湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

雫の詩パート3

2016-02-21 01:04:27 | オリジナル
共通テーマ「雫」でAが書いた詩を投稿します。

流れる

見えない無数の道筋が
源から分かれているのだが
選ぶことは不可能だ
あてがわれた闇を細々下る
曲流に降り注ぐ黯い雫
流されていくデラシネに
跳ね返す力はなかった
光は表面を一瞥し去っていく

別の流れが不意に現れる
合流したことで生まれた泡が
君を掬いあげるかに見えたが
命運に抗えず側向き流れ去る

濁った雫が溜まった池に行き尽く
しんとして黒光りする水面が
どんなに輝いていようと
底に汚泥が渦巻くことは
既に誰もが知っていて
善人の悪意と悪人の善意しか
君には与えられなかった
拒絶する力は
ついに身に付かなかった
コメント
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