湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

金澤詩人冬季号

2016-02-18 10:02:01 | オリジナル
寒いと炬燵テレビっ子的なネタが増えてしまい恐縮です。
ゆうべの日テレ「ナカイの窓」での芥川賞作家・西村賢太さんと直木賞作家・石田衣良さん、かなり自由にぶっちゃけてましたね~。「じゃない方」芥川賞作家さんに対抗してるみたいに…。私としては色や金的なお話よりも、石田衣良さんがデビュー作IWGP執筆時にヴァクスの文体をモデルにしたというエピソードが最も印象的でした。

さて、氷見の詩人近岡礼さんが主宰する金澤詩人倶楽部発行の「金澤詩人」最新号(第8号・冬季号)に、Aの投稿作品が2篇掲載されました。
その中から一篇紹介します。

その舌で斬りつけないで 
  
勝手にしかしゃべれないのは知っている
あなたの世界はあなたの外にない
比べたら
わたしの世界は半分が外部にある
だからわたしはあなたの目の前で
勝手に耳をふさげない
勝手に目をふせられない
勝手に口をひらけない
黙って席を立つ勇気は
遠い昔 ものごころと引き換えた

笑えない冗談をにこやかに聴き
別れの挨拶をにこやかにして
家について一日経ってから
にこやかさが消えて
最も愛する人にやつ当たりする
長い時をかけてわたしの一部になった彼が
ふるえて涙をこらえている
わたしの一部分が怯え縮まっている

わたしたちの惨状を
あなたは別の場所で独りで
ほくそ笑むか
すすり泣くかして
あなたの中であなたを守りながら
知らずにいる
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