共通テーマ「雫」でAが書いた詩を投稿します。
流れる
見えない無数の道筋が
源から分かれているのだが
選ぶことは不可能だ
あてがわれた闇を細々下る
曲流に降り注ぐ黯い雫
流されていくデラシネに
跳ね返す力はなかった
光は表面を一瞥し去っていく
別の流れが不意に現れる
合流したことで生まれた泡が
君を掬いあげるかに見えたが
命運に抗えず側向き流れ去る
濁った雫が溜まった池に行き尽く
しんとして黒光りする水面が
どんなに輝いていようと
底に汚泥が渦巻くことは
既に誰もが知っていて
善人の悪意と悪人の善意しか
君には与えられなかった
拒絶する力は
ついに身に付かなかった
流れる
見えない無数の道筋が
源から分かれているのだが
選ぶことは不可能だ
あてがわれた闇を細々下る
曲流に降り注ぐ黯い雫
流されていくデラシネに
跳ね返す力はなかった
光は表面を一瞥し去っていく
別の流れが不意に現れる
合流したことで生まれた泡が
君を掬いあげるかに見えたが
命運に抗えず側向き流れ去る
濁った雫が溜まった池に行き尽く
しんとして黒光りする水面が
どんなに輝いていようと
底に汚泥が渦巻くことは
既に誰もが知っていて
善人の悪意と悪人の善意しか
君には与えられなかった
拒絶する力は
ついに身に付かなかった