湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

詩を書くM氏

2016-02-11 11:22:28 | 
逗子海岸でワカメを拾う人
今日は、下記の詩について合評会で話し合ったことを投稿します。

或る目覚め

サルが いやネコが いや サルが
どちらでもいい とにかく めがねをかける
サルをかっているんだ 詩なんか書くんだぜ
M氏は大きな指で大きなバナナを食べおわると
しみじみと言った
詩なんかクソくらえ と大声をだした
ペットのサルからノートをとりあげ よんでみる
  目が覚めてすでに演技の手足です
よんですぐ 詩の意味が M氏にわかった

その日からM氏は 詩をはじめた
我が愛する猿の記 という題で


:作者の弁 :評者の弁
 一行目でサルをネコと勘違いするのはなぜ?
 この詩の主人公M氏の様子を表したのです。
 おかしな人って訳ね。「詩なんか書くんだぜ」という言い回しに彼のポーズの取り方が出ています。
 彼は作者自身なんですけどね。
 他者に見せかけた人物の台詞や行動で自分を茶化して書くなんて、軽く見せかけてなかなか深い!
 M氏は「すぐにわかった」つもりになって、最終連で自分も詩を書き始めたりするんだけど、何もわかってはいない訳。
  そのために反語的な皮肉を込めた一連目の最後の行は、推敲不足で不本意な箇所です。
 最後に出てくる「我が愛する猿の記」という作中詩のタイトルはどういう意図?
 ありがちなタイトルで平凡な詩を象徴しました。
 平凡な詩を象徴的に書いて非凡な作品に仕立てるなんて、韜晦テクニックがすごい、すごすぎます! 
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