湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

雫の詩パート1

2016-02-09 01:23:41 | オリジナル
披露山公園の売店と小動物園の間に並んでいる自動販売機で一際来園者の目をひいているのがこれ。

昨年3月28日の当ブログ「子フェスでアート」で紹介したペインティング作品がラッピングされたものです。
では、新しい共通テーマ「雫」でTが書いた詩を投稿します。

言葉の雫

子供が言葉を覚え始めた頃
モノを指さして
「これは?」と聞く
私は嬉しくなって
「コップ」「えんぴつ」「イス」
と 答える
自分から聞いたモノは一度で覚えた
外へ出ると
「あれは?」と指さす
「ちょうちょ」「ヘリコプター」
と 答える
「ヘリコプター」とうまく言えずに
「クルトッパー」と一生懸命に言う
けなげ

何年かが過ぎてから気が付いた
近くのモノを「これは?」
遠くのモノを「あれは?」
この代名詞はどのように覚え
使い分けはいつできるようになったのか
私が知らず知らずに言っていたことを
オウム返しに言うようになったのだろう
雨上がりの木の葉の上の水滴が
雫となって落ち地面に浸み込んでいくように
たくさんの言葉の雫を子供は吸収していったのだ
コメント
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