演歌がきらいなサキさんだけど

歌が好きだったサキさん。

いや、過去形にしてはいけない。

歌が好きなサキさん。

ユーミン、マイケルジャクソン、ドリカム、中島みゆき。

歌を歌うのも聞くのも好きなサキさん。
でも、ただひとつ、演歌は大っ嫌いなサキさん。

特に、森進一さんや五木ひろしさん。
彼らの曲が始まると、すっと席を立ち、仕事（洗い物や掃除や片づけ）を始めるサキさん。

いかにも…という感じの演歌がダメだったみたい。

テレサテンさんは、問題なく聞いていたし、カラオケで歌うこともあった。

今、YouTubeで、島津亜矢さんの曲を毎日聞いている。

いわゆる演歌歌手の方だが、透き通るような声で、感情豊かに演歌以外の歌も歌いあげている。演歌歌手というよりは、やはり純粋に、シンガーだと思う。

サキさん、聞いたらなんて言うだろうかな。
今度、サキさんにも聞いてもらおう。

歌縁2017／命の別名　島津亜矢


中島みゆきさんの歌を、見事に歌いきっている。最後にこぶしを利かしているのは、演歌歌手としての主張なのだろうか。

昼と夜、どちらも・・

今日は、サキさんの特養さんでの家族会があったので、昼と夜の2回、食事介助に行ってきました。

家族会は1時から。サキさんのとこに着いたのは12時を少し回っていました。既に昼食が始まっていましたが、すぐにスタッフさんと交代してサキさんの介助に入りました。

ちゃんぽん（もちろん、ゼリー食？です）と、エビシュウマイと杏仁豆腐。いつものスタッフさんの話しだと、ゼリーの時はほとんど完食していると言う事だったのですが・・・、私の介助がヘタだったのか、それとも暑さで食欲が奪われたのか、完食出来たのは、デザートの杏仁豆腐だけでした。


エプロンをしないと服がべたべたになっちゃうので仕方ありませんが、エプロンを付けると、やっぱり暑そうです。まだ5月なのに、異常な暑さ。風邪を通さないエプロンなので、見るからに暑そうです。

今日は、暑さのせいで食べきれなかった。
そういうことにしておいてください。

その後、家族会。といっても家族が主催する訳ではなく、施設側の一方的な説明、衣替えのお願い、事故の報告等が中心で、質疑応答の時間もありましたが、何もなく、あっという間に終了しました。

そしていったん帰宅。洗濯物を取り込んだり、ちょっとウトウトしたりで、あっという間に休日の昼間の時間は過ぎていってしまいます。

そして、再びサキさんの特養さんに。まだ5時前でしたが、すでに食事の場所にいました。暑いので、いつまでもベッドの上ではなく、早めにロビーに移動したのでしょうか。夕食までの1時間、サキさんの耳元で歌を歌ったり、うちわであおいだり、肩や腕、足をもんでみたりして過ごしました。

そして夕食が運ばれてきました。

アスパラガスは、半分くらい。きんぴらごぼうは1/4くらい、ごはんは1/3食べれたかな？　主催の豚肉の軟らか煮は、5切れのうち2切れだけ。それでもいつもの土曜日に比べると食べてくれた方だと思います。



その後の歯磨き。口の中には食べカスがぎっしり。歯磨きティッシュで口の中の残り物を取り除きます。前は口の左側だけだったのですが、今は、右も、もちろん左も、そして歯の前にも、カスがしっかり残っています。きちんと取り除いた後で、歯ブラシを使っての歯磨きです。ブラシでこすってみると、出るわ、出るわ、まだまだいっぱいのカスが出てきます。特にお肉の付け合わせの菜っ葉と、アスパラガスのせいでしょうか、歯ブラシに緑色のカスが目いっぱいくっついてきます。

せっかく口の中に食べ物が入っても、すぐに噛むのをやめてしまう最近のサキさん。その結果、飲み込めずに口の中に残ったままになってしまうのでしょう。さらに、歯ぎしりによる前歯の変形（後ろに引っ込んでしまってます）の為に、口の中に食べかすのたまる場所が増え、余計に食べにくく、飲み込みにくくなっているのかもしれません。飲み込む力は、まだ十分に残っていると思いますけど。

