湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

揺れるの詩パート1

2016-02-10 00:22:12 | オリジナル
もうひとつの新しい共通テーマは、昨年4月の「折る」以来10か月ぶりの動詞シリーズ「揺れる」。
「揺れる」をテーマにAが作った詩を投稿します。

愚者

心が心臓の場所に存在するなんて
信じちゃいないよな
ぼくの場合は腸にあるんだ

腸壁がぐしゃぐしゃなんだ
内視鏡検査で空っぽにした腸の内部
くねったぐしゃぐしゃのトンネルが
夢のようにきれいな色で
どこまでも揺れて続いてた

全ての愚者は美しい
常習犯の心も
クレーマーの心も
依存症患者の心も
揺れて崩れながら甲高く歌い
四方八方に鮮やかな
血をほとばしらせている

病後の成長を考えれば
病没はあんまりだ
もう少し生かしておいてくれ
コメント
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