サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

介護の後悔2-手を挙げてしまった

2016年08月01日 21時20分13秒 | 介護の後悔
とっても優しい旦那だと自分でも思っていた。

頼りなくて、気が弱くて、自信無さげで、そんな私を別の言い方で、何とかほめようとするとやっとこさ出てくる言葉が
優しい人
になる。私から優しさを取ったら、ただの覇気のないおっさんになってしまう。

そんな優しさだけが取り柄だと思っていた男が、愛する妻に、大好きな妻に手を挙げてしまった
後悔しても仕切れない、情けない気持ちでいっぱいだ

今から2年前の平成26年。この年サキさんは、要介護3から要介護5になった。5月の事だ。そのころ本当に荒れていたサキさん。もちろん、本人に荒れている意識はない。自分の思うようにならないことが多くなり、多少はイライラもしていたとは思うが。
トイレの処理を一人でできなくなってきたサキさん。一緒にトイレについていき、おしりを拭いたり、水を流したりとトイレの介助をするようになっていた。普段はうまくいくのですが、トイレの前に失敗したりすると、サキさんも自分でバツが悪いのか、隠そうとする。そしてトイレの介助(おしりを拭くの)を抵抗します。
サキさんのおしりを何とかきれいに拭こうとする私に、必死で抵抗するサキさん。じっと坐っていてくれません。私を払いのけようと手も出てきます。その時、思わず、

ピシャン

私の右手が、サキさんの頬を叩いていました。いつまでも右の手のひらがジンジンしびれていたのを覚えています。それでもおとなしくしてくれないサキさん。どうにかこうにかトイレの後始末は終わりましたが、悲しい気持ちと右手の痛みはいつまでも消えませんでした

今なら、もっとうまくできる自信があります。
ビニール手袋や、おしりふきや、電動ウォシュレットなど、いろいろ揃えました。
今なら、サキさんの頬を痛めることはなかったはずです。今なら・・・。

心の準備と、いざという時のための備えがしっかりあれば、もう少し落ち着いて対処できたはずです。心と物の事前の準備をしっかりしておく大切さを改めて感じました


今日の仕事帰り、きれいな虹がかかっていました。
出荷の時には土砂降りで大変でしたが、終わって帰るときには、きれいな虹が、労をねぎらってくれたみたいです。
2年前の介護も大変だったけど、今、サキさんの心にも、こんなきれいな虹がかかっていたらいいですね