ということで、今日は昼も夜も完食とは程遠い内容でした。以前入院していた時も、夏場にピタッと食欲のなくなってしまったサキさん。そしてゼリー食になってしまいました。

暑くなるこれからの季節。サキさんの食欲が落ちませんように。水分もしっかりとってくれますように。

スタッフの皆さん、よろしくお願い致します。

冷蔵庫の中に

冷蔵庫の中に、飲みかけのペットボトルのお茶が、2本。

たぶん、娘の飲みかけのやつだ。もうだいぶ前から冷蔵庫の中に居座っている。冷蔵庫の中の場所をとって仕方ないので、娘の許可なく、捨てた。

そして、戻ってきた娘に伝えた。
「飲みかけのお茶、捨てたでね」

「おう」　（いっつもこういう返事だ）
「そういや、冷蔵庫の中のプルコギみたいなやつと、ハムは何なの」

何のことかと思いながら、冷蔵庫の中を確認してみると、食べきれずにラップをかけてしまってあった「プルコギ」と、「明方ハム（岐阜県の名産品、とてもおいしいです）」

てっきり、娘が作った、お弁当用の総菜だとばっかり思っていました。

もう、3週間以上前のものです。全く覚えていません。すっかり忘れていました。
毎日、冷蔵庫は3回以上開け閉めしているのに、娘のだとばかり思っていたので、「じゃまくさいな、変なのばっか作って」と完全に娘のものと決めつけていたので・・・、完全に私のうっかりでした。

あ～～～、もったいない。

先程、何重にも重ねて、処分しました。

歯でバリケード

今日は水曜日。サキさんの食事介助の日です。いつもなら、お姉さんと一緒なのですが、お姉さん、腰が痛くて仕事も早引きしたらしいので、今日も私だけでの介助です。

着くといつものようにサキさんの顔を拭きます。特に目のあたりを中心に。その時にあるスタッフさんから声をかけられました。
「本当に白い肌やね。シミ一つない。うらやましい」
本当に昔からサキさんの肌は白く、子供たちの授業参観でサキさんをみた息子の同級生が、「お前のお母さん、厚化粧やな」と言ったそうです。実際は、ほどんど化粧してなかったらしいのですが、それほど白かったようです。

さて、今日の食事です。

これが、食後のサキさんのトレイです。右上のおかず皿は空っぽですが、ご飯に全部かけただけです。左のコップは薬を解いた入れ物、食べたのは、左下の器のフルーチェ（メロン味）だけでした。それも半分はこぼれていたように思います。

いくらがんばっても口を開けてくれないし、強引にくちびるを突破しても、歯でバリケードを作って食べ物の侵入を断固阻止、といった感じです。

「ま、いいや。夜中にお腹が減っても知らんでね」
そう言って、食事を終わりにしました。（時間はもちろん十分かけています）



この前の日曜日の「あすなろ絆会」で、お姉さんを介護してみえる妹さんが言っていました。
「私（お義兄さん）が食べさせると、あまり食べないけど、妹が食べさせるとよく食べる。何でだろう」
そこですかさず言ったらしいです。
「お姉さんに対する思いが違うからやわ。」

一瞬、ドキッとしました。でも、うちらの場合は、お姉さんももちろん強い思いをもって接してくれていますが、わたしもサキさんへの強い思い、愛を持って接しているつもりです。

これまでも、そして、これからも。
サキさん、今度はいっぱい食べてね。

今日も食は進まず

サキさんの夕食介助に行ってきました。

今日は、私一人での介助です。
車椅子の後ろから近づき、サキさんの顔をのぞきこむと、サキさんの右目は開いていましたが、右目が目やにでくっついて閉じていました。ず～～っと目を閉じたままにしていたからでしょう。おしぼりとティッシュでふき取りました。すると、しばらくして、左目もパッチリ開くようになりました。（食事が始まるとまた閉じてしまいましたが・・・）

今日も食はあまり進みません。
私はお姉さんのように根気よく待つことができないので、すぐにあきらめ別のものに変えてしまいます。
今日は、ほうれん草のお浸しは完食。
筑前煮は、里芋とシイタケを大きな口を開けて食べてくれました。
ご飯とメインの鮭の照り焼きは、ほとんど口に入りませんでした。（4・5口くらいかな）

手を変え品を変えやってみても、やっぱり、口を開けてくれない事には何ともなりません。本当に食べたくない時もあるでしょうからね。気長にのんびりやっていきます。


帰り際のサキさんです。
ちょっと寂しそうな、悲しそうな、そんな表情をうかべていました。
「また、来るでね」
そう言いながら、私の鼻を、サキさんの鼻先にこすりつけました。いつもの帰り際のあいさつです。

「サキさん、待っとってね」

姉と妹の根競べ

仕事を終えて、家に着くとお姉さんが玄関先で、お隣さんと世間話をしながら待ってみえました。お姉さんも仕事帰り。バスを途中で下り、私の家で合流することが多くなりました。本来なら、年金生活で優雅な老後を・・・などと悠長なことは言ってられません。いくつになっても、働けるうちは働かないと食べていけません。
　ましてや、働けるのに働かないと、働きたいのに働けなくなった多くの皆さんに失礼です。真っ先に、サキさんに怒られそうです。「私も働きたいの、みんなの役に立ちたいの」そんなサキさんの声が聞こえてきそうです。

