薬と、ジュース(ポカリかな)をもらって飲んでもらいました。

昼には、熱は無かったそうですが、そう言えば今日のサキさんは、来た時から「ぐったり」していたようにも思えます。原因は分かりませんが、むせたりは一度もしなかったサキさん。咳も無し。

原因が分からないのが不安ですが、スタッフさんに、しっかりお願いをして、施設を後にしました。

あ、そうだ。
今日は、私たちの30回目の結婚記念日だった。

サキさん、どこかでゆっくり祝おうね。
熱も早く下がるといいね。



サキさんの食事拒否の時の顔です。たまにこんな顔で断乎食事を拒否するサキさんです。


みんな年くったな

2019年04月16日 21時52分55秒 | 私の日記
日曜日、実家のあった西尾へ行ってきました。

今は、実家は無く、お墓だけが残っています。
でも、いつまでも、お墓の管理をすることは難しいので、「墓じまい」になりそうです。

こまごました面倒な作業は、いつも次兄夫妻にお任せです。特に、お義姉さんには、お世話になりっぱなしです。頼りにしてます。これからもよろしくお願いします。

でも、やっぱり、みんな年くった

姉ちゃんも、5月で満70歳になる。おまけに退院したばかり。乳母車を引く姿は、ちょっと違和感があるけど、れっきとしたお婆さんだ。あれ、ひいばあさんだったかな?

次兄も5月で68歳になる。こちらも、ちゃんとお爺さんだし、入院も経験している。さらに今度は大腸がんの手術だそうだ。いや、まだガンと決まったわけではないのかな。よくわからないけど、とにかく手術だそうです。

弟も、去年の9月に60になり、兄弟全員60代になった。ただひとり、54歳で亡くなった三男を除いて。

6人兄弟のうち、残った4人。

末永く、みんな元気で過ごせますように。

まずは、自分が気をつけないと。


今日のいろいろ

2019年04月13日 21時59分18秒 | 今日のサキさん
今日は、朝から買い物、掃除、そして、庭の草取りをしました。

掃除は、1カ月ぶりくらいだろうか? 恐ろしい状況になりつつあった。特に、娘に専用されている2階と階段。隅にたまった髪の毛とほこり。見たこともないような大きな塊が・・・。サキさんが見たら、きっと倒れてしまうかも・・。

そして、庭(猫の額もあるかないかの小さなものです)の雑草をむしりました。そして、ホームセンターで買ってきた、少し高めの(2500円くらい)除草剤を、1本丸々使い切った。8ヶ月、効果が持続するという。おまけにドクダミ草にも効くと書いてあった。この後、庭はどうなっていくのか、雑草に勝てるのか、少し楽しみが増えました。

それから、昼ごはん。
今、口の中がとても「しょっぱい」状態が、3週間くらい続いています。やっぱり、何を食べてもまずいです。味が薄く感じます。特に甘みは、ほとんど感じません。また、全体にパサパサした感じもあり、全然おいしく感じません。

美味しくないんだから、食べなければいいのですが、おなかはすきます。まずいけど食べてしまいます。少し食べる量は減りましたが、それでも食べてしまいます。

以前、在宅の時、私の作った料理を、まずいと言って食べなかったことのあるサキさん。その時は、腹も立ちましたが、実際自分がこういう状態になってみると、本当にまずかったんだろうな・・・、とサキさんの気持ちが分かるような気もします。

そして、昼からは、北東部オレンジサロンへ。なんだかんだで今年初めての参加です。懐かしい顔が待っていました。そして、新しい参加者の皆さんも2組ありました。私は、専門職の皆さんのように上手にご本人さんたちと、やり取りが出来ませんが、笑顔だけは絶やさないようにして、会話の途切れた時や、固い話になった時には、少し緊張を和らげるような発言をして、楽しい雰囲気づくりに努めています。そして、以前の会社の同僚が、介護の仕事についているという話も聞きました。びっくりでした。でも、とても優しい純粋な人だったので、介護の仕事にはぴったりかも知れません。

そして、夕方、サキさんのところへ食事介助に行ってきました。

何かをしゃべりたそうな感じで、ブツブツ言っているサキさん。
来週の水曜日17日は、私たちの30回目の結婚記念日を迎えます。
平成元年に結婚し、平成最後の年に30周年を迎えます。

サキさん、ありがとうね。
これからも元気でいてね。いっぱい食べてね。

そして、19日の金曜日は、サキさんの63歳の誕生日を迎えます。

どちらも、平日なので、ゆっくりお祝いは出来まないけど、どこかで時間を作ってゆっくり祝うでね。
ひょっとすると、連休になっちゃうかもしれんけど。

待っててね。

姉からショートメールが

2019年04月08日 21時13分00秒 | 私の日記
西尾の姉ちゃんからショートメールが入った。

「心配かけてゴメン。無事に退院しました。」
え、エ、退院?? 何のこと?