さて、サキさんの食事介助です。今日もお姉さんに完全にまかせっきりです。

また、いつもの口をとんがらかせての拒否も始まりました。でも、お姉さんもすぐにはあきらめません。サキさんの口元にスプーンをくっつけたまま、しばし　女の闘い　が繰り広げられます。

頑として口を開けないサキさん。めげることなくスプーンで圧力を加えるお姉さん。二人の根競べです。結果は引き分けと言ったところでしょうか。お姉さんが根負けしスプーンを引くことも、サキさんが意を決したように口を開けることもありました。

目も開けて、素直に口を開いて食べてくれるといいのですが。
「いっつも、最近は食べんのやろーか？」
お姉さんがスタッフさんに聞いてみると、普段は、ちゃんと食べているみたいです。やっぱり、私やお姉ちゃんだと分かって、分かったうえで甘えるように拒否しているのでしょうか。

嬉しくもあり、悲しくもあり・・です。

ほとんど口を開けてくれない

昨日のサキさんです。


4時過ぎにサキさんのところに行きました。
写真のように、サキさんはセーターを着てベッドで横になっていました。掛け布団も首のところまで掛けてありました。サキさん、暑くなかったかな？うちわであおぎながら、サキさんに声掛けをします。

「うっ、ウッ～～」と、歯ぎしりを交えながら、しきりにブツブツを繰り返すサキさん。音楽に合わせて口ずさんでいるようにも見えるし、「暑いよ～」と訴えているようにも見えるし、「家の事ちゃんとやっとる？、大丈夫？」と心配しているようにも見えるし、それぞれに対しての答えをサキさんに返してみました。

そして、夕食。
全く口を開けてくれませんでした。
お粥のご飯、メインのおかずの「豚肉のゴマ味噌炒め」は、全く食べてくれませんでした。私はお姉さんのようにじっと辛抱強く待たないので（結構気が短かい）、すぐに、あきらめてしまいます。

それでも、サツマイモの煮たやつと、エノキは、何とか口を開けて食べてくれました。

これだけ、口をとんがらせて拒否するサキさんですが、薬（粉薬をともみを付けたジュースで混ぜたもの）はそれ程拒否せず、ちゃんと飲んでくれます。とろみがついているからなんでしょうか？　もう、普通食の限界？　なのでしょうか。でも、カレーの時のらっきょうなんか、とってもいい音をさせて食べているので、やっぱり歯ごたえのあるものを何とか食べてもらいたいです。

普段は、トロミ食なので、普通食の食べ方を思い出すのに時間がかかっているだけなのかもしれません。それを、気の短い私が待てないだけなのかも。

もうしばらく、今のままで、サキさんには付き合ってもらおうと思います。

カレーの思いで

今日のサキさんの夕食のメニューは、カレーライス。

サキさんは、じゃがいもゴロゴロのカレーが大好き。というか、ジャガイモが大好き。ところが、私がジャガイモ大っ嫌いなため、サキさんが作る時のカレーはジャガイモを大きめにカット。私がジャガイモをよけやすいようにしてくれてました。

私がカレーを作る時（この方が回数としてははるかに多い。新婚の頃からだから）は、ジャガイモは入れない。玉ねぎとお肉とたまに、にんじんを入れるくらい。でもサキさんと子供たちのために、別のナベでジャガイモを煮て、最後に私の作ったルーを加えていました。もちろん、私の分は、ジャガイモの無い状態のものです。好みの違う私たちの苦肉の策（そんなおおげさなものか？）でした。


今日のサキさん、いつものように右に傾いています。

お姉さんの介助で食事がスタートです。ここでのカレーは、お粥のご飯にルーがかかっています。いつも少し引っ掛かるのですが、カレーや丼物の時くらい、普通のご飯でいいのにと。

サキさん、今日も自分の意思で、口を大きく開いたり、頑として拒否したり。
今日、サキさんのお気に召して、大きな口を開けてくれたのは、春雨サラダ（マヨネーズが効いていたのか？）、カレーの付け合わせのらっきょう。（カリカリッといい音を立てていました）そしてバナナ。アマ～～イ香りが届いたのでしょうか？

大好きなジャガイモを頑として拒否する場面もありました。あんなに大好きだったジャガイモを。味覚、好みも大きく変わってきたように感じました。

変わらないのは、眉間にシワをよせて、機嫌悪そうに、深刻な顔で食べ続けるサキさんの姿と、元気良く、耐えることの無い声掛けでサキさんの介助をするお姉さんの姿です。

お姉さん、いつもありがとうございます。
サキさん、たまには笑顔で食べて下さいね。

昨日の夜と今日の昼

昨日の土曜日は午後4時過ぎから、今日は朝の10時過ぎから、お姉さんと一緒にサキさんのところに行ってきました。

昨日のサキさんです。
ベッドの上のサキさんにいろいろ声をかけますが、振り返ったり目線を動かしたりといった反応はありません。それでも肩をマッサージすると、顔をしかめて反応してくれます。（痛がっているだけか？）


夕食は、お姉さんの介助で。メインの野菜のかき揚げは、ほぼ完食。酢の物（名前をど忘れ）の刺激に顔をしかめながらも、これも完食。おかゆのご飯は、だいぶ残しましたが最近では沢山食べたほうだと思います。（お姉さんの圧力のせいか）

そして、今日のサキさんです。

近くのコンビニで買ってきたロールケーキを食べてもらいました。でも、寝ていたのを起こされた感じだったので、なかなか口を開けてくれません。口をとんがらかせて、拒否する場面も。


ずい分遅くなりましたが、サキさんの63歳を祝ってのロールケーキでしたが、半分以上残ってしまいました。（残った分は、私がおいしく頂きました）

そして昼食。今日は、もちろんゼリー食です。

メインは、うなぎのちらし寿司。おいしそうな匂いが漂ってきます。でもゼリー食なので・・・。前の席のおばあさんは、刻みではありますが、普通食です。歯ごたえもあります。少し、うらやましい感じがします。

ゼリーなので食べやすいはずなのですが、なかなか口が開きません。何故か、辛し和え（緑のやつ）と、かしわ餅（茶色のやつ）の時は、ちゃんと口は開きます。しっかり自分の意思で、食べない、食べたいの意思表示をしているみたいです。

息子とサキさんのとこへ

今日は、息子が来てくれました。

今年の11月で30歳の大台に乗ってしまう息子。まだ彼女はいないみたいです。将来に備えて、「婚活」に力を入れるそうです。あせって変な子に引っ掛からないか不安です。
早く良い出会いがありますように。

娘は、日勤で普通に仕事なので、息子と二人で食事に行きました。
いつも行く、とんかつ屋さん。二人ともキャベツを大盛にして日頃の野菜不足を補います。息子は毎日、野菜ジュースを飲むように心がけていると言う事でした。（息子なりにいろいろ考えてはいるようです）

その後、二人でサキさんの特養さんへ行ってきました。


丁度、水分補給の時間だったので、トロミのついたオレンジジュースと、トロミのついた何かをもらいました。プリンでもなくゼリーでもなく、フルーチェのような感じ、でもはっきりとは分かりません。

息子に介助をしてもらいました。ぎこちない感じの息子です。それでも一生懸命にサキさんの口にスプーンを運んでいました。いつものように口を堅く閉ざすサキさんに悪戦苦闘しながらも、がんばって介助してくれました。（根は優しい子です。娘よりはるかに）


息子は正月以来でしたが、反応は薄くなっていると感じたようです。ついに最後まで目を開けてくれることも、今日はありませんでした。
大好きな息子が来てくれたんだから、目を開けて息子を見つめてくれればよかったんですが。
それでも、息子の呼びかけには、ぴくッと時折、反応していました。

サキさん、今度息子が来た時には、ちゃんと目を開けて見てあげてね。あなたの大好きで、とても心配で、そして大切な息子なんだから。

今年もよろしく

昨日の3時前、お風呂から出てきたばかりのサキさん。


首は右に傾き、付け根は、カッチカチです。お風呂から出たばっかりとは思えないほどの固さです。いっぱいマッサージをしてきました。

そして、家に帰り、休みに備えてのカレー作り。


玉ねぎ5玉、にんじん6本、豚肉1kgと、ジャワカレー2箱で大量に作りこんでおきました。昨日の夜からず～～っとカレーが続いています。5日まで、作る気がしない時も何とかなりそうです。

そして、年号変わって今日のサキさん。

ベッドで寝ていたサキさん。音楽をかけると、じっと聞いています。途中、アメージンググレースに反応。中島みゆきの曲にも「んっ、んっ」と、しきりに何か言いたそうな反応を繰り返します。眉間にシワをよせて、悲し気な表情です。

そして、夕食。

今日は全く食べてくれませんでした。
チンゲン菜のお浸しとバナナを食べただけで、ご飯と主菜の肉豆腐は、全くダメでした。口を開けてくれません。すぐに「チュチュ」っと吸ってしまいます。口の中に全く入りません。バナナの時は大きく開いてくれたのですが・・・。


帰り際のサキさんです。目を閉じて・・、やっぱり悲しそう。

帰りに、スタッフの方に思わず言ってしまいました。
「今年もよろしくお願い致します」