すぐにメールを折り返すと、昼の休憩時間に電話がかかってきました。
「大動脈何とかで・・、家の家系はみんな≪突然ぽっくり≫いってまうで、気を付けないかんけど、助かっただけ、もうけもんだわ。でも、歩くのに杖が必要になった。大変だわ」

父親は54才で脳卒中
すぐ上の兄も54才で脳出血で突然死。(朝、起きてこないので見に行ったら亡くなっていたそうだ)
長兄も、突然死。恐らく脳内出血? 手に携帯を握ったまま見つかったそうだ。

次兄も、車を運転中に意識を失ったことがあるという。
そして、今回の姉ちゃん。

次兄も姉ちゃんも、命が助かっただけ、本当に儲けもんだ。

そんな姉は、5月1日、70才になる。
6人兄弟の中で、初めての70代突入だ。
そして、その日から時代は、令和 に変わる。

令和の最初の日に、70の大台に突入。
一度、失った命だと思って、残りの人生、楽しんでください。

ちゃんと投票してくるでね

2019年04月06日 21時25分13秒 | 今日のサキさん
今日も、サキさんの食事介助に仕事終わりに行ってきました。

鼻の頭に、カピカピになった薄いたんぱく質の膜がくっついていました。素手で取りながら顔をのぞきこむと、目じりに涙の痕なのか、目やにの痕なのか、カサカサの塊がくっついていました。また、泣いてたのかな・・・?

顔をきれいに拭いていたら、サキさんの髪が短くなっているのに気づきました。(遅いわってつっこまれそうです)


そうこうしているうちに、夕食が運び込まれてきました。
最初は、なかなかタイミングが合わなかったのですが、次第に私とのタイミングがあってきました。

久しぶりにたくさん食べることができました。

最後に、少しむせたのか、大きな「うめき声」をあげたサキさん。
その前に、サキさんに「明日は、朝、ちゃんと選挙に行ってくるでね」と話し掛けたので、それに反応したのかもしれません。

サキさんの投票するパターン、傾向は決まっているし、毎回欠かさずに選挙に行っていたので、投票できない事が悔しいはずです。投票先の意思は持っていても、それを表現することができません。意思、思いは強くても、それを表現できない。きっと、もどかしいと思います。

サキさん、サキさんの意思は、私や子供たちが継いで、ちゃんと投票してくるでね。

久しぶりのお姉さんと

2019年04月04日 21時51分29秒 | 今日のサキさん
昨日は、久しぶりにお姉さんとサキさんの食事介助に行ってきました。


お姉さんの介助がうまいのか、お姉さんに少しビビっているのか、素直に口を開けて食べるサキさん。

麻婆豆腐にシュウマイ。
中華スープと春雨サラダ。

中華定食のようなおかずで、順調に食べすすむサキさん。

ある程度、食べすすんだところで、ピタッとペースが落ちるサキさん。
口をとんがらかして、ギュッと結んで、断固拒否をしだすサキさん。

まあ、これだけ食べればいいか、と選手交代して、私が歯磨きをします。


たった、一時間の食事介助。
しかも週に2回だけ。
最近は、体調が悪かったり、用事が重なったりで日曜日はなかなか面会に行けない。

ゆっくりと面会したいと思っても、土曜日まで仕事の時は、「たった一日の休みだし、次の日はしごとだから」と、家でダラダラしてしまう。若年のつどいや、役員会などが入ったりすると、全く行く気になれず、家に閉じこもってしまう。

少しの時間でも、ちゃんと面会にかゆってみえる方もいる。
忙しい時間をやりくりして、毎日、面会に通われる方もいる。

そんな方と比べたら、全くだらしないような感じだけど・・・。

でも、無理しても・・。
素直な自分の気持ちに従って、構えず、のんびりいこうと思います。

バチが当たった?

2019年04月02日 20時44分07秒 | 私の日記
ずっと体調が悪い。

風邪をひき、熱が出て・・・。
頭痛が続き、
今は、口の中が苦い。しょっぱい。

口の悪い、どこやらの利用者さんに言わせたら、きっと
バチが当たったんやわ
と言われるだろうな。

実際、そうかもしれない。

調子こいて、サキさんの事をいっぱいしゃべって。
「せっせと会いに行くでね」
と言っておきながら、なかなか面会にも行かないし。

認知症と関わって、高齢者の気持ちにもより添おうと思っているのに、
実際、高齢者と話していると、そのくどさに、「イライラ」してしまう。

いつも、自分の都合ばかりで、サキさんの事は後回しになっている。

自己嫌悪の4月。

このまま、新しい時代にも、暗い気持ちのまま迎えるのだろうか。